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208.魔術学園2年生22

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各々食べて、まだ食べてる人もいるけど、俺は少食なだけあってもう満足した。ふとテスラさんの方を見ると、お狐さんが尻尾にじゃれついている。テスラさんの方もそれを分かっているようで、尻尾を動かして遊んであげているらしい。

すごく微笑ましい。

尻尾を見ているうちに俺も身体がうずうずしてきた。追いかけたい…駄目駄目!お狐さんが遊んでるんだもん。邪魔しない。邪魔しな…い。

「ふふっナルア、おいで」

「テスラさん!」

「きゅー?」

「お狐さん、おいで。そろそろ寝ようね。明日はお出かけだからね。」

「楽しみだね!!名付けの儀式!きっと素敵な名前が貰えるね。お狐さん」

「きゅー!」

「ナルアくんも一緒に来るんすよね?」

「うん!」

「じゃあ明日は8時に出かけるっすからその予定でお願いするっすテスラさん」

「ああ、わかった。」

明日は遂に名付けの儀式があるのだ。お狐さんに名前が貰える日だ。俺達も一緒に行って、名付けを見届けることにしようと思っている。

「ナルア、嬉しそうなところ悪いが、片付けをして俺達は帰ろうと思うが」

「ククル、ウェネルお腹いっぱいになった?」

「ああ、食べ過ぎたほどだ」「ん」

「ふふっ良かった!じゃあ片付けよう!」

「ライト」

テスラさんがささっとライトの魔法を展開してくれて、明るくなった庭でゴミを集めたり、みんなで食べるように出したコンロなんかをしまったり、洗い物をしたりする。分担して行ったので、早く終わった。

リオネルとロウくんは明日は名付けの儀式には来ないんだけど、家でお祝いの準備をしてくれると言っていた。楽しみだなぁ。

俺が楽しみで眠れないのを見越されていたようで、テスラさんに寝かし付けられる。そして時間通りに起こされて、無事に準備を終えることが出来た。みんなでウェンさんの手配した竜車に乗り込む。

「おはようウェンさん、ティナさん、お狐さん!」

「おはよっす」「おはようございますナルアくん、テスラさん」「きゅ!」

「んふふ、お狐さん、初めて外に出られるんだよ。楽しみ?」

「きゅーん」

尻尾をふりふりして、興味津々といった様子で外を眺めているお狐さん。竜車の窓を閉められて悲しそうな声を上げた。まぁ窓に齧りついてたら危ないからね…。

ウェンさんが御者をして、迅速に教会にたどり着いた。中に入れば、数人の子どもたちとその家族たちが儀式の始まりを待っているようだ。俺達もそこに加わる。

親の名前が順に呼ばれ、その家族が神官に連れられて奥に入っていく。そして出てくれば、幸せそうな笑みで去っていく。俺達の番もすぐにやって来た。

彫刻なんかが施されているものの真っ白でシンプルな空間のなかで、名付けが行われた。お狐さんに祝福の光が降り注ぎ、神官さんに名前の書かれた紙を手渡される。

「ティアウェル…すか。良い名前っすね」

「ティアウェル!可愛い!良かったねティアウェル」

「きゅー!」

何だか分かっていなさそうだが、褒められているのは分かるようで、胸を張って誇らしげにしているティアウェルが可愛い。アルフレドティーナとウェンの要素を継いでいるようで良い名前だなーと思う。響きも可愛いし!





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