転生したら猫獣人になってました

おーか

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70.小学校編33

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あれから10日ほど経って、桜の月も終わりに差し掛かって、もうすぐ藤の月がやってくる。しかし、未だになんの発表もなく、王も第三王子も何事もなかったのように過ごしているらしい。

なんなら逆に俺に責任を問おうとさえしているらしい。そのことにまたブチ切れているテスラさんは、幾度となく王に呼ばれていたが、ことごとくを無視していた。呼びにくる人がかわいそうになるほど、怒ってたし無視の姿勢を貫いていた。そんなこんなしているうちに、第一王子が王たちには内密に謝罪にやってきた。

「テスラ魔道士団長!お会いして話したいことがあります!出てきて頂けませんか?」

やってきた第一王子に困惑しながらも、取り敢えず母が出ていって、無下にする訳にもいかない。第一王子殿下を取り敢えず家に迎え入れようとする。

「っ!第一王子殿下…ええと…取り敢えず入ってください…」

「待て…入れるな。なんの用だ?」 

それを遮ってテスラさんが、結界の外で第一王子殿下を止める。すっごい睨みつけてるけど…。それに対しても第一王子は怯まない。俺はテスラさんの足元で後ろにくっついていた。隠れるようにして、覗き見ると、冷や汗を流しながらも毅然とした態度をとる第一王子がいた。

あのテスラさんの前で怯まないなんて大したものだ。テスラさんすっごい怖いのに…。とはいえ、俺は怒られたことないんだけどさ。

「本日は謝罪に…」

「それは正式なものか?」

「…いえ…」

「ならばそんな言葉に何の意味がある?」

「…そう…ですね…。では現実に意味のあるお話をしましょう。」

「それは…いい話か?」

「…第三王子が貴方に会いたいと…そう言っています」

「…ふざけるなよ?」

「…王城に来て第三王子に会うのなら、今回のことは不問に処すと王が…」

「…帰れ。私は許すつもりはない。この国を出るつもりだ。さっさと帰ってそれを伝えろ。」

「…やはり…この国を出られるのですね。」

「当たり前だろう。」

「ふぅ…私も散々王には警告したのですがね…。こんな結果になって残念です。この度は大変申し訳ありませんでした。また来ます」

「来なくていい。」

不問に処す…ねぇ…。こりゃまたみんなの逆鱗に触れていくね。また家が荒れそう。なんともなぁ…。第一王子も大変だ。家と王の間で板挟みか…。両方多分意見曲げないしな。

「ナルア、中に戻るぞ。」

「にゃう」

「ところで、もう人型に戻れるんじゃないのか?」

「……」

「ナルア?」

「にゃう…」

「まぁナルアが獣型でいたいなら良いんだが…。」

「みー」

許しが出たのでこのまま甘えさせて貰おう。えへへ!





「それで、どうするんすか?テスラ団長」

「…そうだな。こちらの意向はすでに伝えた。それでいいだろう。しかし今回のことは不問に処す…か…。あの兎は…。クソッ本当に…許しがたいことだ。」

「そうっすね。…俺…取り敢えずティナに回復薬作ってくれるように言っておくっす。」

「そうだな。回復薬はいくらあってもいいだろう。」

「何があってもおかしくないっすからね。」

「ああ」


ティナのいる部屋に、入っていくとティナは伏せてうたた寝していた。気持ちよさそうに眠っている寝顔を見て、隣に腰を下ろしてティナに上着をかけてあげる。

「可愛いっすね。よく寝てるっす。」

「すー…すー…」






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