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26.日曜になりました。
しおりを挟む今日も藍月くんの家に行くことになっている。手土産は、甘いお菓子と度数があまり高くなく美味しいお酒とジュースにした。藍月くんお酒飲めないし。
昨日彼方に会ったときについでに買って帰ったのだ。お菓子は彼方がオススメしてくれたのを買ったので、美味しいと思う。彼方は女の子にモテるので、甘いものが好きな女の子に貰ったりしてるからな。
またこの高級マンションに入るのか…。緊張する。若干挙動不審になっていた俺に、たまたま通りかかった住人が怪訝な視線を向ける。
は、早く入らないと、通報でもされそうだな…。早くインターホンを押そう。
「はーい!リンさん!開けますのでどうぞ!」
「はい、お邪魔します。」
「待ってますね!」
エレベーターに乗り込んで上がっていく。ガラス張りでキレイな景色が見えるエレベーターなんだけど、外からは見えないんだそう。この間お邪魔したときに教えてくれた。
部屋の前について、またインターホンを押す。直ぐにドアが開けられる音がして、藍月くんがドアを中から開いてくれる。
「リンさん!いらっしゃい!」
「藍月くん、お邪魔します」
ドアが閉まって、靴を脱ぐと、それを待っていた藍月くんが抱きついてくる。
………え?
ビックリしすぎて、危うく持ってきた手土産を落としてしまうところだった。
「えっと…藍月、くん?」
「はい、リンさん、なんですか?」
「えっと…なんで抱き締められてるのかな?」
「はっ!つい!会いたかったので!」
「あ、うん?」
「えへへー、あえて嬉しいです」
「俺も嬉しいよ」
「玄関ですみません、リビング行きましょ」
「うん」
なんだか藍月くんとの距離が近づいた気がする。この間、泊まらせてもらってからだよな。仲良くなれて嬉しいけど、なんか近すぎる気もするんだよね…。大丈夫なのかな?
家も知ってるし、色々話してくれるし…マネージャーの神谷さんに聞いてみるかな?
ま、今は藍月くんとの時間を楽しもう!
「藍月くん、これ手土産というかお菓子とお酒」
「ありがとうございます!リンさん!めちゃめちゃ美味しそう!ご飯のあと一緒に食べましょうね!」
何度かあってもはや習慣になってきた流れで、藍月くんとお茶をする。藍月くんは最近忙しいらしい。
「リンさん、そういえば予定があったみたいですけど大丈夫でしたか?」
「ああ、あれは大丈夫だったよ。昨日行ってきたから。」
「そうなんですね!何してたんですか?」
「大学の友達と映画に行ったんだよ」
「どんな映画ですか?面白かったですか?」
「まぁ…うん。俺の趣味じゃないんだけど俗にいうスプラッタだね。」
「…なるほど…」
藍月くんも微妙な顔になってるよ…。まぁ…そうだよね。グロいし…。
「でもいいなー、俺もリンさんと映画みたいです!」
「ん、でも外だと囲まれちゃわない?」
「変装するので、だめ、ですか?」
変装しても絶対わかると思うんだ。すごいイケメンだし…。一応マネージャーの神谷さんに確認したほうが良さそうだよね。
「うん神谷さんに聞いてみるね。」
「えぇ…リンさん厳しい…」
「ふふっ駄目って言われたら家で二人で見よう」
「ハッ!でもリンさんと二人で誰にも邪魔されないほうが良いかもです!!」
「じゃあ家で見ようか、今度は早めに来るから1日映画鑑賞ね!」
「めちゃめちゃ楽しみです!色々準備しておきますね!」
映画鑑賞、楽しみな予定ができたな。見たい映画とか調べておこう。
その後はいつもどおりにご飯を食べて、俺の持ってきた手土産のお酒を嗜みつつ、お菓子を食べた。
「すっごく美味しいですね!」
「確かに、昨日出かけたときに友達のオススメを買ったんだ、美味しくて良かった」
「そうなんですね、ありがとうございますリンさん!」
「どういたしまして、喜んでくれて良かった」
ニコニコと食べてくれて、彼方にもお礼を言ってもいいかもしれない、とまで思った。それほど推しの顔は尊い。
この間は泊まらせてもらったが、流石に毎回お世話になる訳にもいかないので、遅くなりすぎないようにお暇した。
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