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187.魔術学園2年生

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季節は流れ、テストも無事にパスして晴れて2年生になっていた。今年もミミス先生が担任でククルとウェネルも一緒だ。そしてこの春嬉しいしらせもあった。

ティナさんが子供を産んだのだ。それはもう可愛くて可愛くて…猫可愛がりしている。どうやらウェンさんの血を強く引いたらしく狐の可愛い女の子だ。今はまだ獣形で、小さな足でぽてぽてと追い駆けて来てくれるのがたまらない。目もクリクリで全身ふさふさしている。

基本的にはティナさんがお世話をしている。俺のことは兄のように思ってくれているらしく、離れると寂しがって鳴いてくれる。だから家に帰ると直ぐに手を洗って彼女と触れ合っている。触り心地は本当にもふもふで可愛い。

そんな可愛い彼女の事が大好きな俺だが、最近はテスラさんが嫉妬しているようなので少し控えるようになった。そして夜には全力でテスラさんをモフっている。

「テスラさん可愛いねぇ。世界一可愛い!大好きだよー」

「がる…」

「んふふ!」

「ぐるるる…」

存分にもふもふして、程よい所で眠りについた。因みにテスラさんと彼女はあまり仲良く無いようだ。俺を取り合っているのでそのせいだろう。まだ名付けの儀をしていないがどんな名が与えられるんだろうなぁ。なんにしても成長が楽しみだ。

因みに俺の従魔のノエルも彼女の良い遊び相手になってあげているようだ。俺が学園に行っている間に遊んでくれているとティナさんが言っていた。最近は影の中に居ないなぁと思っていたら家に居たらしい。

そして2年生に上がったのでずっと楽しみにしていたダンジョンも解禁だ。今日はダンジョン探索の授業で冒険者ギルドにやってきている。ミミス先生に引率されている。

今日はギルドのルールを職員さんに教えてもらう。またギルド登録していない人は今日登録することも出来るのだそうだ。大半がしていないらしく随分並ぶらしい。ウキウキでギルドに足を踏み入れる。

少し広めの講習室で説明を聞いてから、実際に受付やギルドの依頼書の貼ってある所、買い取り場所なんかを見せてもらう。次の授業までに三人グループを作ることとギルド登録を終えておくという課題が出されて、今日は終わりだった。

「お?どっかで見た顔だと思ったらナルアじゃねぇか!」

「ん?……えーと…セス?」

そうだ!前にギルドに来たとき、心配してくれた牛獣人のセスだ。相変わらず良い筋肉!デッカいなぁ。

「おう…って忘れてたろ。まぁいいけどよ。それよかお前学園生だったのか、すげぇな!」

「うん!今年からダンジョン入れるから度々顔出すと思うからよろしく!」

「おうよ!困ったら頼っていいぜ」

「ありがと」

セスの知り合いだという他の冒険者にも紹介してもらって、少しだけ話してギルドを後にした。ミミス先生が学園に戻っちゃうからね。一人で歩かないって厳命されてるし。ククルたちもいるから厳密には一人じゃないけど、信頼できる大人がいないと駄目だと言われてるからね。

学園に戻るとククルとウェネルとも別れて、一人で契約魔法と召喚魔法の授業に向かう。ゴス先生がすでにいたので、先に始めさせてもらうことにして、魔力量を高める為に魔力を消費していく。

「ゴス先生、こんにちは。先に始めてもいいですか?」

「おう、構わねぇ。」

召喚魔法を使うのには召喚魔法陣や召喚された魔獣次第で沢山の魔力が必要になる。強い従魔が欲しければ魔力量は欠かせないのだ。そしてもちろん召喚出来たとして、契約してもらうにも魔力は必須。言うことを聞いてもらったりする対価として魔力を渡すことも少なくないからね。

まぁそういうわけでこの授業の始めは魔力量を増やすための時間が設けられている。一朝一夕には行かないし、地道に努力するしか無いものだからね。俺も魔力は多い方だけど頑張ろう。

座って適当な魔法をポンポン使っていく。む?魔力持ってかれる…振り返れば影の中にいたノエルが顔を出している。ノエルと契約してから、1年弱だが大型犬サイズに成長している。大きさは変えられるらしく、元のサイズ以上に大きくはなれないが、小さくはなれるようだ。

最近は成長期なのかよく食べるんだよね。

「こらノエル、いたずらっ子め。お腹空いたのか?」

「きゅ!」

「仕方ないな。あげるから前おいで」

どのみち魔力を減らす必要があるので、ノエルに魔力を上げる。俺の魔力を3分の1程食べたところで満足したようで影に戻っていった。かなりの魔力量があるはずなのでノエルは大食漢なのだろう。

まぁ元気な分にはそれでいい。まだまだ子供だし。可愛いものだ。ノエルのためにも魔力量を増やしておかないとな。従魔に与えるのは魔石でも良いらしいんだけど、俺はずっと自身の魔力をあげている。そのほうが近づけるような気がするし。

授業の開始が迫ると、周りにも人が増えてきた。各々魔力を使い切って、そこかしこで寝転がっている。魔力切れはだるくなったり、頭痛がしたりするからな。

1年の間にもやっていたから皆魔力量は増えてきている。そして2年生に上がった今回からついに中級召喚魔法陣で召喚を行えるのだ。初級召喚魔法で契約をした人は俺だけで、皆は中級以上でするつもりらしい。まぁ初級だろうが契約してしまえば、自分の魔力量を削ることになるからね。

魔力ポーションで魔力を回復させた人から中級召喚魔法陣に向かっていく。俺はまだいいや。次の授業でやることにして、今日はみんなが召喚魔法を使っていくのを見ていた。

オークや蛇の魔物、ウルフなんかが召喚されている。3分の1程の生徒が契約を終えたようだ。そして授業の終わりが告げられた。




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