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5.幼児期2
しおりを挟む順調に育った俺達だが、今日晴れて一歳の誕生日を迎えた。リオネルはとても大きくなった。具体的には大型犬くらいの大きさだ。俺はまぁ普通の猫サイズだ。
生まれて一年経つわけだが、この世界のことは全然わからない。これまでわかったことといえば、名付けは神様がしていることとか、バース性があるだとか、父と母は両方男だとか、そのくらい。正直良くわからないことのほうが多い。
調べようにも話し言葉はわかるが、文字は読めないので本で調べることは出来ない。そもそもこの家のどこに本などがあるのかもわからないし。本のある部屋には連れて行ってもらえないし。
でもまぁ両親には愛されているようだし、幸せな家庭に生まれることが出来て幸運だったと思う。それで今日はお祝いをしてくれるようなんだが…うぅん…なんだかわからないけど、イヤな予感…。
「リオネル、ナルア!誕生日おめでとう!」
「おめでとう!!」
「みー!」「み!」
「リオネル!おいで!おめでとうのちゅーだ!」
「みー!」
リオネル、嫌がってもいいんだぞ!!イヤな予感はこれかぁ…。
あ!家のドアが叩かれた。誰か来たのかな?初めてのことだな。家に誰か来るなんて。
「お!弟だ!」
「出迎えてくるな」
「ああ頼むよ」
「みー!」
父から逃げるように母と一緒に出迎えに向かう。弟って言ってたけど、父の弟かな?ってことは白虎か?いや、俺達兄弟も違うからそうとは限らないか。
「みー!」
「ん、ナルアも行くのか?」
「み!」
「じゃあ抱っこな」
「み!」
母が俺を片手で抱き上げ、もう片方の手で玄関をガチャリと開けた。どんな人だろう?はっ!!父の兄弟だけあってめちゃめちゃイケメンだ!これは同じ遺伝子だよな。でもこの人の種族はなんだろうな?尻尾も違うみたいだし。
「いらっしゃい」
「お邪魔します!テーネさん久しぶりです!」
「ん、来てくれてありがとね!」
「いえいえ!それでこの子は黒猫だから、ナルアかな?」
尻尾や耳を見ていると、父の弟に撫で付けられる。というか今大事なこと言ったな!俺は黒猫かぁ。とりあえず挨拶!
「みー!(はじめましてー)」
「はじめまして、俺はトワの弟のトータだ。」
「みー!(よろしく!)」
「挨拶ありがとなー!あとでプレゼントもやるからな!」
「み!」
トータさんね!覚えたぞ!プレゼントくれるって言うし!いい日に…はっ!いつの間にか、トータさんの顔が目の前に!これは…父と同じやつだ!キス魔だー!!
危険な存在が二人に増えたー!!母助けてー!!顔を母に埋めて、キスされないように避ける。避けたあと、悲しげな顔をしたらしいけど、嫌なものは嫌だもんね!
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