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しおりを挟むスー兄達が帰ってくるまで、お昼寝したり、スキルの使い方を伝授してもらったり、お話を聞かせてもらったりして過ごしていた。少しだけスキルの扱いについて分かった気がする。こういうのは地道な努力が大事だよね。継続は力なり。
そして1日ぶりに両親と兄が帰ってきた。何頭かの魔馬の力強い蹄の音が聞こえてきて、近づいて来ているのがわかった。かなり飛ばして帰ってきたみたいで、伝え聞いていた時間よりも随分早い。
姿が見えたのはスー兄とパパとママの三人だけで、レオおじさん達はもう少しゆっくり来るのかな。徐々にスピードを落としながら近づいて来る。スー兄は近くまで来たところで飛び降りて、僕に向かって飛び付いてくる。勢いに反してふわりと抱き締められ、ぎゅーっと締め付けられる。
スー兄に乗り捨てられた形になった魔馬は、大人しく家の庭の方へ歩いていった。スー兄が乗ってたなら相当酷使されたはずなのに疲れていないみたいだ。流石は魔馬だね。
「ただいまー!!ククリ!会いたかったよ!」
「おかえりスー兄」
「うん、疲れたから癒やしてくれる?」
「んー?撫でる?」
「うん、撫でてー。」
擦り寄ってくるスー兄を撫で回しつつ、ゆっくりと魔馬から降りてくる両親を迎える。ママは流石に少し疲れた様子で、パパはピンピンしていて元気そうだった。ただパパはパパで気疲れとかはあったみたいだ。
「早かったな。もう少しククリと三人でも良かったんだがな?」
「ククリが寂しがるだろ。」
「そんなことはないよ。退屈させないように色々やっていたし。」
「ふふっ楽しかったね。」
「ああ、楽しかった。またおじいちゃんと遊んでくれるかい?」
「うん!」
「ククリも大きくなってきたからな、今度は一緒に遠出するか!」
「うん!もふもふがいっぱい居るところがいい!」
「おう、考えとくぜ。」
「ククリが行くなら俺も行く。」
「なら夏だな。」
「楽しみー!」
「おお?子供たちが親父たちと旅行行くなら俺達は久しぶりに夫婦水入らずで、出掛けるか?」
「そうだね、それもいいね。」
「お!意外と乗り気か?じゃあ早速予定建てようぜ!」
「ふふっこっちもこっちで予定たてようか。」
「「うん!」」
スー兄達と話している間にかなりの時間が経っており、レオおじさん達も到着していた。僕は魔馬に餌をあげに行くというレオおじさんについて行って、一緒に餌をあげたり、撫で撫でしたりした。伝心のスキルを使って、魔馬達がどんな餌を好んでいるのかとか、どの人が好きなのかとかをレオおじさんに伝えるととても喜んでもらえた。
「教えてくれてありがとな、ククリ。」
「うん」
「従魔の声が聞こえるだけじゃないんだな。」
「うん、感情が伝わってくる?って感じで…」
言葉にしてこの感覚を説明するのはとても難しくて、伝わらないのがもどかしい。クーの感情はダイレクトに伝わってくるし、言いたいことも言葉で聞こえる。けれど、その他の生き物に関しては、喜んでるとかがふんわり分かるという感じなのだ。使いこなせるようになればもっと的確に分かるようになるだろう、とじぃちゃんが言っていた。
「ふむ、まぁスキルについてはまだこれからだからな。」
「うん、頑張る。」
「頑張り過ぎないようにな。」
「ん、ありがとうレオおじさん。」
「おう」
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