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しおりを挟む本当ならタカミと一緒に冒険に行ける予定だったのに…予定だったのに!!!許すまじSランク試験モンスター!!グリフォン!こんな時に来なくたっていいじゃんか…。タカミとお出かけ楽しみにしてたのに。依頼付いてくだけだけど。
「はいはい、頑張ってこい。」
「うがあああ!!なんで!なんで!?」
「気を付けて行けよコクヨウ」
「うん、頑張る…だから待っててね。」
「おう!待ってるぜ。」
この街から3日かけて討伐ポイントに移動して、さらに倒すのに時間が掛かったらタカミに次会えるのは1週間後ってところかな。寂しい…。むぎゅっとタカミを抱き締めて、Sランクパーティーの迎えもスルーしていたが…流石にそろそろ行かないとね。これが終わったらタカミと帰れるんだから。グリフォン絶対に倒す!
グリフォンはSランクの中でも弱い方だ。さくっと倒させてもらおう。飛ぶのだけ厄介だからな。初めに飛べないように羽根を潰す。地上戦に持ち込んでしまえば、あとはグリフォンの硬めの体毛を魔力を纏わせた攻撃でぶった斬るだけ。
「はぁ…」
「早く行くぞ。被害が出ない内に倒してしまうぞ。」
「了解、リーダー…」
「やる気なさげね…全く…あなたの試験なのよ?コクヨウ」
「そーだそーだ!俺らはただの付き添いだからな?頑張れよー」
「…早く帰る。」
「全く…本当にお前は同じ事ばかりだな。」
「この世界でタカミより大切なものなんて無い。タカミが居なきゃ今頃僕は死んでた。生きててもきっと総てを壊すことしか考えてなかった。」
「お前がそんなに自分のことを話すなんて珍しいな。」
「いや、ほとんど情報ねぇだろ!?リーダー」
「自分の思いを話してる時点で凄いことよ。今まで無駄なこと一切言わなかったもの。」
僕に染み付いた習慣のように他人は全て疑って生きてきた。もちろん今では全幅の信頼を置いているタカミに対してもそうであったし、スールエの三人の友に対してもであった。
それはSランクパーティーと行動するようになっても変わらなかったし、もちろんパーティーメンバーだろうが、信頼していなかったし気を張っていた。ずっとずっと張り詰めていた糸が今やっと緩んだのだろうか…。
この先も僕の本心を知るのはタカミだけで良いと思ってたんだけど、まぁこの人達なら良いかな。今更裏切ったりしないと思うし。僕のタカミへの思いも知ってるし。
たどり着くまで長くて段々気分が下がってくる。タカミと3年離れてたんだから今更1週間くらい…と思うけど、やっぱり1回会ったらまた離れるのってキツい。それでもタカミに出されてる条件のこともあるし、それを思えば頑張れる。
グリフォンを発見して、初撃でしっかりと片翼を破壊することに成功した。その後も順調にダメージを与え、倒し切る。これでSランク昇格は確定だ。これでタカミは僕のもの。最速で帰る。
「僕先に帰ってる。」
「コクヨウ、駄目だ。単独行動は危険だ。」
「じゃあ急いで。」
「Sランクに上がっても変わんねぇなぁ?」
「まぁ、それがコクヨウのいいところじゃない?私は嫌いじゃないわよ。」
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