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お祝い料理を沢山食べて、もう幸せいっぱい!因みにクーとスー兄にも好物が出されてて、嬉しそうに食べてた。ロコさん達には美味しいお肉料理が出されてた。みんな食べるスピードが早いんだよね。僕よりよっぽど食べてるのにあっという間に食べ終わっちゃってて、僕が最後まで食べてた。

「ごちそうさまでした!」

「お粗末さま」

「んふふ!美味しかったぁ!ママありがとう!」

「どういたしまして。喜んでくれて良かったよ。」

「ママのご飯美味しくて大好き!」

「ん、可愛いねククリ。」

ママにグリグリ撫でられる。最近良く撫でられるようになったんだ。嬉しいから良いんだけどね。

「本当に美味しかったです。ご馳走になりました。」

「ん、口にあったなら良かったよ。」

「後片付けはお任せ下さい。」

「いいの?お客さんなんだし、気を使わなくていいんだよ?」

「いえ、勝手に押しかけて来ておいてそんなに厚かましい態度は取れません。」

「ははは!んじゃ任せるぞ、ロコ、ノワール。」

「なんで俺まで!?」

「当たり前でしょう。別にいいのですよ?今から無理矢理連れ帰って野宿をしても。」

「そ、それはいやだ!」

「では勿論手伝いますね?」

「…はい…」

渋々といった様子だったけど、テキパキと効率よく片付けていくノワール。普段から手伝いとかしてるんだろうなって感じの慣れた手付きだった。僕も手伝いはするようにしてるけど、そんなに素早く出来ないから、凄いなぁと思う。

僕も手伝おうかなーと椅子から降りると、ロコさんに抱き上げられてスー兄の膝に乗せられた。

「直ぐに片付けてしまいますので、少しだけお待ち下さいね。」

「手伝うよ?」

「いえ、大丈夫ですよ。」

「そう?わかった。ありがとう、ロコさん、ノワール」
 
「おう!ククリの為なら何でもする!」

相変わらず、僕に甘々だ。それでいて、何でもするって嘘じゃないらしいんだよね。いつしかスー兄がそう言ってたから確かなんだと思う。真偽眼を持つスー兄に嘘じゃないって言われるんだから。

不用意に頼みごとなんてしたら大変なことになるに違いないので、ノワールの前では安易な発言はしないように気をつけてる。

「終わりました。お茶でもいれましょうか?」

「ああ、お願いしてもいい?」

「ええ。」

「ああ!!スイ!ずるいぞ!俺もククリのこと抱っこする!」

「渡さない。ククリは俺の大事な弟だから。」

「俺もククリのこと抱っこしたい!」

そんな言い合いが続いてそろそろ止めに入ろうかなー、と思っていたのだけれど、パパとロコさんが止めてくれた。

「おい、ククリの祝いの日だってのにそんな喧嘩するな。」

「…ごめんね、ククリ。」

「ノワール、お世話になっているのに騒ぎを起こすんじゃありません。」

「…ごめんなさい…。」







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