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24.友達と出かけます。
しおりを挟む彼方と待ち合わせた土曜。とにかくぎりぎりの時間になってて遅刻なんてしようものなら、ブチ切れ確定。
焦ったまま、家を飛び出し待ち合わせ場所に急ぐ。はぁはぁと息を切らしながら、走っていく。……着いた!時間は、セーフ…やばかった…。
きょろきょろ見回すと、際立った身長。イケメン。周りには女の子たち。声掛け辛いなー。
(臨也:着いたんだけど、囲まれてないで早く見つけて来てくれ)
既読がついて、彼方が周りを見渡す仕草をする。けれど視線は合わない。こちらは簡単に見つけられるのに、あちらからは見つけづらいようだ。
(彼方:ちびで見つからねぇ、お前がこい。)
(臨也:女の子達を掻い潜って逝けと?)
(彼方:じゃあ来なくていいから声掛けろよ)
(臨也:デカい声なんて出ないし)
(彼方:早くしろ)
うぅ…絶対睨まれるって…
でもやらないと彼方に怒られる。覚悟を決めて呼びかける。
「彼方!」
「ん、ごめんね。友達来たから」
その顔に笑顔を纏わせて、女の子達を捌いてやってきた彼方はやっぱりモテそうなイケメンだ。そして刺さる視線。
女の子達から睨みつけられてる…女の子ってコワイ…。
「良く出来ました。」
「お前に言われると馬鹿にされてるようにしか聞こえねぇ。」
「まぁ、お前がちびだからしょうがねぇよな。」
「失礼な奴だ…」
「とりあえずどっか入ろうぜ、お前の奢り分」
「仕方ないな…喫茶店がいい」
「喫茶店好きだな」
「悪いかよ」
「いや?行くか」
俺がこの間見つけた、レトロな雰囲気の喫茶店に入る。特に課題をやるのにも適してそうな、静かで穏やかな感じが好きだと思う。
「俺はアメリカンコーヒー」
「俺は紅茶のストレートで」
コーヒーは飲めないんだよな。匂いは凄く好きなんだけど。
「そういえば今日どんな映画見んの?」
「んー、前の映画もすげぇ良かった監督の最新作」
「スプラッタ?」
「もちろんそうだけど」
「好きだよな…」
「お前には言われたくないね。お前もアイドルオタクしてるだろ。」
「…まぁ…否定は出来ん」
そもそも彼方との出会いもそこに起因している。王子様のようなキラキラしたキャラを演じていた彼方が!周りにバレないように、大学でスプラッタ映画を見ているところに、たまたま乱入してしまったのが俺。
その後、俺はごめんなさいをして、扉を閉めたのだが、彼方が逃がそうとしなかった。そこはなんだか藍月くんも似ていたかもな。
ともかくそれから、俺が人に話さないように俺を監視していた。けれど俺に友達がいない事がわかると、何故か俺を映画に誘ってきて、そこからの付き合いなのだ。
喫茶店で暫しゆっくりしてから、映画館に向かう。特にポップコーンなども買わず、そのまま入る。
「今日のってホラー?」
「いや、一応ホラーじゃないやつ選んだけど?」
「ならいい」
スプラッタはギリ見れるけど、ホラーは駄目なのだ…。俺も自分の基準がよくわからない。ただなぜか彼方には把握されていて、見れる範囲の映画にしか誘ってこない。
見終わった…。ううん…まぁ…良かったのか?彼方は、満足気だし…。
その後、適当なファミレスに入って、ご飯を食べて解散した。スプラッタの感想を聞きながらのご飯はなんとも微妙な味がした。
明日の藍月くんとのご飯が楽しみだなぁ。
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