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20.推しの家にお泊りします。
しおりを挟むお風呂に浸かっていたけど、泊まらせてもらうなら頭洗わないと。うわぁ…お高そうなシャンプーだ。これが藍月くんのサラサラ、ツヤツヤヘアーの秘訣なのかな。
ん、これいい匂いする
ふわりと香ってきたのは、たまに近づいたときにわかる藍月くんのもので、少し胸が高鳴る。これはきっと気のせいだと言い聞かせて、シャワーで頭を流す。
サッと洗ってリンスも置いてあったので使わせてもらう。俺今日すごいいい匂いになったかも。
お風呂場から出ると、藍月くんが置いていってくれた新品のパンツとパジャマがあった。ふかふかタオルで身体と頭を拭いて、そのパジャマを着ると、肌ざわりのとても良いもので、気持ち良かった。
ドライヤーどこにあるのかな。見当たらないな。藍月くんに聞いてみようと思い、ドアを開けるとそこにはドライヤーを構えた藍月くんが待っていた。
「え?」
「ふふふっ乾かしてあげます!ソファ座ってください!」
「自分で出来るよ」
「駄目です!俺がやるんです!」
「そう?ありがとう」
「はい!」
なんだか楽しそうな藍月くんに押されてソファに座らされる。なぜだか俺の髪を乾かしたがる藍月くんに任せることにして、そのままソファに身を預けた。
「かゆいところはないですかー?」
「大丈夫です」
「何かあったら言ってくださいね!」
これはなんだろう…美容院の店員さんごっこ?
なんかかわいいから、なんでもいいか。それに丁寧な手つきで触れられて、どことなく心地よかった。
俺のそんなに長くない髪はすぐに乾いてしまった。なんだか慣れてる感じがしたけど、誰かにしてあげてたのかな。…いや、詮索は良くないな。アイドルだって普通の人間。彼女がいたって普通のことだし。まぁ、彼女とかではなく、家族や友達の可能性もあるし。
でもこんなに丁寧な手つき…いやいや勝手な妄想はここまでにしておかないと。
「ありがとう、気持ちよかった」
「どういたしまして!良かったです!じゃあ俺もお風呂に行ってきますね」
「うん、何か飲み物貰ってもいいかな?」
「どうぞ!冷蔵庫にあるものは、なんでも好きに飲んで大丈夫なので!」
「ありがとう」
_______________
リンさんの髪に触れてみたくて、ドライヤーを持ってきて待ち伏せた。推し(押し)に弱いリンさんは、俺が背中を押せば簡単にソファに座ってくれた。
リンさんが俺のパジャマ着てる…むふふ、嬉しい、かわいい。ちょっと袖余ってて萌え袖みたいになってるや。
あ、リンさんの髪、俺と同じ匂いになった。同じ匂いでも、俺のよりいい匂いに感じる。
熱かったりしないように、丁寧に乾かしていく。途中かゆいところとかないですか、とか聞いてみたりする。
言ったあと思ったけどそれってシャンプーで聞くことだったや…。リンさんも気にしてないみたいだからいっか。
そんなに長くない髪はすぐに乾いてしまった。もっと触ってたかったなー。初めて触れたリンさんの髪はふわふわしてて、サラサラで触り心地良かった。
不自然に思われない程度に、つい撫で撫でしちゃった。
俺も着替えを持って、お風呂に向かう。リンさんが浸かった残り湯…いや、我ながら変態臭すぎる。あまり考えないようにしよう。無心でサッと入って、すぐに上がった。
お風呂でゆっくりするより、早く上がってリンさんと過ごしたいし。
_______________
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