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しおりを挟むまだ帰ってこないと思ってセンリと遊んでいたところにコクヨウが帰還した。元気そうな姿を見て怪我もなさそうだと安堵したのだが…近付いたあとのコクヨウの様子がおかしい。
簡単に言えばブチ切れている…。何かしちまったか?と思ったが、原因はどうやら俺についた匂いらしい。鼻をひくつかせていたからな。昔から匂いには敏感だったが今の俺の香りは余程不快だったんだな。
コクヨウは俺に対してはとても優しい。だから強引に手を取られて驚いたが、その後のほうが問題だ。唸るように声を上げながら敵意剥き出しで、センリを威嚇するコクヨウ。必死に宥めたが、俺が庇っているのが気に入らなかったらしく寧ろ逆効果だったような気がする…。まぁ、乱闘なんかにはならなかったので良しとしよう。
宿まで連れて行かれ、速攻で脱衣所に引き込まれた。これはアレか?やっぱりするんだよな?流れ的にそうだよな?勘違いだったらどうすりゃいい…。恥ずかし過ぎるよな、育ての親が息子襲うなんて…あー…わっかんねぇ…。
コクヨウはさっさと風呂場入っちまったし…迷いに迷って何も決められないまま棒立ちしている俺を待ち切れなくなったらしいコクヨウに服を脱がされ、更には身体の隅から隅まで洗われた。俺の尊厳は何処へ?って感じだ。
もう逃さない宣言からの「もう待たないよ」に俺はもう身を任せることにした。俺があれこれ考えたって仕方ねぇよな。
「俺はもうお前に任せる。どうにでもしやがれ…」
「うん、ふふっいっぱい愛してあげるね。タカミは気持ちよくなってればいいから。」
「…おう…」
風呂上がりに魔法で乾かされさっぱりしたら、ベッドに押し倒された。コクヨウに全部やる、という約束もしている。どうされても文句は言わない。
今まで我慢してきた分なのか、コクヨウは俺の全身を丁寧に舐め上げた。止めても止まらないし、コクヨウ曰く、匂いを付けているのだそうだ。…しかし俺にしたらこんなことをされるのは初めてだ。初めは擽ったいくらいだったが、段々と感覚が研ぎ澄まされ、気持ちよくなっていく。
「ん…ふぅ…」
「んふふ…タカミ…気持ちいい?」
「…いや…そんな…あっ…」
「そっか、じゃあもっと頑張るね。」
勘弁してくれ…という俺の心の声は届くことなく、その後も丹念に全身を愛撫されることになった。前戯だけで1時間位経ったんじゃないか…と言うくらいには時間が経過したあとようやく、後ろに手を伸ばされた。
ギラギラした瞳とは打って変わって優しいキスを送られながら、ゆっくりゆっくりと慎重に解される。その時には既に俺は若干飛んでいたんだが、とにかく初めての事だらけだったが、順調に事は進んでいた。
「タカミ…愛してるよ…ずっとずっと…大好きだよタカミ…」
切なげな声で愛を囁かれ、俺もしっかりと言葉で伝えてやらなくては、という気持ちになった。力の入らない手を持ち上げ、コクヨウの顔を挟み、しっかりと目を合わせる。
「…おう…俺も愛してるぜ…そろそろ…んっ…いいだろ…来いよコクヨウ」
「うれしい…タカミ…大事にする…」
言葉通り、慎重にゆっくりとコクヨウが入ってくる。とても熱くて硬い。それに先程まで弄られていたイイトコロをゴリゴリと擦られて…熱を吐き出した。
「あ…あ…ああああ!!…ん…はっ…」
「ふふっ挿れただけでイッたの?そんなに僕の気持ちかった?」
「はっ…うるせぇ…お前も気持ちよくしてやるよ…くっ…」
「あっ…ちょっ…しめ…たら…だめ…」
「ふふっ余裕なくなってきたな?…あっ…それで…んん…いいんだよ…」
「タカミの意地悪…僕だって格好つけたかったのに…」
「ほら、好きにしろ。…もっと動いて…ふっ…いいぞ…」
「うん…」
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