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89.藍月の報道後
しおりを挟む事務所の面々はともかく、スタッフさんにからかわれまくっていた。ちょっと疲れたなぁ。まぁ、腫れ物のように扱われるよりはずっとマシだけどな。でもスタッフさんたちも俺達の事信じてくれているから揶揄ったりするんだし…嬉しいことなのかもしれない。
「藍ちゃん大丈夫ー?」
「うん、へーき」
「司馬咲さんから連絡来てたわ。謝罪された。」
「そっか…」
「藍ちゃんのこと癒やしてあげたいんだってー」
「えへへ!嬉しいなぁ!」
「藍ちゃんは単純だねぇ」
「だな」
「二人してひどいよ…まぁでもありがとね。リンさんがマネージャーになったらよろしく」
「正式にマネージャー見習いだもんな」
「ね!神谷マネージャーも好きだけど、司馬咲マネージャーも楽しそう!」
「俺も楽しみ!」
「そりゃあ藍ちゃんはねぇ?」
「おう」
二人にまで揶揄われるのか…。イヤじゃないけど。早く帰ってリンさんに癒やされよっと!リンさんはリンさんで傷ついてそうだし…俺も癒やしてあげないとね!
あー…SNSも荒れてるね…。仕方ないけど。投稿は暫く控えようかな。いや、逆にリンさんとの写真でもあげようかな…マネージャーと社長に確認取ってみよ。もはや晒したほうがわかりそうだし。マネージャーの車に乗り込む。
「ねぇ、マネージャー、リンさん都の写真SNSに上げてもいいかな?」
「あ?いいんじゃね。司馬咲さんの顔は隠せよ」
「そりゃ隠すよ。リンさんのかわいい顔みんなに見せたくないもん。社長にも確認取ったほうがいい?」
「俺が確認しとくわ。それと、司馬咲さんの様子やばそうだったら教えてくれ。」
「はーい。じゃあ写真だけ用意しとく。」
「あー…家の前やっぱり記者いるな。」
「だよねー…変装はしてるけどあんまり効果なさそう。」
「駐車場まで入るか。」
「いや、いいよ。中までは入れないだろうし。後ろめたいこともないから。」
「じゃあいつもどおり前で降ろすぞ」
「うん、ありがとマネージャー」
「おう、おつかれ」
「お疲れ様です」
降りたら降りたですぐに記者が寄ってきた。まぁ当然だよね。
「alfalfaの藍月さんですよね?今回の報道のことですが、恋人と同棲しているというのは本当なんですか?」
「いいえ、同居はしてもらってますけどね。相手は男性ですし、私の生活をサポートしてくれているんですよ。」
「関係性は?」
「彼は事務所のマネージャー見習いですね。その関係で家事などをしてくれています。」
「あの写真は、どのような状況だったのですか?」
「あれは仕事の撮影現場に同行してもらっただけです。」
「普段は同行されていないですよね?」
「そうですね、彼には撮影の相手役を努めてもらっているので。」
「撮影の相手役ですか?」
「ええ、そうです」
「それでは今回の報道は事実ではないという証拠は?」
「証拠…と言われましても…そもそも今回の報道の根拠はありましたか?」
「…そうですね…今回は応対ありがとうございました。」
「はい、出来れば事実を記事にしていただきたいですね。せっかく協力させていただいたのですから。」
「はい、そのように努めます。」
「お願いしますね」
一通り答えると記者は立ち去っていった。期待はしてないけど…まぁ無視して反感買う方が面倒くさいしね。答えた事をもとに少しはマシな記事になるといいんだけど。まぁでもそもそも話題にならなさそうな記事なんか書かないか。
ふぅ…さっさと部屋入ろう。
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