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168.魔術学園1年生4

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テスラさんのお迎えだとウキウキしていたんだけど、今日の迎えはウェンさんだった。少し遠くに気配を感じる。多分ウェネルに会いたくないんだろうな。

「ククル、ウェネルまた明日!」

「ああ、また明日」「ん、じゃーね。」

「バイバイ」

「…む?ちょっと待てナルア普段は迎えがあるだろう。今日は居ないのか?」

「ん?あぁ大丈夫!ちゃんと来てるよ」

「どこにだ?姿は見えんが…私の従者に送らせようか?」

「ううん大丈夫!」

「ナルア、迎えってさ…いや、やっぱりいいや。その迎えの人にそのうち会いに行くって伝えてよ」

「ウェネル…うーん、一応伝えておくね?」

これはバレてるのかな…?ちょっとわかんないけど…ウェンさんを捕まえるのは一苦労だと思うけど頑張ってね…。内心そんなことを思いながらも二人と別れた。

魔法を駆使しつつぴょんぴょんとウェンさんの方に向かう。もちろん気配を消すのも忘れない。

「ウェンさん、お待たせしました」

「ん、ところでなんであの狐と一緒にいたんすかね?俺言ったっすよね、近づくなって」

「あー…それは…その…絡まれて他に友達出来なさそうだし…友達になってもらおうと思って」

「はぁ…本当に仕方ない子っすね…すぐに人を誑し込んで…一応気を付けておくっすけど…ナルアくんも気を付けるっすよ」

「うん!あ、あとウェネル、狐の子から伝言だけどいつか会いに行くってさ」

「はぁ…また面倒事っす…早く帰るっすよ。ティナに癒やされたいっす」

「なんかごめん?」

「いいっすよ…」

あとは学園長に伝えられたことなんかを報告しておいた。国関係でのゴタゴタは俺だけが知ってても意味無いしね。ところでテスラさんが居ないのは来客があったかららしい。

ふむ、テスラさんが無視できない来客…偉い人とか?

「ただいまー!」

「おかえりナルア」

「テスラさん!えへへー!」

「ナルア、おいで」

「うん」

出迎えてくれたってことはお客さん帰ったのかな?と思ったけど、家の中に知っている気配…これは懐かしい!

「ツェルトさんだー!!!」

「おう、ナルア久し振りだな!」

おっきな熊の獣人で騎士団長を務めていたツェルトさんだ。抱き着きかけたのをテスラさんに止められ、そのままテスラさんの腕の中にダイブする。うん、嫉妬かな。テスラさんが嫉妬してくれるとか…嬉しい。

「ツェルトさん、どうして居るの?」

「それはもうちょい秘密だぜ。」

「えー?そっかぁ。じゃあ楽しみにしてていいのかな?」

「おうよ!」

ツェルトさんと色々話して分かったけど、国の王様は無事にすげ替えることができたようだ。魔道士団も騎士団も第一王子についたから、割と簡単に終わったらしい。王様と降嫁した第三王子は幽閉されているみたいだ。

ヨルクたちも活躍したんだってさ。ヨルクはエルやウル、メル、リリスたちを筆頭にした優秀な側近とともに第一王子…今は国王の右腕として頑張っているそうだ。

「それじゃあ魔術学園の学園祭でパフォーマンスしても大丈夫かな?王族関係は問題無さそうだよね?」

「おう、ねぇだろうな」

「そっか!誰が魔術学園祭に来るか分かんないけど、会えるといいなー!」

「おい、そろそろ帰れ」

「む?そうだな。取り敢えず礼は言ったし今日の用は終わってるしな。じゃあまたな。改めてありがとよテスラ」

「ああ」

ツェルトさんは帰っていった。というか、隣の建物に入っていった。え?隣に住むの?

「テスラさん、ツェルトさん…隣に住むの?」

「ああ、あいつらの家は私が用意した。この辺りは治安がいいからな。それに…戦力はあるに超したことはないだろう。」

「なるほど…あ、ウェンさん学園祭関係は解決したね。」

「そうっすね。けど…一応調べておくっすよ」

「うん、ありがとう。」

「ウェン後で報告しろ。」

「了解っす」

部屋に戻って手紙書こうと思ったけど、テスラさんに捕まった。

「どうしたの?」

「いや、なんとなくだ」

「ふふっそっか。あ、テスラさん…あのね?番になったら話すって言ってたこと…なんだけど…」

「ああ、聞かせてくれるのか?」

「うん、けど、誰かに聞かれたくないから結界張ってから」

さっと見事な技術で結界を展開してくれる。防音と隠蔽だね。俺の緊張を感じ取ったようで落ち着かせるように軽くフェロモンをくれる。深呼吸を一つして、話し始める。

「信じてもらえないかもしれない…けど本当のことなんだ。俺、異世界の記憶がある。」

「は?」




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