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78.小学校編41
しおりを挟むテスラさんとのデート!楽しみ!
…とはいえ…テスラさんとのお別れでもある。わかってる。今日が最後…。いくら考えても仕方がないことだ。ところで今日どこ行くんだろ?テスラさんのとっておきの場所に連れて行ってくれるって聞いてるけど。
朝は早起きして、訓練もした。テスラさんが訓練見てくれたし。それからシャワー浴びて、迷ったけどテスラさんの贈ってくれた服の中から、テスラさんの反応が一番良かったものを選んだ。猫耳フードのふりふりした服である。
「ナルア…ふっ…その服を着てくれたんだな。似合っているよ。可愛いな」
「ありがとうテスラさん!」
着替えも済ませたので、外に出る。すると竜車が止まっている。ウェンさんが御者をつとめてくれるらしく、彼が待っていてくれた。
「待ってたっすよー」
「お待たせしました!」
「待たせたな。今日は頼む。ナルア、手を…竜車に乗って今日はすこし遠出する。泊まりだぞ?」
「テスラさんとお泊りデート!!」
「…楽しもうな。」
「うん!」
「盛り上がってるところ悪いっすけど、動かすっすよ。」
「あ、はい!」
「ああ」
ちなみに、家に引き篭もっていたのに出てきたので襲われるとか…あるかもなぁと思ったけど、どうやらテスラさんの魔法で隠されているらしい。万が一にもテスラさんは俺を危険な目に合わせるようなことはしないらしい。知ってはいたけどね。
「テスラさん、今日はどこに行くんですか?」
「ふふっついてからのお楽しみだ。まぁ…楽しい場所、と言う訳ではないかもしれないな。」
「でもテスラさんにとって大事な場所なんですよね?」
「まぁ、な。私にとって大切な場所なことに間違いはない。」
「ならいいです!楽しみです!」
「そうか…」
そうしてたどり着いた場所は、田舎というか…周りに何もなさそうな場所だった。そこで竜車を降りて、竜車を守るためにウェンさんが残ってくれるらしい。テスラさんと二人で、森の中を進んでいく。
周りに魔物が出てもおかしくないらしいので、注意をはらいながら進んでいく。まぁテスラさんがいる時点で何が出ようと安全圏ではあるけれど。テスラさんは強いからね。
森の中をガンガン突き進んでるけど、どこに向かってるんだろうな?テスラさんに手を引かれながらひたすら歩く。15分程歩くと、木々の中で少し開けた場所に出る。
そこには石が立てられていた。そして周りには花が植えられているようで、綺麗に咲き誇っていた。また、泉のようなものもあった。綺麗な透き通った水。すごく綺麗な場所だ。
「ナルア、ここは私の親の墓なんだ。そう、私の本当の親の。」
「本当の…?」
「ああ、そうだな。…話していなかった。私は幼い頃に両親を亡くしている。そして、今の両親、つまりテーネの両親に引き取られ育てられたんだ。私の両親とテーネの両親は、親友だったのだそうだ。幼い頃に何度も会ったことがあった。所謂家族ぐるみの付き合いと言うやつだな。それで引き取ってくれたらしい…嫌われ者だった私を…」
幼い頃に両親を亡くした…それがどんなに辛いことなのか…。俺はテスラさんの大事な人のところに連れてきてもらえたんだ。ちゃんと挨拶しないと!そしてテスラさんの言った嫌われ者…それがどういうことなのか…俺にはわからない。でも…俺は…
「なるほど…テスラさんのご両親…ちゃんと挨拶しないとですね!…俺はテスラさんのこと大好きです!」
「ああ、私も久しぶりに両親の元に来たんだ。…ありがとうナルア」
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