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173.閑話 第三王子の末路
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※見なくても支障ありません。第三王子エルミの話なので胸糞かも?
リクエスト頂いたので書いてみました。満足頂けるか分かりませんが、お収めください。
やっぱり僕に相応しいのはテスラだ。だからこそ居なくなってからも、適度な男を相手しながらずっと番は持たずに待ったし、手に入れる為に手を回したりもした。そして遂に手に入れた…
ふふっあはははははは!
当たり前だよね。あんなちんちくりんな猫なんかよりも美しい僕を選ぶことなんて。
ウサギの特性上、いつでも発情期になれるから、フェロモンで誘惑したら激しく求められて、テスラとの初めてで項を噛んでもらった。嬉しくて嬉しくて夢見心地だった。
番になって、発情期を終えて動けるようになったら、すぐに父のところに直談判に行った。もうテスラに逃げられないようにさっさと籍を入れてしまいたいもの。
「お父様、僕、彼と結婚します。もう番にもなりました。」
「なんだと!?本当にそんな男がいいのか?エルミよ…」
「はい!当たり前です!彼しかいません!」
「そ、そうか…」
国王は内心焦っていた。エルミが突然、番を連れてきたのだ。それもこちらが用意したわけでもない相手だ…。エルミの好みの男は顔の良いものばかりだったが…番だと連れてきたのは豚の獣人だ。今までなら絶対に近づけることさえ良しとしない相手だっただろう。第三王子エルミの趣味が急に変わってしまったことにも驚いた。
それに…今までエルミのことをチラつかせて、操っていた者達も従わなくなる可能性がある…これは不味いことになった…
しかし最早番になってしまったのだ。降嫁させる以外に選択肢などない…。これでも一応エルミのことは可愛がっていたのだがな…。なぜ相談もせずに勝手なことを…。
「よい…勝手にしろ。降嫁ということになる。お前から王子としての権限を剥奪する。一刻も早く出ていくように」
「はい、それじゃあさよならお父様。行こ?テスラ」
「ええ、参りましょう」
許可も出て幸せな気分のまま、連れられるままに竜車に乗り込む。
エルミが乗り込んだところで、商人に一人の男が近づく。そして釘を刺すように声をかける。
「おい、分かっているな?」
「ええ、承知しております。エルミ様のことは決して外には出しません。」
「ああ、それでいい。それと、もうそろそろエルミにかけた魔法が切れる頃だ。暴れるだろうが、よろしく頼むぞ」
「ええ、小さな体で抵抗されるのも良いですからなぁ。」
「全く理解出来ん…が、協力してくれるならそれでいい。」
「お約束は必ず守りますとも。信頼こそが商人にとって最も大切ですからな。フォッフォッフォ!」
エルミは降嫁され、商人の男によって生涯幽閉されることになっている。今は至極幸せそうだが、催眠状態が解ければ、地獄に叩き落とされることになるだろう。
その時のことを考えれば、ついつい笑みが浮かんでしまう。友を苦しめてくれたのだ。遂に報いを与えることが出来て嬉しい限りだ。
「エル、お前悪い顔をしているぞ」
「申し訳ありませんヨルク様」
「まぁ…嬉しいのはわかるが、人前では控えろよ」
「はい」
幸せな気分のまま、竜車の中で眠ってしまって…いつの間にか何処かの部屋に連れ込まれたらしい。ベッドから起き上がり、降りようとすると足に重さを感じる。ジャラリと不穏な音がした。
布団を退けて見下ろせば、王子である自分の足には付けられる筈のない枷が嵌められていた。テスラがやったの?
だとしたら独占欲ってやつかな?それも悪くないか。でも目覚めたとき側に居ないのは頂けない。
「テスラー!!僕、目が覚めたよ!」
やけに厚い扉が開いて、誰か…ううん、テスラが入ってきたのだと思った。
だって…だって番の匂いがしたから。
けれど予想を裏切って、入って来たのは醜い豚の獣人だ…。暫く思考が停止して、目の前の現実が受け入れられなかった。これは…夢…?
おかしいよ…こんなの…意味分かんない…。
…いや、本当は分かっている。この絶対に近付きたくない不細工な獣人が自分の番なんだって。だって自分の本能がそう理解しているから。
でも駄目だ…現実を理解したらもう…もう…ぼくは…
「お目覚めですか、我が番。おはようございます。貴方がお願いしてくれたおかげで早急に籍を入れることもできました。正式に私の伴侶ですね?嬉しいですか?」
「あ…あ……う…そ…うそだよ…」
「嘘ではありませんよ?今日は初夜ですから…私の子を孕んでくださいね。」
「いや…いやぁぁぁぁ!!やめて!さわらないで!!!」
「それは出来ません。ほら、発情期が来ているじゃありませんか。あなたの身体は私を求めている。そうでしょう?」
「ちがっ…!!やだ!…いやだってば!!」
「そう言われましても…貴方の相手が出来るのは番の私だけですよ?まぁ…発情期の間、耐えるというのなら…無理にとは言いませんが…ふふっ我慢できるものならしてみると良い。貴方が発情期のたび、色々な男を喰っていたのは知っています。淫乱な身体が耐えられるといいですね…?」
「くっ…どっかいって…お前なんかとは…絶対にしないから!!はっ…」
必死に唇を噛み締め、淫らな声が出ないように我慢するのを暫く見てから、部屋を出た。何時まで耐えられるか見物だな。
あの絶望した顔…。ふふっふははは!愉快だ!
王子を組みしけただけでも満足だったが、あんなにもイイ顔を見せてくれると…滾りますねぇ。本当に声を掛けてくれた第一王子派には感謝しかありませんよ。せいぜいお役に立ってみせましょう。
________
どうでしたでしょうか?
ちなみにこのあとは、耐えられなくなって屈辱に塗れながら強請り、沢山孕まされちゃう…的な感じですね。
まぁ外には出られませんが、豚獣人さんにそれなりに大事にされるので、エルミ本人的には絶望に違いありませんが、それなりの人生ですね。
リクエスト頂いたので書いてみました。満足頂けるか分かりませんが、お収めください。
やっぱり僕に相応しいのはテスラだ。だからこそ居なくなってからも、適度な男を相手しながらずっと番は持たずに待ったし、手に入れる為に手を回したりもした。そして遂に手に入れた…
ふふっあはははははは!
当たり前だよね。あんなちんちくりんな猫なんかよりも美しい僕を選ぶことなんて。
ウサギの特性上、いつでも発情期になれるから、フェロモンで誘惑したら激しく求められて、テスラとの初めてで項を噛んでもらった。嬉しくて嬉しくて夢見心地だった。
番になって、発情期を終えて動けるようになったら、すぐに父のところに直談判に行った。もうテスラに逃げられないようにさっさと籍を入れてしまいたいもの。
「お父様、僕、彼と結婚します。もう番にもなりました。」
「なんだと!?本当にそんな男がいいのか?エルミよ…」
「はい!当たり前です!彼しかいません!」
「そ、そうか…」
国王は内心焦っていた。エルミが突然、番を連れてきたのだ。それもこちらが用意したわけでもない相手だ…。エルミの好みの男は顔の良いものばかりだったが…番だと連れてきたのは豚の獣人だ。今までなら絶対に近づけることさえ良しとしない相手だっただろう。第三王子エルミの趣味が急に変わってしまったことにも驚いた。
それに…今までエルミのことをチラつかせて、操っていた者達も従わなくなる可能性がある…これは不味いことになった…
しかし最早番になってしまったのだ。降嫁させる以外に選択肢などない…。これでも一応エルミのことは可愛がっていたのだがな…。なぜ相談もせずに勝手なことを…。
「よい…勝手にしろ。降嫁ということになる。お前から王子としての権限を剥奪する。一刻も早く出ていくように」
「はい、それじゃあさよならお父様。行こ?テスラ」
「ええ、参りましょう」
許可も出て幸せな気分のまま、連れられるままに竜車に乗り込む。
エルミが乗り込んだところで、商人に一人の男が近づく。そして釘を刺すように声をかける。
「おい、分かっているな?」
「ええ、承知しております。エルミ様のことは決して外には出しません。」
「ああ、それでいい。それと、もうそろそろエルミにかけた魔法が切れる頃だ。暴れるだろうが、よろしく頼むぞ」
「ええ、小さな体で抵抗されるのも良いですからなぁ。」
「全く理解出来ん…が、協力してくれるならそれでいい。」
「お約束は必ず守りますとも。信頼こそが商人にとって最も大切ですからな。フォッフォッフォ!」
エルミは降嫁され、商人の男によって生涯幽閉されることになっている。今は至極幸せそうだが、催眠状態が解ければ、地獄に叩き落とされることになるだろう。
その時のことを考えれば、ついつい笑みが浮かんでしまう。友を苦しめてくれたのだ。遂に報いを与えることが出来て嬉しい限りだ。
「エル、お前悪い顔をしているぞ」
「申し訳ありませんヨルク様」
「まぁ…嬉しいのはわかるが、人前では控えろよ」
「はい」
幸せな気分のまま、竜車の中で眠ってしまって…いつの間にか何処かの部屋に連れ込まれたらしい。ベッドから起き上がり、降りようとすると足に重さを感じる。ジャラリと不穏な音がした。
布団を退けて見下ろせば、王子である自分の足には付けられる筈のない枷が嵌められていた。テスラがやったの?
だとしたら独占欲ってやつかな?それも悪くないか。でも目覚めたとき側に居ないのは頂けない。
「テスラー!!僕、目が覚めたよ!」
やけに厚い扉が開いて、誰か…ううん、テスラが入ってきたのだと思った。
だって…だって番の匂いがしたから。
けれど予想を裏切って、入って来たのは醜い豚の獣人だ…。暫く思考が停止して、目の前の現実が受け入れられなかった。これは…夢…?
おかしいよ…こんなの…意味分かんない…。
…いや、本当は分かっている。この絶対に近付きたくない不細工な獣人が自分の番なんだって。だって自分の本能がそう理解しているから。
でも駄目だ…現実を理解したらもう…もう…ぼくは…
「お目覚めですか、我が番。おはようございます。貴方がお願いしてくれたおかげで早急に籍を入れることもできました。正式に私の伴侶ですね?嬉しいですか?」
「あ…あ……う…そ…うそだよ…」
「嘘ではありませんよ?今日は初夜ですから…私の子を孕んでくださいね。」
「いや…いやぁぁぁぁ!!やめて!さわらないで!!!」
「それは出来ません。ほら、発情期が来ているじゃありませんか。あなたの身体は私を求めている。そうでしょう?」
「ちがっ…!!やだ!…いやだってば!!」
「そう言われましても…貴方の相手が出来るのは番の私だけですよ?まぁ…発情期の間、耐えるというのなら…無理にとは言いませんが…ふふっ我慢できるものならしてみると良い。貴方が発情期のたび、色々な男を喰っていたのは知っています。淫乱な身体が耐えられるといいですね…?」
「くっ…どっかいって…お前なんかとは…絶対にしないから!!はっ…」
必死に唇を噛み締め、淫らな声が出ないように我慢するのを暫く見てから、部屋を出た。何時まで耐えられるか見物だな。
あの絶望した顔…。ふふっふははは!愉快だ!
王子を組みしけただけでも満足だったが、あんなにもイイ顔を見せてくれると…滾りますねぇ。本当に声を掛けてくれた第一王子派には感謝しかありませんよ。せいぜいお役に立ってみせましょう。
________
どうでしたでしょうか?
ちなみにこのあとは、耐えられなくなって屈辱に塗れながら強請り、沢山孕まされちゃう…的な感じですね。
まぁ外には出られませんが、豚獣人さんにそれなりに大事にされるので、エルミ本人的には絶望に違いありませんが、それなりの人生ですね。
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