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108.小学校最高学年編24

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エルのおかげか、テスラさんが動いてくれたのか、俺は平穏な日々を送っていた。ヨルクもあれからは言い寄ってくることもなく、友達としての距離感で接していた。季節も巡って、向日葵の月になっていた。向日葵の月と秋桜の月のはじめまでは、夏休みだ。

魔術学園都市に向かうのに、2週間はかかる。そのためそろそろ出発しないといけない。俺と一緒に来てくれるのは、テスラさんとウェンさん、ティナさんだ。リオネルも来ようとしてたけど、試験受けないからね…母の許可が出なかった。

今は自分の部屋で荷物の最終確認をしている。街とかにも寄りながら移動するから、最悪何か足りなくても買い足せばなんとかなるんだけど、ちゃんと準備は整えておきたいもんね。収納魔導具の中身をチェックしていると、テスラさんが部屋に戻ってくる。

「ナルア、準備は終わったのか?」

「一通りは終わったと思うんだけど、テスラさん確認お願いしてもいいですか?」

「ああ、もちろんだ」

「じゃあお願いします!」

「ん、明日は朝も早い。早めに寝ておきなさい。」

「はーい」

返事をしてベッドに潜り込んだのはいいものの、寝られない。普段の安心感が足りない!!テスラさんが足りない!!

「テスラさーん…」

「どうした?ナルア」

「あのね…テスラさんが居ないと寝れないです…」

「っ!!…そうか…少し待ってくれ…確認ももう少しで終わる」

「はぁい。待ってますね」

「ああ、すぐに終わらせる。」

少しだけ待っていると、荷物の確認をしてくれたテスラさんが俺の横に入ってくる。あったかい。

「荷物は問題ないだろう。」

「ありがとうテスラさん」

「ああ、おやすみナルア」

「おやすみなさいテスラさん」

朝日が登る頃に起き出し、顔を洗って準備を整えた。眠そうにしている父や母、リオネルが見送りに起きてくれていた。

「おはよう!父さん、母さん、リオネル!」

「「おはよう」」「おはよナルア。」

「よし!朝ごはん作るね!待ってて皆」

「ありがとう、ナルア。待ってるよ。」
「楽しみだぜ!ナルアの作るものは美味いからな!」
「ナルア、手伝う?」

「いいよ、あ、飲み物とか準備してくれるか?リオネル」

「うん」

醤油なんかがないので、塩味と出汁でなんちゃって和食を作る。家族にもなかなか好評で、いつも美味しそうに食べてくれるから嬉しいんだよね。まぁ日本でのご飯に比べれば、まだまだ改良の余地ありって感じだけど、それでも美味しいと思う。

あ、ウェンさんたちも来たみたいだ。

「おはよっす!」「…お、おはようございます」

「「「「おはよう」」」」

「ウェン、準備は?」

「完了してるっす!いつでも行けるっすよ。」

「そうか、ありがとう。ティナも悪いな。」

「い、いえ!」

「出来ましたー!!」

「おおっ!じゃあ早速」

「「「「「「「いただきます!」」」」」」」

みんなで食卓を囲んで、和気藹々と過ごした。そして、食べ終わるともう家を出る時間だ。外に出て竜車の前で、家族とは一旦お別れだ。泣きそうなリオネル…俺よりもデカくはなったけど、精神的には俺よりもまだまだ子供だもんね。

「リオネル、すぐ戻ってくるから!行ってくるね!ぎゅー!!」

「うん、待ってる…頑張ってきてね。応援してるから。」

「ありがとうリオネル」

「ぱ、パパも寂しいぞ…ナルア…親離れが早すぎる…くぅ…」

「こら!トワ!泣くんじゃねぇ!」

「あはは、父さん母さん行ってきます!」

父さん母さんともハグして、竜車に乗り込んだ。俺も内心寂しさに襲われたけれど、ぐっと堪えて、笑顔で手を振って家族と別れた。そんな俺の肩をテスラさんが抱いてくれる。ティナさんはウェンさんのポケットの中に入っているので、竜車の箱部分には二人きりだ。

ひと目もないので、そのままテスラさんに甘えさせてもらう。撫でられて少しだけ気を持ち直す。







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