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いまのところは問題なし
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パーティーの会場となる大広間の最終チェックを終えた。
(問題はなさそうね。あとは、本番を迎えるのみ)
パーティー会場を任せることになる上級侍女たちとも最後の打ち合わせを終えたところで、ほんのわずかだけれど時間ができた。
つぎはディーマー帝国の皇族との食事会のチェックをしなければならない。
厨房では、料理長のケヴィンみずからが調理を行っている。
その確認もしておきたいし、食事会を行うことになる食堂の準備状況も確認したい。
(厨房に行ったら、なにか恵んでもらえるかしら?)
大廊下を足早に歩きつつ、お腹の虫をなだめていた。
アレックスとお茶をした際にクッキーを食べたけれど、今日はその枚数をはるかに上回る活動量である、
(なにか恵んでもらおう)
なにか口に入れないと、お腹の虫が反乱を起こしてしまう。
というか、わたしが倒れてしまうかも。リアルに行き倒れてしまうかもしれない。
さらに足早に食堂へ向かい、食堂のチェックを終えた。
こちらも問題はない。
あとは、料理を運んで給仕をするだけ。
皇族のお供の人たちには、違う食堂で食べてもらうことになっている。
そちらは、ベテランの下級侍女に任せておけば問題ない。
チェックし忘れたことはないか、抜け落ちていることはないか、そんなことを考えつつつぎはいよいよ厨房へと向かう。
途中からは、食べ物のことばかりが浮かんでくる。
お腹の虫は、いまや自己主張しまくっている。それこそ、慌ただしい大廊下に響き渡るほどに。
「副侍女長っ」
下級侍女のひとりが追いかけてきた。
「お忙しいところ申し訳ございません。すぐに来ていただけないでしょうか?」
彼女は相当慌てているのか、肩で息をしている。
ドキリとした。パーティーのことでなにか不都合か問題があったのかと思ったからである。
「なにかあったのですか?」
焦燥や不安を面に出すわけにはいかない。冷静を装わねばならない。
「マクラウド公爵令嬢とアンドレア妃が揉めていらっしゃって……」
彼女の困惑は、ハッキリくっきり伝わってきた。
「わかりました。行きましょう」
彼女に微笑んだ。余裕の笑み? とはほど遠いひきつった笑みを浮かべつつ。
パーティー直前に問題発生。
これで腹ごしらえは出来なくなった。
どうやらキャロラインとマシューの正妻が揉めているらしい。
その事情、というよりか原因は、つい先程わかったばかり。
溜息とともに、下級侍女と大廊下を走りだした。
(問題はなさそうね。あとは、本番を迎えるのみ)
パーティー会場を任せることになる上級侍女たちとも最後の打ち合わせを終えたところで、ほんのわずかだけれど時間ができた。
つぎはディーマー帝国の皇族との食事会のチェックをしなければならない。
厨房では、料理長のケヴィンみずからが調理を行っている。
その確認もしておきたいし、食事会を行うことになる食堂の準備状況も確認したい。
(厨房に行ったら、なにか恵んでもらえるかしら?)
大廊下を足早に歩きつつ、お腹の虫をなだめていた。
アレックスとお茶をした際にクッキーを食べたけれど、今日はその枚数をはるかに上回る活動量である、
(なにか恵んでもらおう)
なにか口に入れないと、お腹の虫が反乱を起こしてしまう。
というか、わたしが倒れてしまうかも。リアルに行き倒れてしまうかもしれない。
さらに足早に食堂へ向かい、食堂のチェックを終えた。
こちらも問題はない。
あとは、料理を運んで給仕をするだけ。
皇族のお供の人たちには、違う食堂で食べてもらうことになっている。
そちらは、ベテランの下級侍女に任せておけば問題ない。
チェックし忘れたことはないか、抜け落ちていることはないか、そんなことを考えつつつぎはいよいよ厨房へと向かう。
途中からは、食べ物のことばかりが浮かんでくる。
お腹の虫は、いまや自己主張しまくっている。それこそ、慌ただしい大廊下に響き渡るほどに。
「副侍女長っ」
下級侍女のひとりが追いかけてきた。
「お忙しいところ申し訳ございません。すぐに来ていただけないでしょうか?」
彼女は相当慌てているのか、肩で息をしている。
ドキリとした。パーティーのことでなにか不都合か問題があったのかと思ったからである。
「なにかあったのですか?」
焦燥や不安を面に出すわけにはいかない。冷静を装わねばならない。
「マクラウド公爵令嬢とアンドレア妃が揉めていらっしゃって……」
彼女の困惑は、ハッキリくっきり伝わってきた。
「わかりました。行きましょう」
彼女に微笑んだ。余裕の笑み? とはほど遠いひきつった笑みを浮かべつつ。
パーティー直前に問題発生。
これで腹ごしらえは出来なくなった。
どうやらキャロラインとマシューの正妻が揉めているらしい。
その事情、というよりか原因は、つい先程わかったばかり。
溜息とともに、下級侍女と大廊下を走りだした。
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