推しアイドルに認知されてました!

おーか

文字の大きさ
7 / 104

7.家に推しが来ました。

しおりを挟む





おはようとか、今日はこんなご飯食べたとか、そんなやり取りを藍月くんとする。幸せすぎて、顔が緩む。誰にも言えない秘密だけど、藍月くんはこんなに良い子だって自慢したい。大学の友達には凄く変な目で見られたけど…。


(藍月:好きな食べ物教えて下さい!)

(臨弥:ハンバーグとか好きです)

(藍月:わかりました!楽しみにしてて下さいね!)

(臨弥:はい、楽しみにしてます)


もう恋する乙女並みに、ドキドキしてるし、ニコニコしてる。授業でも先生に怪訝そうな顔されたけど、仕方がない。

「お前、最近何ニコニコしてんだよ。キモイぞ。普段は表情筋死んでるくせに。」

昼の時間、まさにドン引いてるって顔で話しかけてきたのは、高校からの付き合いの友達だった。背も高くイケメンでモテる。まぁ推しに比べればまだまだだけどな!…これは僻みじゃない…正当な評価だ!

遠野彼方(とおのかなた)は、よく俺に絡んでくれて、良いやつではある。更に推しの話を聞いて(聞き流して)くれる。

「えへへ、仕方ないだろ?今日も俺の推しは天使なんだ!」

「あー…握手会行ったんだったか…その余韻でそうなってんの?」

「まーそういうこと!」

いい感じに勘違いしてくれたので、訂正はしない。彼方(かなた)には、よく推しの話をしているから俺がどれだけ藍月くんが好きなのか知っているからな。

本当は明日藍月くんと会えるから嬉しすぎるだけなんだが。今日は即効で家に帰って最後の磨き上げに精を出すつもりだ。

部屋中に貼ってあった藍月くんのポスターやalfalfaのポスターは一度剝がして丸めて丁重に保管した。グッズについてもベッド下スペースに詰め込んで、目に見える場所に置かれているのは、抱き枕のみだ。

ちなみに毎日抱きしめて眠っている。凄くいい感じの柔らかさで、抱き心地最高なのだ。もはやこれがないと駄目かもしれない。

しかし困った…この大きさの枕をしまう場所などない。誰かに預けることも考えたが、汚されたりしたらたまったものじゃない。

考えた末、俺の出した結論は、ベッドにそのままおいておく。藍月くんが初めて行った人の家でベッドの布団を捲ったりしないだろう。だから布団をかけて隠れるようにしてそのまま置いておくことにした。

今日夜寝れるかな?緊張して寝られなさそうだ。

その後すぐに寝た俺は、きっと神経が図太いのだろう。



そしてやってきた藍月くんが来てくれる当日。しかし前々から考えていたが、俺はどんな格好で居るのがいいんだ?

普通の服でいい気がするが、しかし前回あったとき、俺はどんな格好をしていた?

そう!!なんということか…女装である。

詰んだ…おわった…。

でも普通に俺で話したんだよな。声とか、一人称でわかっている…よな…。

うーん……

よし!決めた!服装は前回と近しいやつでウィッグなしにしよう。

着替えてじっとしていることも出来ず、そわそわともうキレイになっているシンクを永遠ふきふきしたりする。

そしてインターホンがなる。バタバタと走って玄関に向かう。途中でゴミ箱に足を打ち付けたが、痛みをこらえて、ドアの鍵を開ける。

「わわっ!リンさんこんばんは!」

少し勢いよく開けすぎたようで、少し驚いた様子の推しが待っていた。

「あ、すみません。そそっかしくて。こんばんは。どうぞ上がってください。」

「はい!お邪魔しますね」

靴が脱ぎやすいように藍月くんの持っていた食材の入った袋を受け取る。

「あ、ありがとうございます!」

にっこりとして、お礼を言われる。推しが今日も尊い…。顔面が美しすぎる。ちなみに声もいい。

「こっちです。どうぞ。」

案内せずとも狭い部屋だが、一応案内してみる。というか、今更だが、私服のセンスが神か!俺なんかを隣に並べようものなら…俺はミジンコ以下の存在価値しかない。

内心動揺しまくりながらもスラスラと話せる口で良かった。

来たばかりで料理させるのもどうかと思ったのでとりあえずソファに座ってもらって、レモンスカッシュを出す。

「あ、ありがとうございます!俺、レモンスカッシュ好きなんです!」

ああ、もちろん知っている。雑誌インタビューやSNSまで抜かりなくチェックしているからな。

「そうなんですね、良かったです。」

「そういえば、リンさん髪切ったんですか?」

くっ…無視していけるかと思ったがやはり駄目だったか…。素直に言ったほうが恥ずかしくないよな。

「その会場で男だと目立つので…髪長いと女の子っぽくて目立たないかと…ウィッグを」

「ふふっああ、なるほど!そういうことだったんですね!リンさんウィッグ似合ってましたよ?」

なんと…推しを笑わせられたなら、俺の黒歴史もいい仕事をするではないか!

まぁウィッグが似合ってても嬉しくはないが…。

「俺背が低いですからね…。」

「あ、そんな意味で言ったんじゃなくて、可愛かったです!」

「……ありがとう…?」

これは褒められているのか?ウィッグをかぶった顔面偏差値低めの男が可愛いわけないんだが…。

「ほんとに可愛かったのに…と、そろそろご飯作り始めますね!」

そう言って俺の飲んでいたコップと自分のコップを回収した藍月くんがキッチンに移動していくのを見送った。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

隣の席のイケメンに懐かれた

しょうがやき
BL
隣の席のイケメンに懐かれた平凡男子の話

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

処理中です...