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213.2回目の学園祭
しおりを挟む実技のテストも終えて、テスト期間が終了した。やっと精神的にも余裕が生まれたので、速攻で家帰ってティアウェルと遊んで、テスラさんといちゃいちゃするんだ!!絶対!
「お疲れ二人とも!じゃあね!」
「ああ、またなナルア」
「ん、また…あ、いや、俺もナルアの家行きたい」
「ん?ウェネル家来たいの?」
「まぁ…その…あの子に会いたい…」
「ティアウェル?」
「狐の子、ティアウェルって名前になったんだな」
「うん、似合ってるし可愛いよね!」
「ん、可愛い」
「よし!じゃあ行こう!ウェネル」
ウェネルがティアウェルのこと好きになってくれたようで嬉しいと思う。これきっかけでウェンさんともこのまま仲良くなってくれたりしないかなー…ってさすがに考えが甘すぎるか。
テスラさんとウェネルと三人で帰る。日本人の恥じらいとして、少し手を繋いでるの友達に見られるの恥ずかしい気もする。けれど今更かと思い直す。抱っことか見られてるし。
「おかえりナルア」
「ただいまテスラさん!今日はウェネルも一緒に帰るよ!」
「そうか。」
「お邪魔させてもらいます」
テスラさんはコクリと頷く。なんかちょっと幼い感じの仕草でとってもキュンとした!つい手をぎゅっと握ってしまったが、テスラさんは気にした様子もなく握り返してくれた。なんだか楽しくなってにぎにぎしてしまった。
「テスラさん、今日は俺が腕を振るいますからね!」
「ああ、今日は鍋がいい。」
「鍋ですね!了解です!ウェネルも食べてく?」
「ううん、今日はやめとく。」
「そっか。じゃあまた今度!」
「ん」
「ウェネル、あとで少し話せるか?」
テスラさんに声をかけられてすごくびっくりしてるウェネル。わからないでもない。…テスラさんって俺以外にはいかにも他人に興味ないですって顔してるし、滅多に自分から声発さないもんね。
「?!…はい…」
「何話すの?」
「少し頼みがあってな。」
「ふーん。テスラさんも色々忙しいもんね」
「ああ。」
ウェネルに頼み事か。最近ウェンさんのこと休ませてるからかな。まぁ必要があれば俺にも話してくれるだろうから、気にしないでおくかな。
家に帰れば、リオネルがティアウェルのこと抱っこして出迎えてくれた。
「ただいまーティアウェル、リオネル!」
「ん、おかえりナルア」
「きゅーん」
「お邪魔します」
「あ、いらっしゃいウェネルくん。」
「ロウくんは?」
「ん?あぁ、研究室。」
「そっか。」
「うん、魔法の国だから色々できて楽しいんだって。そのおかけで僕は寂しいんだけど。でもティアウェルが一緒にいてくれた。ふふっ可愛い」
「そっかそっか。ティアウェル、あとでウェネルも遊んでくれるって!良かったねぇ」
「きゅん!」
ティアウェルとウェネル、リオネルが遊んでいるのを横目に、ご飯の準備を始める。もう実技でいっぱい動いたからお腹ペコペコだし!ご飯にはちょっと早いけど気にしない!
珍しいことにナルアの番、テスラさんに呼ばれた。もしかして俺の気持ちがバレたのか…とも思ったけど険悪そうな雰囲気ではない。ティアウェルと戯れに来ただけなんだけど…。
「呼び出して悪かったな。」
「いえ…」
「さて、それで頼みだが、今回の学園祭面倒なことになりそうでな。ウェンの話によれば、去年の学園祭でナルアは力を見せつけ過ぎたようでな、ナルアを狙う輩が増えた。国に引き込む事という面でも消そうとする面でもな。」
「…そうでしょうね…」
「お前に頼みたいのは護衛だ。ナルアは抜けている面があるからな。報酬は…なにがいい?」
「金」
「わかった。とりあえず前金だ。受け取っておけ。…先に言っておくが、お前の里の奴らをまるごと引き込んだ奴らがいる。戦うことになるぞ。」
「構いません。昔は…ナルアに出会う前なら抵抗があったかもしれない。けど、今はナルアの方が大事だ」
「そうか。ならばいい。よろしく頼む。」
言うだけ言ってさっさとナルアのもとに戻っていったテスラさん。目の前に置かれた大金…これで前金?完全に貰いすぎなんだけど…死ぬ気で守らなきゃね…だるい…けど、今回ばかりは頑張れそうだ。
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