不良×平凡 オメガバース

おーか

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朝起きて、身体も楽になっていたので、朝ご飯を準備することにした。このあとは今日は班での打ち合わせの時間が取られているみたいで、秋夜さんと一緒に登校することになっている。まぁ登校した後一旦別れるんだけど。

秋夜さん、まだ起きてこないかな?起こしに行ったほうがいいか。寝室に起こしに向かうと、ちょっと不機嫌そうな顔をしている秋夜さんがベッドに座っていた。

「秋夜さん?おはようございます」

「ん、おはよ」

「機嫌悪いですか?」

「いや。香夜こっち来て」

「はい…」

近づいていくと、手を引かれる。座っている秋夜さんの足の間に座って、後ろから抱きかかえられるような体制で落ち着く。ギューっと割と強めの力で抱きしめられる。

「ふぅ…起きたら香夜が居ないから焦った…」

「すみません、ご飯作ってました」

「ご飯か…ありがと…でもこれからは離れる前に俺のことも起こして」

「はい…わかりました」

「ん、頼んだ」
 
「ご飯食べませんか?」

「ん、食べる。せっかく香夜が作ってくれたんだし。」

秋夜さんは洗面台に向かったので、待つ間にフライパンから皿に移して、机に運んだ。ちなみに今日はフレンチトーストにした。朝からだったからあんまりつけ込めてないけど。それでも意外と美味しくできるよな。

「「いただきます」」

「うん、今日も香夜の作るものは美味い」

「えへへ、よかったです!秋夜さん、いつも美味しいって言ってくれて嬉しいです」

「俺も香夜のご飯食べれて嬉しい」

なんかこれって甘い雰囲気というやつでは…?
これはなんか照れる。ヤバイかもしれない。顔熱いし。本格的に惚れそうで困る。秋夜さん、イケメンだし、優しいし、褒めてくれるし、スタイルも抜群でしょ?それに料理まで出来るし!もう悪いとこなんかないんじゃないかってくらいだし!いい匂いもするし!

惚れても、ライバル多すぎるよな。っていうかこんなこと考えてる時点でもう手遅れだよなぁ。どうしよう。一緒に住んでるし、寝るのも一緒だし。自覚したらもう、気にしないではいられないと思う。

せめて側に置いてもらえる間だけでも記憶に刻みつけておこう。大切な大切な思い出として。とはいえ、好きな人との初めてのえっち覚えてたかったなぁ。今更だけど。くそぉ…最初で最後のチャンスだったのかもしれないのに。

そんなことを考えながらも食べ終わり、片付けに動く。皿を運んだあたりで秋夜さんから声がかかる。

「俺片付けとくから、香夜は準備しておいで」

「はい!えと、じゃあお願いします!」 

少し離れたら少しは冷静になれるかな。いや、無理か。秋夜さんの部屋だから、秋夜さんの匂いがどこにいてもするからな。この部屋のどこにいても秋夜さんのことが頭を離れることなんてないだろうな。

はっ!!やばい!ぼーっとしてた。準備!準備!急がないと!秋夜さんを待たせることになる。








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