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169.魔術学園1年生5

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ナルアの語った内容は…現実的には思えないようなもので、しかし現実だと納得出来るものでもあった。ナルアが幼い頃からやけに賢く、努力家だった理由としては十分な説得力がある。

しかし異世界の前世の記憶、か。魔法もなく魔力もない、そんな不思議な世界なのだそうだ。今度詳しく聞いてみたいものではあるが…

しかし、それよりも何よりも衝撃的だったのは、ナルアが魔道士ヘルメスの魔法陣の文字が読めると言うことだ。これまで魔道士ヘルメスの魔法文字は解析が進んでいない。そこに読める者が現れたとなれば…狙われるだろうな…。

「て、テスラさん…やっぱり変だよね。面倒くさい?嫌になった?」

「いや、愛している。ナルア、そのことは絶対にバレないようにな。」

つらつらと考え事をしていると、ナルアを不安にさせてしまったらしい。こちらを見上げてくる瞳がゆらゆらと揺れる。抱き締めて撫でてやるとすり寄ってくる。愛らしい。

「うん、バレないようにする!」

「あと、ヘルメスの魔法文字を使えるのならソレを使った魔法陣で護りを強くしよう。」

「うん」

「カラーやイヤーカフにも組み込もう。」

「うん」

「必ずお前を守ってみせる。だから側に居てくれるか?ナルア」

「もちろん!大好き!」

これからも側にいてくれるという言質を取れたところで、ナルアと向かい合う。

「それでだな…ナルア」

「ん?なぁに?テスラさん…」

「前世では…その…他の奴とも……したのか?」

向かい合わされたかと思えば、テスラさんの長くてキレイな指がスルリと頬に滑る。手を添えられ、ドキリとする。…キスとか…するのかな?と待ってみれば、顔を逸らしてとても言いづらそうにテスラさんが、よくわからないことを尋ねてくる。ちょっと不安そう…?

「……?」

「…誰かを好きになったり…したのか?と聞いている」

「え?あー…なるほど…えっと、してないよ。」

「っ…そうか…それは良かった。ナルアの中で恋人は私ただ一人ということだな?」

「うん、テスラさんしか好きになったことない。」

テスラさんの独占欲なのかな?テスラさんって基本的には自信あるタイプだし、俺の気持ちについても信じてくれてる。だからこういう嫉妬?みたいなのって珍しくて…ギャップっていうか…胸がギューってなる。最高に可愛い!

他の奴と恋愛をしたという経験はおそらくない…はず。前世のことは曖昧な記憶も多いから分からないことも多い。けど、おそらくないと思うんだよね。モテるような顔立ちではなかったし。それに恋愛に積極的でもなかった。

恋愛経験が無いと言った時のテスラさんは、とても安心したといった様子でとても嬉しそうだった。テスラさんが嬉しそうだと俺も凄く嬉しい。あんまり表情に出すことのないテスラさんだけど、今は満面の笑みと言っていいだろう。美しい顔の浮かべる笑顔の破壊力といったら…もう…俺の心臓がやばい…

「ねぇ、ちゅーして?」

「ん、ナルア…」

ゆっくりと顔が近づいてきて、俺は目を閉じる。柔らかな唇が触れ、心地いい。唇を軽く食まれ、そして口を開ければ舌が差し込まれる。舌を絡ませて、吸われて…気持ちいい…

「ん…ちゅ……ふっ…」

テスラさんの背に手を回して、そのままされるがままに押し倒される。テスラさんの手が俺の耳を撫でる。敏感なところを撫でられて、キスされて力が抜ける。ふにゃふにゃになった俺を満足そうに眺めるテスラさん。美しいかんばせで見下される。

あぁ…もうどうにでもしてくれ…。

テスラさんになら何をされたって構わない。まぁ、そもそもテスラさんは俺の嫌がるような事しないんだけどね。

発情期じゃない時にするエッチも…うん…。きもちかったです…。

テスラさんに優しく高められて、ぐすぐずになるまで前戯で甘やかされて…発情期じゃないから、と凄く念入りに解されて…全く痛みなんかなかった。繋がる瞬間もただただ嬉しくて…幸せで…

俺の体への負担が大きいから、と一度で終わろうとしてくれたテスラさんにもう一回を自分から求めてしまったことは…ぜひ忘れてほしい…後悔はしてないけどね…。




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