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番外編 七夕
しおりを挟む日本で言う7月7日!そう!七夕の日がやってきたのである。というわけで、森に笹を取りに行って、みんなで七夕パーティーだ!
「ねぇリオネル、今日は蓮の月の7日だね?」
「え?うん、そうだね。だからどうしたの?」
きょとんとした顔で返事を返してくれるリオネル。可愛い、じゃなくて、取り敢えず笹を準備しないと!
「よし!笹を取りに行くぞ!!」
「ええ?なんで?いみ分かんないよナルア!!ちょ…ひっぱらないで!いくから」
「うん!行こう!あと、みんなも呼ぼう!」
「みんなあつめて何するの?」
「楽しいこと!」
家の裏に笹が生えてるの知ってるんだぞ!というわけで、短距離の冒険ではあったが無事に笹を入手することに成功した。あとは…飾り付けと、料理だな!
「ナルア、何やってんだ?」
「あ!ママいいところに!」
「ん?なんだ?」
「今日はみんなを呼んで七夕パーティーを開催します!!」
「た…たな…ばた?よくわかんねぇが、まぁいいか!」
「だから、この笹立てるの手伝って?」
「笹?おう…よっこらせ!おし!刺さったか?」
「た、たぶん?」
母に笹を立ててほしいと頼んだら、力任せに地面にぶっ刺された………。うん、立ったからいっか。けど、笹割れちゃってます…母、馬鹿力過ぎやしない?
「ナルア、ささ、われてるけど…いいの?」
「良くはない…けどまぁよし!ありがとうママ。あと、テスラさんたち呼んでおいてくれる?」
「おう!任しとけ!みんなナルアが呼んでるって言ったらすぐに飛んでくるぜ?」
「うん、お願い!あ、今日はご飯俺が作るから!」
「え?でも危なくねぇか?」
「大丈夫!」
「そうか?まぁ手伝えることあったらまた言ってくれ」
「うん!」
よし、笹の飾り付けに移るか。リオネルにもわかりやすいように紙で作る飾りを教えていく。リオネルは飾りづくりが楽しかったようで、黙々と取り組んでいる。
「じゃあリオネル、飾りは任せた!」
「うん、まかされた!」
元気にサムズアップして、答えてくれたリオネルにまかせて、俺は料理作りに向かう。七夕といえば、七夕ゼリー!星が入ったゼリーと…あとは何にするかな?取り敢えず、野菜を星型に切ろう。
あとは成り行きで!
「ただいま!ナルア、リオネル、テーネ!」
「おかえりパパ」「おかえり父」「おお!おかえりトワ、早かったな!」
「うん!急いで帰ってきたよ!なんだかナルアが楽しそうなこと始めたってテーネが言うから。それで?何をやっているんだい?」
「七夕パーティーだよ!」
「…たなばた…?」
「まぁなんでもいいから!取り敢えず、ご飯作るの間に合わなかったから、外でバーベーキューに決定!パパはコンロ外に運んで?」
「わかったよ」
「リオネル!飾り良いね!流石リオネル!」
「えへへ、ありがとナルア」
「うん、後でみんなで笹に飾ろうね」
「うん!」
「あと、短冊って言って、長方形の紙を準備するんだ。頼んでもいい?」
「うん!」
母が知らせてくれたおかげでみんな、夕方には集まってきた。本当は浴衣とかも着たいけど、今回は断念。と思ったら、イメージを伝えただけで、テスラさんがみんなの分作ってくれました!
「テスラさん、ありがと!すごいね!」
「いや、私は聞いたものを作っただけだからな。ナルアのほうが凄いだろう。浴衣、だったか?とても似合っている。」
「えへへ、ありがと!テスラさんも似合ってるよ!」
「ナルアくん!今日はパーティーって聞いたからジュースとか沢山持ってきたよ!」
「わぁ!ありがとトールさん!」
「ふふっ喜んでくれて良かった!」
「…危うくぶちまけるところだったけどな。俺が転びそうになったの支えてなきゃ、全部割れてたな。」
「えへへ…ありがとねトータくん」
「どういたしまして。俺は肉持ってきたぜ!」
「リオネル、お肉だよ!」
「おにく!やった!ありがとトータさん」
「おうよ!」
そんな感じでみんなで集まって、リオネルの作ってくれた飾りを笹に飾りつけて、それからみんなで星を眺めながらバーベーキューをして楽しんだ。七夕仕様のゼリーも好評だった。
「じゃあ最後に、この辺短冊に願い事を書こー!」
「願い事?」
「そう!なんでもいいんだ!お星様に叶いますようにってお願いするんだよ!それを笹に飾っておくの!それが蓮の月の7日、七夕なんだよ!」
「ふむ、なんでも、か。ナルアは何を書くんだ?」
「ええっとね、家内安全!」
「かないあんぜん?」
「そう!家族のみんなが安全に健康でいられますようにってことなんだよ!」
「なるほど、ナルアは家族が大好きなんだな!」
「うん!ここにいるみんな大好き!」
俺はみんなに言ったとおり、家内安全と書いた。リオネルはまだまだ不慣れな文字で、みんなをまもれるようにつよくなるって書いてた。テスラさんは、ナルアとリオネルの願いが叶うようにだって!ふふっ優しいよね。
父と母も俺達の幸せを願うって。トータさんは最強の剣豪になる!トールさんは世界一の魔導具職人になれますようにって。
みんなの願いが叶うように祈りながら、一つ一つ丁寧に笹に吊り下げていく。異世界からだけど届くかな?きらめく星に願いを託す。
「願いが叶いますように!!」
「叶うさ。ナルアはいい子だからな。」
「ふふっありがとテスラさん。」
「僕のねがいも叶いますように!」
「リオネルは、俺が強くしてやるからな!」
「うん!ありがとトータさん」
「パパもママも自分のお願いじゃなくて良かったの?」
「ふふっパパは家族が幸せでいてくれるなら自分も幸せなんだよ。だから、結果的に自分のことなんだよ。」
「じゃあなんでママのことお願いしなかったの?」
「それはね、ママのことは絶対に俺が幸せにするって決めてるから。」
「きゃー!!パパ格好いい!」
「え?格好いい?えへへ、ありがとナルア」
「調子に乗るなよ。俺の受け売りの癖に」
「え?ママの受け売りなの?」
「そうだぜ?まったく…格好つかない奴だよな。」
「えぇ…パパ……」
「うぅ…わ、悪かったよ…。」
七夕…楽しかったなぁ。みんな何だか分からない筈なのに付き合ってくれた。うん、家族に恵まれたな。今日も幸せだ!
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