210 / 239
208.魔術学園2年生22
しおりを挟む各々食べて、まだ食べてる人もいるけど、俺は少食なだけあってもう満足した。ふとテスラさんの方を見ると、お狐さんが尻尾にじゃれついている。テスラさんの方もそれを分かっているようで、尻尾を動かして遊んであげているらしい。
すごく微笑ましい。
尻尾を見ているうちに俺も身体がうずうずしてきた。追いかけたい…駄目駄目!お狐さんが遊んでるんだもん。邪魔しない。邪魔しな…い。
「ふふっナルア、おいで」
「テスラさん!」
「きゅー?」
「お狐さん、おいで。そろそろ寝ようね。明日はお出かけだからね。」
「楽しみだね!!名付けの儀式!きっと素敵な名前が貰えるね。お狐さん」
「きゅー!」
「ナルアくんも一緒に来るんすよね?」
「うん!」
「じゃあ明日は8時に出かけるっすからその予定でお願いするっすテスラさん」
「ああ、わかった。」
明日は遂に名付けの儀式があるのだ。お狐さんに名前が貰える日だ。俺達も一緒に行って、名付けを見届けることにしようと思っている。
「ナルア、嬉しそうなところ悪いが、片付けをして俺達は帰ろうと思うが」
「ククル、ウェネルお腹いっぱいになった?」
「ああ、食べ過ぎたほどだ」「ん」
「ふふっ良かった!じゃあ片付けよう!」
「ライト」
テスラさんがささっとライトの魔法を展開してくれて、明るくなった庭でゴミを集めたり、みんなで食べるように出したコンロなんかをしまったり、洗い物をしたりする。分担して行ったので、早く終わった。
リオネルとロウくんは明日は名付けの儀式には来ないんだけど、家でお祝いの準備をしてくれると言っていた。楽しみだなぁ。
俺が楽しみで眠れないのを見越されていたようで、テスラさんに寝かし付けられる。そして時間通りに起こされて、無事に準備を終えることが出来た。みんなでウェンさんの手配した竜車に乗り込む。
「おはようウェンさん、ティナさん、お狐さん!」
「おはよっす」「おはようございますナルアくん、テスラさん」「きゅ!」
「んふふ、お狐さん、初めて外に出られるんだよ。楽しみ?」
「きゅーん」
尻尾をふりふりして、興味津々といった様子で外を眺めているお狐さん。竜車の窓を閉められて悲しそうな声を上げた。まぁ窓に齧りついてたら危ないからね…。
ウェンさんが御者をして、迅速に教会にたどり着いた。中に入れば、数人の子どもたちとその家族たちが儀式の始まりを待っているようだ。俺達もそこに加わる。
親の名前が順に呼ばれ、その家族が神官に連れられて奥に入っていく。そして出てくれば、幸せそうな笑みで去っていく。俺達の番もすぐにやって来た。
彫刻なんかが施されているものの真っ白でシンプルな空間のなかで、名付けが行われた。お狐さんに祝福の光が降り注ぎ、神官さんに名前の書かれた紙を手渡される。
「ティアウェル…すか。良い名前っすね」
「ティアウェル!可愛い!良かったねティアウェル」
「きゅー!」
何だか分かっていなさそうだが、褒められているのは分かるようで、胸を張って誇らしげにしているティアウェルが可愛い。アルフレドティーナとウェンの要素を継いでいるようで良い名前だなーと思う。響きも可愛いし!
22
お気に入りに追加
3,273
あなたにおすすめの小説
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜
N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。
表紙絵
⇨元素 様 X(@10loveeeyy)
※独自設定、ご都合主義です。
※ハーレム要素を予定しています。
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
本編完結しました!
おまけをちょこちょこ更新しています。
第12回BL大賞、奨励賞をいただきました、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです、ほんとうにありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる