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しおりを挟むタカミが色々考えてくれてるのは知ってた。ぜーんぶ背負い込んじゃうんだから…もっと頼ってくれていいのに。武器頼んだ日から2週間経つし、そろそろ帰ってもいいんだけど…もう少しこのままタカミとダラっと過ごしたい気もする。
最近すっごく甘やかしてくれるし。撫でてくれるしぎゅーも、ちゅーもしてくれる。もちろんエッチなことも沢山した。タカミとの甘い時間が楽しくて楽しくて、もっともっとって思っちゃう。
「コクヨウ、そろそろ帰るぞ。」
「うーん…もうちょっとだけ!!」
「はぁ…駄目だ。一応お貴族様も急ぎだったみたいだからな。」
「タカミ真面目だなぁ…分かったよ。」
「ん、良い子。依頼も終わったら、魔術都市からはおさらばするか。」
「うん、そうだね。」
「次はどこ行く?」
「あー、タカミは行きたいところないの?」
「んー…温泉行きてぇかな。」
「温泉!お風呂好きだもんねタカミ。」
「おう」
「じゃあ次に目指すのは温泉地だね。この近くだと…確か少し南に行ったところにあった筈だよ。」
「お前よくそんな事まで知ってるな。頭良いな。」
「えへへ!タカミが勉強させてくれたからね。」
「ふっ、お前が頑張ったからだろ。」
タカミはよく褒めてくれる。僕のやりたい事を否定することも殆ど無い。タカミは僕のことを考えて尊重してくれている。それこそ幼い頃からずっと僕のことをしっかりと見ていて、やりたい事をやれるようにしてくれてた。んふふ、タカミのそういうところ好き。
ぎゅーっと抱きしめると香るタカミの少し甘くてバニラのような美味しそうで大好きな香り。少し固くなった掌が僕の頭を撫でる。首筋にスリスリと頭をすり寄せて僕の匂いを移す。
「行かないといけないのに、離れたくない。」
「ふっ、このままコクヨウ引っ付けて帰るか。」
「いいの?」
「別にいいけど歩きにくいだろ。」
「じゃあタカミのこと抱っこしていい?」
「いや、それは流石に恥ずかしい。」
「えー、誰も見てないところまでにするから!お願い!タカミ」
「……本当に人がいるところでは離せよ?」
「うん。やった!」
お姫様抱っこで抱き上げるとタカミが僕の首に腕を回す。少し照れてるみたいで顔を背けられた。けど、赤くなった耳見えてるよ、タカミ。本当に可愛い。
「んふふ」
「…テンション高えな。」
「だって嬉しいからね!」
「…はぁ…お前が喜んでるならもう何でもいいわ。」
タカミに甘やかされてるなぁ。こうして僕にだけ許してくれる行動が嬉しい。身の内にある真っ黒でドロドロした欲求が満たされる。こういうの独占欲っていうのかな。僕もなんでもいいや、タカミが側にいてくれるなら。
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