120 / 130
120
しおりを挟む翌朝、目覚めたはいいが、起き上がれる気がしない。腰を中心に全身の重だるさが抜けない。おそらくコクヨウに回復魔法をかけてもらえば治るだろうが…回復魔法は貴重な魔法だからな。とりあえずポーションでも飲んでおくか。
少し痛みがある首筋に手をやれば、デコボコとした傷があるのがわかる。あーこれ、昨日最後ら辺に噛まれたやつだな。コクヨウの番だという証。コクヨウによって俺の身体に刻まれた痕が嬉しくて、何度も指でなぞった。
「あ、おはようタカミ」
「はよ…」
「ん、首跡残ってるね。ふふっ嬉しい。」
「おう…お…れも嬉しいぜ。」
「そっか。えへへ!ねぇ、タカミ動ける?」
「いや…無理かもな…」
「よし!…じゃなくて、えっとじゃあ今日の遠征は僕が一人で講師するね。」
「おい?…全く…まぁお前なら問題はねぇよな。しっかりやってこいよ。」
「うん。タカミを一人にするの嫌だけど、頑張るね。」
「おう…」
なんつーか、今のこの状況は態となんだろうな。コクヨウだったら俺を回復させるくらい訳ないし。それにさっき「よし!」とか言ってたしな。理由は分からんが、コクヨウが望むならまぁいいか。
このままのんびり寝かせてもらうとしよう。仕事ほっぽりだすのは気が引けるが…コクヨウに任せときゃ間違いないだろう。
タカミに許可をもらって残した項の噛み跡は、翌朝になってもくっきりと残っていた。タカミは僕の番だって証を付けた事で、更に独占欲が高まってる。取り敢えず今日は部屋にいてもらおう。
ふぅ…無事にタカミと騎士たちの接触機会を減らすことが出来た。タカミってばすぐに人と打ち解けて、惹き付けちゃうんだから…。接触は少ないに限るよね。もうすでに何人かタカミのこと目付けたみたいだし。
まぁ…そいつ等には今日の実戦訓練でちゃんとわからせてあげるけどね。
それにしても昨日のタカミ…凄かったなぁ。凄く乱れてて…気持ちよさそうにしてて…めちゃくちゃ可愛かった。1回しか出してない筈なのに凄く満たされた。項を噛んだし、精神的な要因なのかな?ともかくまたシたいなぁ…。タカミは嫌がりそうだけど。まぁそこは手練手管でなんとかしよっと。
なんだかんだタカミは僕に激甘だしね。この間話した僕の過去のこともあって、同情?してくれてるみたいだから、今なら多少の無茶も通る筈。
さて…今日はどうやって指導してあげようかな。さっさと騎士たちを育てて魔物狩れるようにして、講師やめさせてもらわないと。あの執事の人もいるから、多少強引に行っても大丈夫でしょ。
あの人強いみたいだし。僕の見立てでは多分騎士団長よりも強そうだった。
騎士たちも揃っているらしいし、クロード団長やミシェルもいる。直ぐに出立しても問題なさそうだな。
「お!来たな!…ん?タカミはどうした?」
「…タカミは来ない。…あと、あんまりタカミに馴れ馴れしくするな。」
「お、おー?なるほど。そういう関係か…。」
「おはようございます。コクヨウ様」
「ん」
「タカミ様はどうされたのですか?もし体調が優れないなど御座いましたらら、回復魔法を使えるものを呼びましょうか?」
「それには及ばない。タカミは大丈夫だから。」
「左様ですか。それでは本日もよろしくお願い致します。」
「ああ。今日で魔物の倒し方は一通り教える。死ぬ気でついて来い。」
騎士たちに向きなおって、少し威圧をしながら付いて来るように言う。魔物の倒し方には、勿論魔物ごとの特徴や弱点がある。けれど大体のセオリーというのも存在している。それを覚えていれば大丈夫というわけではないが、取り敢えず初心者にはセオリーを教えるものだ。
例えば人型の魔物である暗黒騎士やゾンビ、ゴブリンなどといった魔物は首を飛ばせば倒すことが出来る。例外として吸血鬼などの回復能力の高い魔物がいるが、この辺りには出ないらしいので無視していいだろう。
そして無形の魔物である主にスライムは核を潰すことで倒すことが出来る。四足歩行の獣の魔物であるウルフやブラッドベアなどは、近接攻撃しか持たない場合が多いので、距離を取って魔法や槍などで攻撃するのが良い。
この辺りに出没する魔物だとその程度だろう。まぁ…この地域で活動している冒険者を雇って聞くのが一番手っ取り早い。けれど騎士は基本的にプライドだけは高いからな。高ランクならともかく、Bランク以下の冒険者教えを請うことなどしない。
全く面倒だな…。さっさと終わらせてタカミのところに帰ろ。
34
あなたにおすすめの小説
【R18】兄弟の時間【BL】
菊
BL
色々あってニートになった僕、斑鳩 鷹は当たり前だけど両親にめっちゃ将来を心配されまさかの離島暮らしを提案されてしまう。
待ってくれよ! アマゾンが当日配送されないとこなんて無理だし、アニメイトがない世界に住めるか!
斯くて僕は両親が改心すればと家出を決意したが行く宛はなく、行きついたさきはそいつの所だった。
「じゃぁ結婚しましょうか」
眼鏡の奥の琥珀の瞳が輝いて、思わず頷きそうになったけど僕はぐっと堪えた。
そんな僕を見て、そいつは優しく笑うと机に置かれた手を取って、また同じ言葉を言った。
「結婚しましょう、兄さん」
R18描写には※が付いてます。
番だと言われて囲われました。
桜
BL
戦時中のある日、特攻隊として選ばれた私は友人と別れて仲間と共に敵陣へ飛び込んだ。
死を覚悟したその時、光に包み込まれ機体ごと何かに引き寄せられて、異世界に。
そこは魔力持ちも世界であり、私を番いと呼ぶ物に囲われた。
竜の生贄になった僕だけど、甘やかされて幸せすぎっ!【完結】
ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。
【完結】悪妻オメガの俺、離縁されたいんだけど旦那様が溺愛してくる
古井重箱
BL
【あらすじ】劣等感が強いオメガ、レムートは父から南域に嫁ぐよう命じられる。結婚相手はヴァイゼンなる偉丈夫。見知らぬ土地で、見知らぬ男と結婚するなんて嫌だ。悪妻になろう。そして離縁されて、修道士として生きていこう。そう決意したレムートは、悪妻になるべくワガママを口にするのだが、ヴァイゼンにかえって可愛らがれる事態に。「どうすれば悪妻になれるんだ!?」レムートの試練が始まる。【注記】海のように心が広い攻(25)×気難しい美人受(18)。ラブシーンありの回には*をつけます。オメガバースの一般的な解釈から外れたところがあったらごめんなさい。更新は気まぐれです。アルファポリスとムーンライトノベルズ、pixivに投稿。
王様お許しください
nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。
気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。
性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。
ボスルートがあるなんて聞いてない!
雪
BL
夜寝て、朝起きたらサブ垢の姿でゲームの世界に!?
キャラメイクを終え、明日から早速遊ぼうとベッドに入ったはず。
それがどうして外に!?しかも森!?ここどこだよ!
ゲームとは違う動きをするも、なんだかんだゲーム通りに進んでしまい....?
あれ?お前ボスキャラじゃなかったっけ?
不器用イケメン×楽観的イケメン(中身モブ)
※更新遅め
目覚めたらヤバそうな男にキスされてたんですが!?
キトー
BL
傭兵として働いていたはずの青年サク。
目覚めるとなぜか廃墟のような城にいた。
そしてかたわらには、伸びっぱなしの黒髪と真っ赤な瞳をもつ男が自分の手を握りしめている。
どうして僕はこんな所に居るんだろう。
それに、どうして僕は、この男にキスをされているんだろうか……
コメディ、ほのぼの、時々シリアスのファンタジーBLです。
【執着が激しい魔王と呼ばれる男×気が弱い巻き込まれた一般人?】
反応いただけるととても喜びます!
匿名希望の方はX(元Twitter)のWaveboxやマシュマロからどうぞ(^^)
小っちゃくたって猛禽類!〜消えてしまえと言われたので家を出ます。父上母上兄上それから婚約者様ごめんなさい〜
れると
BL
【第3部完結!】
第4部誠意執筆中。平日なるべく毎日更新を目標にしてますが、戦闘シーンとか魔物シーンとかかなり四苦八苦してますのでぶっちゃけ不定期更新です!いつも読みに来てくださってありがとうございます!いいね、エール励みになります!
↓↓あらすじ(?)
僕はツミという種族の立派な猛禽類だ!世界一小さくたって猛禽類なんだ!
僕にあの婚約者は勿体ないって?消えてしまえだって?いいよ、消えてあげる。だって僕の夢は冒険者なんだから!
家には兄上が居るから跡継ぎは問題ないし、母様のお腹の中には双子の赤ちゃんだって居るんだ。僕が居なくなっても問題無いはず、きっと大丈夫。
1人でだって立派に冒険者やってみせる!
父上、母上、兄上、これから産まれてくる弟達、それから婚約者様。勝手に居なくなる僕をお許し下さい。僕は家に帰るつもりはございません。
立派な冒険者になってみせます!
第1部 完結!兄や婚約者から見たエイル
第2部エイルが冒険者になるまで①
第3部エイルが冒険者になるまで②
第4部エイル、旅をする!
第5部隠れタイトル パンイチで戦う元子爵令息(までいけるかな?)
・
・
・
の予定です。
不定期更新になります、すみません。
家庭の都合上で土日祝日は更新できません。
※BLシーンは物語の大分後です。タイトル後に※を付ける予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる