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しおりを挟む狩りを終えて獲物の処理をして戻ってきたら、30分くらい経っていたらしい。話し合いも終了していた。ネルが言うには、先程よりはマシになっているはず、とのこと。
まぁ、数こなせば自然と出来るようになるよ。いちいち魔物を連れてくるのも面倒になったし、魔寄せの香をたく。騎士たちが倒し切れなくても、僕が居れば問題ないし。死ぬ気で頑張ってもらおう。
命の危機を感じているくらいの方が成長しなきゃって気になるでしょ?
「これ、魔寄せの香だから。お前ら死ぬ気で頑張れよ?じゃなきゃ本当に死ぬぞ。」
「マジか、お前ら気合入れろ!!」
「「「「「はい!」」」」」
クロード団長が鼓舞する。騎士たちも目付きが変わった。ようやくやる気になったか。
「コクヨウ様は中々スパルタでいらっしゃいますね。」
「そう?まぁ、思ったよりレベル低かったからね。これくらいしないと駄目でしょ。」
「お恥ずかしい限りです。」
「ミシェルさんが鍛えてあげれば?」
「それも中々難しいのです。私もヨハネ公爵様付きの執事ですので…」
「まぁ、忙しそうだもんね。」
「ええ、立場上ヨハネ様のお側を長く離れるのも難しいですからね。」
「魔物に対抗するなら冒険者に協力を仰ぐのが早いと思うけどね。」
「それはそうなのですがね…騎士団の者たちは冒険者を下に見ているものが多く、難しいのが現状です。」
執事も大変だよね。騎士団の指導についてまで頭を悩ませなきゃいけないなんて。僕達が話している間にも勿論魔物はこちらに向かってきている。素早く魔物を処理出来なかったグループのところでは既に数的有利が無くなっている。
「はぁ…」
「お世話おかけして申し訳ありません…」
「いいよ。仕事だし。」
仕方ないので僕が出ていって、一旦魔物を間引いてやる。これで立て直せないようなら見込み無し。魔物を相手するには向いてない。
「立て直せ。」
「「「「はい!」」」」
それからも魔寄せの香で魔物がやってくる限り、ずっと戦闘をやらせた。疲労からぶっ倒れている騎士共にポーションをぶっかけていく。そのうち起きるでしょ。僕は魔寄せの香を使った影響を調べに行かないといけないからね。
森に入って見回ったが、特に問題は見受けられない。魔寄せの香の効果範囲外も一応確かめたが、そちらも問題はない。よし、確認終了。
騎士たちの動きも多少はマシになったし、平でも全員でかかればBランクの魔物くらいは倒せるだろう。しかしやはり団長と副団長は騎士の中でも群を抜いた実力を持っている。
本気になればソロでBランクの魔物倒せるんじゃないかな。勿論、魔物の倒し方を知っている場合に限るけど。まぁ、一応鍛えてやったし、これで依頼は達成だよね。
「依頼は達成でいいよね?」
「ええ、しかし出来れば魔物の知識をもう少し教えて頂きたく…」
「それは冒険者とか、ギルドに頼んでよ。僕らじゃなくても知識は持ってるし。」
「それもそうですね。ヨハネ様にそのようにお伝えしておきます。」
「ん、じゃあ帰る。」
「はい、ありがとうございました。コクヨウ様方のお食事は後ほどお持ち致します。」
「いらない。今日は作るから。」
「左様でしたか。それではそのように。」
「ん」
やっとタカミのところに帰ってこれた。部屋に入ると何か作業をしていたらしいタカミがいた。
「ただいま、タカミ」
「おかえりコクヨウ。どうだった?」
「うん、それなりに戦えるようになったよ。」
「おお!そうか。さすがコクヨウだな。」
「ん、褒めて?」
「おう、良い子良い子」
「んふふ!肉取ってきたから、ご飯作るね。」
「お!ありがとな。腹減ってきた。」
「うん、すぐ作るね。」
タカミがにこにこ食べてくれてとても嬉しかった。可愛いなーと思って見すぎて、怒られたりしたけど、それも楽しかった。
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