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37.小学校編1
しおりを挟む俺達は7歳になりました!あれから、6年ほどの時を経て、俺達も少しは成長した!具体的に言えば、背の高さが120cmくらいになったし、スライムくらいなら倒せるようになった。俺達の身体の成長速度にはあまり差はないらしく、リオネルも同じくらいだ。
そして今年から、学校に通うことになっている。まぁ、学ぶ内容はもう既にトールさんに教えてもらった内容のようなので、必ず通わないとならない訳ではないらしい。しかし、同年代の友達がいないので、人脈作り的な意味でも学校に行かなくてはならないと言っていた。
桜の月(4月)の1日から学校に通い始める。俺はリオネルと一緒だからそんなに緊張はしていなかったんだけど、リオネルは同年代に接する機会が殆どなかったからな。
「ナルア…大丈夫かな?友達できるかな?」
「大丈夫だぞ。リオネルは良い子だからな!」
「ナルアが大丈夫って言うなら…うん!頑張る!」
「まぁ、最悪俺がいるから!」
「うん!」
「リオネル、クラス一緒だといいな!」
「うん…」
「まぁ今日は入学式だからな!気楽に行こう!」
「入学式、ナルアが代表挨拶だもんな!パパしっかり記録しておくからな!」
「父…そんなに撮らないで!」
「父さん…恥ずかしいから…」
「はぁ…もうパパって呼んでくれなくなっちゃって…寂しいなぁ…」
「もう7歳だもん!」
「二人とも、頑張ってな。まぁナルアは落ち着いているようだからそんなに心配していないが…リオネルは緊張しているようだしな。」
「ありがとう!母さん!」
「頑張る!」
「二人とももう学校に行くなんて…大きくなったスね!嬉しいっす!」
「ウェンさん!来てくれてありがと!」
「ウェンさん!」
「そりゃあ二人の晴れ舞台っすからね!」
今日はトータさんもテスラさんもトールさんもウェンさんも俺達の入学式を見に来てくれている。親族しか中に入れない決まりなので、外から見守ってくれるということらしい。その後、家で入学祝いパーティーをする予定だ。
入学試験を受けて、成績トップを収めた俺は、入学者代表挨拶をすることになっていた。言うことは決まっているので、ただ読み上げるだけの簡単な役割だ。入学式の会場は、学校の体育館のような場所で行う。頑丈そうな石造りの建物だ。1000人くらいは入りそうだ。
入学者のクラス分けはもうすでに終わっていて、優秀者がAクラスに集められる。それ以外はランダムにクラス分けされるらしい。俺達は、トップクラスの成績だったはずなので、二人ともAクラスになるだろう。入学者の席は自由だ。俺は登壇があるので、その近くに座るように言われている。
「そろそろ時間みたいだから、行ってくる!リオネル、行こう!」
「うん!」
「見ているよ。ナルア、リオネル」
「うん!ありがとう!テスラさん!」
「はい!」
賑やかだった会場内が、入学式の開始時刻には静まっており、粛々と入学式が進んでいった。そしてついに来た、代表挨拶。俺の出番だ。名前を呼ばれたら、返事をして登壇する。
「新入生代表挨拶。新入生代表、ナルア!」
「はい!」
挨拶をする場所に立ち、一礼。顔を上げて堂々と話し始める。
「麗らかな日差しがさし、暖かな春を迎えた今日、我々は、王立小等学校に入学します。新入生を代表し、私がご挨拶させて頂きます。これからこの学び舎で、4年間過ごし、仲間とともに成長していきたいと思います。その為のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします!」
また一礼して壇上を後にした。リオネルの横に戻れば、にっこり笑顔で出迎えてくれた。成長して少したくましい感じになったものの、それでも可愛い俺の弟だ。ありがとうの意味を込めてこっそりと尻尾を絡ませた。
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