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スー兄達が出掛けていって、じぃちゃん達とクーと僕だけになる。なんだかみんなが居ないと静かに感じるな。やはり少し寂しい…。そんな僕にクーが寄り添ってくれる。やっぱりクーは僕のことよく分かってるね。

「クーありがとう。」

「うむ。」

「ククリ、そろそろ中入るぞ。身体冷える。」

「うん、ヘンリーおじちゃん。帰ってくるのは早くても明日だもんね。」

「だね。ククリは何したい?」

「うーん…早起きしたからお昼寝する?」

「昼寝か、俺も少し眠いから寝るか。」

「ふふっ二人とも寝たいの?」

「ネルは普段から早起きだよな。」

「そうだね、朝には強い方だと思う。」

「そうなんだ、凄いねぇ。」

「ははっ凄くなんかないよ。年を取ると眠れなくなるものなんだよ。」

年を取るとって言うけど、ネルじぃちゃんの見た目はそんなに年を取って見えないんだけどなぁ。

「そういうもの?」

「ああ、ククリもおじいちゃんくらいの年になったらわかるよ。」

「ふふっそれってどれくらい先のこと?」

「100年くらいかな?」

100年!?日本の平均寿命は長い方だと言われてても90くらいのものだった。100年も経ったら僕死んでるんじゃない?この世界では人間の寿命も長いのかな?じぃちゃん達は龍人だから長いのは聞いたけど。

「あはは!長過ぎるよ!」

「そう?意外とあっという間だよ。」

「そっかぁ。」

「よし、取り敢えず寝るぞ。折角だしククリも一緒に寝るか?」

「うーん、そうしようかな。」

夫婦水入らずのところにお邪魔するのはどうかな?と一瞬考えたけど、折角誘ってもらったんだから一緒に寝るかな。だって一緒に寝たり出来るのって小さいうちだけだもんね。今しか出来ない事は今やっておかなくちゃ。

客室のベッドに向かう二人について行って、どうしようかと戸惑っていると、抱き上げられて二人の間に収まった。両側から別の体温を感じるのってなんだか不思議な感じがする。

そしてクーはお散歩に行くらしく、僕がベッドに入るのを確認して部屋を出ていった。

「おやすみなさい」

「ああ、おやすみ」「おやすみククリ」

二人の体温が暖かくて、目を閉じれば直ぐにでも寝られそうだった。そして、ネルじぃちゃんに頭をそっと撫でられて微睡んでいた意識がさらに沈みこむ。

「おお、あっという間に寝たな。」

「そうだね、頑張って早起きしてたからね。」

「そうだな、俺達の事起こしに来てくれたんだろ?」

「そうだよ。」

「ホント、ククリは良い子だな。ただ、将来が心配だけど。」

「そうだね…出来る事はしてあげよう。」

「おう。」

「僕達も寝よう。」

「おう。ネル、ちゅっ」

「ん…」

普段なら舌を絡めたキスをしてくるのに、今日は随分と可愛らしいキスをする。ククリが居るから配慮してるのか。図体や態度はデカイのにこういう所には気を使うなんて可愛い所がある男だ。そんなことを思ってつい笑みが零れる。

「ふふっ」

「??」

「いや、気にしないでくれ。」

「…おう?」





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