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しおりを挟むパーティーの前日、じぃちゃん達がやってきた。間に合って良かった!いよいよ明日パーティーが開催されるので、王都へと向かう。僕はヤバ目のスキルの事もあるのでじぃちゃん達とお留守番だ。もし鑑定とかされると面倒事になる可能性があるからね。
「ねぇ、ヘンリーおじちゃん、ネルじぃちゃん、今回の旅のお話、またゆっくり聞かせてね!」
「おう!」
「そうだね、沢山話そう。でも今日はもう日も落ちるからまた明日ね。」
「うん!」
スー兄達は明日の早朝にレオおじさん達と共に王都へ向かう事になっている。魔馬を借りられるんだって。街道を魔馬で飛ばせば、五時間程で到着するみたいだ。普通は王都の邸宅に前もって泊まることが多いみたい。
スー兄…いつの間に魔馬を操れるようになったんだろ…。僕は一切乗せてもらえないんだけど?確かに魔馬に乗ったら振り落とされる可能性とかあるし、運動神経もあまりよくない僕を乗せるのが不安なのは分かる。けど乗ってみたいじゃん!!羨ましい。
明日は早起きしてスー兄たちをお見送りしなくちゃだから、早めに就寝しようと部屋に戻ろうとすると、隣に座っていたスー兄も何故か立ち上がる。スー兄も寝るのかな?それにしては僕の跡を付いてくるんだけど…
「スー兄、なんで一緒に来るの?」
「ん?明日はククリと離れなくちゃならないからね。」
「うん?」
「だから今日はもう離れない。」
「…一緒に寝るつもりなの?」
「うん、駄目?」
「…駄目。僕はクーと寝るから。」
「どうしてもだめ?」
「……」
「あー…明日やる気出ないなぁ。パーティーに遅刻しちゃうかも。」
「…分かった…スー兄、おやすみのチューするから、それで許して?」
「おやすみのチューか。悪くない…けど、もう一声!」
「ぎゅーもする。」
くっ…負けた…。だってズルいよ!ケモミミ少年におねだりされたら可愛くて叶えてあげたくなっちゃうもん…。もう成長して耳も消せるようになってるのに、こういう時には生やしてるんだよ?僕がケモミミに弱いって知っててやるんだから策士だよね。
「よし!交渉成立だね。じゃあククリ、おやすみ」
「うん、おやすみ…ちゅっ」
ぎゅーっと抱き締めて、顔を寄せる。そのままスー兄の頬にそっと口付ける。スー兄は嬉しそうに僕にお返しのキスをしてくる。ちょっと恥ずかしかったけれど、家族だしこれくらいなら普通…なのかな?
「ククリ、寝に行くぞ。」
「うん、待たせてごめんクー。」
「構わない。」
「うん、ありがとう」
「良い夢を、ククリ。また明日」
「うん、また明日」
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