転生したら猫獣人になってました

おーか

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111.魔術学園都市3

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時間よりも少し早いけれど宿に戻れば、いい香りが鼻をくすぐる。肉や魚の焼ける匂いだ。とてもジューシーな香り、そしてパチパチと油の弾ける音!お腹空いたぁ!

「ただいま戻りましたー!」
「戻った。アウルはいるか?」

「居るぜ!おかえりお二人さん!まだウェンたちは戻ってねぇからよ。ちょっと待っててくれや。」

宿の厨房から顔を出したのは、フクロウの獣人で、ティナさんのお友達のアウルさんだ。額にタオルを巻いているさまが料理人って感じだ!ちなみにアウルさんはとても筋骨隆々な体躯を持つものの、背の高さは低めである。リオネルと同じくらいかな。

「アウルさん、何か手伝う?」

「いやいやお客に手伝いなんてさせられねぇよ!すぐに作っちまうからよ!」

「ううん、俺のために手伝うんだよ!俺がお腹空きすぎて早く食べたいんだ!えっと、出来てるやつ運ぶね!」

「私もやろう」

「お、おう。(俺はテスラ様に何やらせてんだ…?というか、テスラ様だいぶ感じが変わってねぇか?柔らかくなったつうかよぉ…まぁいい方に変わってんだ、猫の子には感謝だな。)」

そんな感じで、出来上がった料理を運んでいく。次々に運べば机が埋まっていく。正直見ただけじゃ珍しい肉なのかも分からないけど、山盛りの肉ってだけでもテンション上がるよね!

カランカランというドアベルの音がして、ティナさんたちが顔を出す。

「「ただいま/ただいまっす」」

「「「おかえり」」」

「おっ!もう出来てるんすね!美味そっすね!」

「う、うん、本当に美味しそう!」

皆で並べたらすぐに料理も運び終わって、早速皆でご飯だ!みんなでいただきますをして、取り敢えず全種類食べれるくらいの大きさで皿に盛った。うんうん、全部美味しそう。

「ナルア、全部食うのか?料理人としては嬉しいけどよ?」

「うん!色々食べてみたいから!」

「そうか!」

「それに俺も料理するから、色々な食材知りたいからさ!」

「おお!ナルアも料理すんのか!!それなら食材の解説してやるぜ!」

「やった!ありがとアウルさん!」

「おうよ!んじゃまずこの肉だが、ダンジョン産のオーク肉だぜ。食ってみ?」

「うん…モグモグ…美味しい!」

「おうおう、そうだろう!そんで次は…」

そんな感じでアウルさんが肉について全部教えてくれたので、今度料理を作るときの参考にしようと思う。やはり食べる量が少ないと心配されたけど、テスラさんたちがいつも通りだと伝えてくれたので、アウルさんも渋々引き下がってくれた。

食後のデザートとして果物を出してくれた。お茶と一緒に、果物を食べながらみんなと雑談に興じる。

「ところでずっと気になってたんだけど、アウルさんとティナさんって結構タイプ違うけど、どうやって友達になったの?」

「確かにそうっすね?俺も気になってきたっす」

「そ、それはね、昔たまたま夜のお散歩がてら空を飛んでたんだ。そのときに、木に引っかかってるアウルがいて…」

「そうそう!そのときに助けてくれてよ!!それから仲良くしてんだ!ホントにあのときは助かったぜ!獣型で飛んで木に登って、人型に戻って寝てたんだが、転げ落ちて木に引っかかっちまったらしくてよ、危うく朝まで宙吊りコースだったぜ!ハッハッハ!」

アウルさんは笑ってるけど木に吊り下げられちゃうって笑い事ではないのでは…?いや、何事もなかったみたいだしいいんだけど。ティナさんもびっくりしただろうなぁ。

「アウルはそそっかしいから…」

「まぁ否定は出来ねぇな!ハハハ!」

「それにお互い夜行性だし飛べるから、よく一緒に夜飛んだりしてたよ。楽しかったなぁ」

「んじゃまた行こうぜ!」

「うん!」

アウルさんとティナさんは本当に仲良しなんだな。楽しそう!そんな二人を見ていたウェンさんが慌てたように止めに入る。

「だ、駄目っす!!ティナが行くなら俺も行くっす!」

「ふふっ一緒に行こうねウェン」

「はいっす///」

にこやかにウェンさんの言葉を受け入れるティナさんに、照れて顔を赤らめたウェンさん。うんうん、どうやらティナさんのほうが強いようだな。ウェンさんは嫉妬して、一緒に行くって言ったの恥ずかしかったみたいだ。

「ふむ、夜に出かけるのも悪くはないか。ナルア、今度出かけないか?」

「もちろん!行きたいです!」

「それでは明日出かけてみよう」

「はい!」

「…ずるいっす…俺だって二人で行きたいっす…」

ぼそりとそんなことを言ったウェンさんをそっちのけで、アウルさんとティナさんが盛り上がっている。…まぁちょっと可哀想だけど。でもそんなことをぼやいても、ティナさんが楽しそうな方を優先してあげるらしい。優男だね!ウェンさん!


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