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しおりを挟むコクヨウと一緒にいて、そろそろスールエにたどり着く。というわけで一旦俺達の旅路も終焉をむかえる。しばらくの間はあの家でゆっくりすることになっている。コクヨウにとっては懐かしい場所だろう。
スールエについたのは夜だったから街は静かなものだった。門番は居たけどな。朝になればきっと彼らが俺達が帰ってきたことを街のみんなに知らせてくれるだろう。サク達にもコクヨウが帰ったことが伝わる筈だ。
スールエを抜けて、森の方へ向かって歩く。俺はここを出てそんなに大して時間は経っていないはずなんだがな…。すごく帰ってきたって感じがする。真っ暗で、月だけが俺達の歩く道を照らす。少し歩けば小さくてこじんまりとした家が見えてくる。
「うわぁ、家!懐かしい…やっと帰ってこれた…」
「コクヨウ、おかえり」
「ん…うん、ただいまタカミ。えへへ」
「今日は流石に疲れたな。さっさと休もうぜ。」
「うん、そうだねタカミ。」
「あー…体キレイにしたい…けど…寝るか」
「うん、寝よ!おやすみタカミ」
「おやすみコクヨウ…」
家に入ってさっさと眠りについた俺達。流石に防具とかは外したけど。歩き過ぎたからな。いくら冒険者として体力があるとはいえ、ここまで歩く事はなかなか無いからな。
「ふぁ~あ…朝か…身体いてぇな。」
「ん……たか…み…」
「おう、まだ寝とけコクヨウ。俺は風呂に湯ためて来るからな。」
「んぅ…」
まだ眠いらしく、寝ぼけているっぽいコクヨウをぽんぽんと叩き寝かせた。昨日はすぐに寝てしまったが、明るくなった室内を改めて見回す。流石にそこまで汚れていないな。それでもあとで掃除は必要だろうが。
それにしても今は旅の間に食べてた保存食しか残ってないからな。あとで買い物いかねぇと。コクヨウも友達に会いたいだろうしな。風呂はいい感じに溜まったな。んじゃそろそろコクヨウ起こすかな。
「おーい、コクヨウ、そろそろ起きろよ。」
「んー…んむぅ…もう…ちょっと…タカミ…」
「はぁ…まぁいい。ならお前一人で寝とけ。俺は俺で勝手にする。」
「…だぁめ!!タカミは僕の側にいるの!」
「うおおっ!?あっぶねぇだろうが!馬鹿!」
「バカはタカミでしょ!僕から離れようとして…」
「はぁ?風呂入るだけだろうが!」
「むぅ一緒に入ればいいじゃん。」
「だから、お前が起きようとしなかったんだろ?まったく…」
「一緒に入ろって言ってた?」
「いや、ちゃんとは言ってねぇけど…」
「ほら!もータカミ!ちゃんと言ってよ。」
「はぁ…悪かった。風呂冷めるしさっさと入るぞ。」
「うん」
温かな湯に浸かれば疲れた体が癒やされる。狭いけど…まぁ良いか。旅の間はこうやってゆっくりするのもなかなか出来なかったからな。
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