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160.魔術学園11

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最近やたらとテスラさんにスリスリしたくなるんだよなぁ。なんだろ?ストレスかな。新しい環境に飛び込んだことによるストレス…まぁ無くはなさそう。まぁ慣れるまで頑張ろ。

体験授業も楽しみだし!友達も二人いるもんねー!

「ウェネル、ククルおはよー!!」

「おはようナルア」「……はよ」

「昨日勝手に帰ったでしょ!ククル!」

「一応様子を見に行ったが、お前は訓練中のようだったからな。邪魔するのも、と思って声はかけずに帰ったが不満だったか?」

「いや、いいけど…」

「…訓練ってどんな?」

「…まぁ…凄かったぞ…。少なくとも俺はやりたいとは思えなかったな。」

「ふーん…」

里の訓練は容赦無いからな。ナルアが里に何らかの関わりがあるっていう信憑性が高まったか。しかし、強さにストイックな竜人にここまで言わせるのは…俺ももっと死ぬ気でやるしかねぇか…。この猫に負けたままなのは、里の名が廃る。

「二人は今日はどの授業受けるの?」

「俺は身体を動かせる授業だな」

「…俺は強くなれる授業」

「なるほど…じゃあ別々だね。俺は魔法陣とか魔法文字とか受けてくるから。またお昼に会おう!」

「ああ、ここでいいか?」

「俺は一人でいい」

「うん!じゃあウェネルもここに来てね!」

「おい、人の話聞け…」

「諦めろ。ウェネル」

「チッ…竜人…」

「一緒に来るか?強くはなれるぞ。おそらくな。」

「…仕方ねぇ」

竜人について剣術なんかの授業に参加したのは良いが、俺達が動けると見るや否や、教師に目を付けられた。そして散々動かされた…。クソッタレ…どうやらこの学園に来るような奴らは魔法一辺倒で、動ける奴は少ないらしい。だからこそ、剣術や体術等の身体を使う授業に来る奴らももやし野郎ばかり。

教師達としては楽しくないらしい。俺達のように動ける奴が来てくれるとつい張り切りすぎてしまうのだ、と言い訳されたが、付き合わされるこっちの身にもなれってんだ。

「おい、大丈夫か?」

「…だりぃ…」

「では次に行くぞ。頑張れ。次が終われば飯だ。」

「…はぁ…」

飯なんかでやる気でねぇっつの。餓鬼じゃねぇんだ。それに俺は暗殺者として飯を抜くような生活に慣らされてるからな。あぁ…くそ。ホントに強くなれんだろうな?

まぁなんだろうが本気で取り組むしかねぇよな。…あー…だり…。

その後も本当に猫と竜人と飯食うことになったし。学園に入ってからというものこちらが振り回されてばかりだ…。なんでこんなことになった…

「あれ…なんか二人とも疲れてる?」

「まぁ多少な。大分動かされたからな。」

「そうなの?」

「ああ、どうやらこの学園に来る者は動ける奴が少ないらしい。」

「あー…確かにそんな感じするよね。」

「まぁそう言う訳で動ける奴は目を付けられて気に入られるらしい。ナルアもそういった授業を取る場合には留意しておくといい。」

「うん、ありがと。ウェネルは?大丈夫?」

「別に…」

「そっか。午後からも頑張ろうね!」

「ん…」

「ふふっ律儀だなぁ。」

どれだけ小さくとも返事をしてくれるんだから優しいと思うんだよね。ウェンさんは相当警戒してたけど…ウェネルは大丈夫だって思っちゃうんだよね。まだ付き合い浅いし分かんないけど…。

まぁ、これからもっと知っていけばいいよね。



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