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しおりを挟む腹ごしらえを終えて、冒険者ギルドに向かう。取り敢えず安全な宿を探さねぇと。寝てる間に吹き飛ぶとか勘弁だからな。冒険者ギルドで情報収集だな。
「ようこそ、魔術都市、冒険者ギルドへ。冒険者証を。…ご利用は初めてですね。移動登録をしておきますね。」
「ああ。」
「それでは本日のご用件は」
「素材の買い取りと、この街での安全で風呂のある宿を教えてほしい。」
「かしこまりました。素材は、どの程度の量でしょうか?」
「ここに出せないくらいにはある。」
「それではこちらへ」
受付が立って、ギルド裏へ歩いていくのに付いて行く。ギルドの解体場のようだ。コクヨウが次々に素材を出していく。受付や解体屋が驚いているのは分かるが、まぁ一月分貯まってるからな。頑張って鑑定してほしい。
「…お…多いですね。それにこの素材は砂漠の!!」
「おお、おおっ!すげぇな兄ちゃん!これ全部売ってくれんのか!」
「ああ、一応下処理はしてるから、買い取り頼む。」
「砂漠通ってきたのか?すげぇな。良く無事に辿り着けたもんだ。」
「なぁ、雑談してないで、早くしてくれ。」
「おお!ワリィな!すぐ…とは行かんが、明日中には終わらすからよ。また明日以降、買取金を取りに来てくれ。」
「ああ」
「ええと…受付に戻りましょう。宿のご紹介でしたね…予算も問題なさそうですので、高くなりますが最高の宿をご紹介させて頂きます。」
「ああ」
ギルドでの対応とか任せたけど、やっぱり冷めてんな。すげぇ淡々としてるし、無表情貫いてる。まぁ、コクヨウの笑顔は破壊力あるから仕方ないのかもしれないが。いい宿もしれたことだし、コクヨウと一緒に街を見て回ってみるかな。
ギルドでの移動登録を行っている間、ギルド備え付けの酒場で茶を飲みながら話す。方々から視線を感じるのは最早慣れたものだ。
「なぁ、コクヨウ、そろそろ武器を替えようかと思ってんだ。見に行ってもいいか?」
「いいよ、ドワーフの鍛冶師がやっているお店があるらしいから行こう!」
「コクヨウも武器変えるか?未だに俺がやった剣使ってんだろ?」
「うん、タカミがくれたのはいい剣だし、大事だからね。」
「そろそろ替え時だろ?」
「まぁ…そうだね。切れ味悪くなってるから…」
「だよな。それでもサンドワームぶった斬れるんだから、すげぇけどさ」
「……うん…」
「あ…悪い。あんまり思い出したくなかったな…」
「ううん、大丈夫。タカミ…ぎゅーしていい?」
「おう。来いコクヨウ」
「えへへ。」
撫でながら抱き締めてやれば、嬉しそうにぐるると喉を鳴らす。尻尾も揺れているし、喜んでいるのだろう。素直で可愛いものだ。
「コクヨウ様、タカミ様、登録完了致しました。冒険者証お返しします」
「ああ。行こうかタカミ。」「おう、ありがとな職員さん」
「手、繋ご?」
「ん」
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