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3章 〜過去 正妃と側妃〜
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用意されたの侍女が使用する馬車だった。
人目を盗んで外出する為、側妃用の馬車が使えないのはルイザにもわかっている。それに侍女が使う馬車といってもヴィラント伯爵家の馬車に比べれば随分立派で華やかな馬車なのだ。不満などあるはずがなく、人気が無いことを確認すると急いで馬車へ乗り込んだ。
馬車は順調に進んでいた。
百合の宮の敷地を出るまでは何度か人とすれ違うこともあったが、侍女が行き来することは珍しくないので特段疑われることもなかった。特に今日は皆忙しくバタバタしているので、その中の一人と思われたのだろう。
それでも姿を見られてはすぐにわかってしまうので、ルイザは座席に深く座って外から見えないように身を隠していた。
そうしている内に馬車はどんどんと進み、人のざわめきが聞こえるようになってきた。
これまでは時々すれ違う巡回の騎士の声しか聞こえなかったことを思えば鳳凰の宮に近づいてきたということなのだろう。
その考えは正しかったらしく、カーテンを細く開いて外を確認していたミザリーが頷いた。
「桔梗の宮を通り過ぎたようです。まもなく鳳凰の宮が見えてくるでしょう」
桔梗の宮とは薔薇の宮の次に鳳凰の宮から近い宮殿だ。
そこを通り過ぎたということは、右側に広がる森は既に鳳凰の宮の敷地だろう。左側は薔薇の宮の敷地である。
「そう……。もうすぐね」
近づいてきたといっても鳳凰の宮の敷地は広い。宮殿が見えるまではまだしばらく掛かるだろう。
それでもルイザは体の底からじわじわと緊張してくるのを感じていた。カールの気を引くための重要な一手なのだ。
そんなルイザは気がついていなかったが、向かいに座るミザリーは奇妙な顔をしていた。
ミザリーが気がついたのだ。
鳳凰の宮は右側にある。だけど人の声や馬の嘶きが多く聞こえているのは左側だ。右側から声が聞こえないわけではないが、左側に比べると随分小さいような気がした。
「いいえ、きっと気の所為よ……」
ミザリーはルイザに聞こえないよう小さな声で呟いたが、嫌な予感は消えなかった。
そしてそれが間違いではなかったとわかるのは、それからすぐのことだ。
「そこの馬車、止まれ!」
騎士の声が響いてルイザはビクッと体を震わせた。同じように体を震わせているミザリーと顔を見合わせる。
騎士に逆らうことなどできず、馬車は速度を落としてやがて止まった。
「ーー何事ですか」
騎士が近づく気配を感じてミザリーがカーテンを開け、窓を半分開けた。
ここでコソコソしている方が要らぬ疑いを持たれるだろう。ルイザはお忍びで国王に会おうとしているだけで、犯罪を犯したわけではないのだ。
「突然申し訳ありません。ご存知だとは思いますが、本日陛下が外出されます。出立の時間が近づいていますので、警戒を強化しています。ご協力下さい」
話しかけてきたのは柔らかで少し軽薄な感じのする騎士だった。馬車を止めた騎士は御者と話をしている。
彼らに剣呑な雰囲気はなく、ただ職務として鳳凰の宮へ近づく馬車を確認しているだけのようだ。
「失礼ですが、どちらの侍女殿ですか?」
「私たちは百合の宮の者です。妃殿下の指示で少し買い物に……」
鳳凰の宮へ行くと言わなかったのはとっさの判断だった。この騎士たちがついてくるわけではないのでこの先門を潜ってもわからないだろうと思ったからだ。
騎士は「百合の宮……?」と小さく呟いた後、馬車についた百合の宮の紋章を見てやっと合点がいったようだ。百合の宮の紋章を見慣れていないのだろう。
「そちらの方も百合の宮の方ですね?」
覗き込まれてルイザの肩が跳ねる。
見つかったーーと思ったけれど、ルイザと目を合わせた騎士の表情が変わることはなかった。
「早めに王宮を抜けられた方が良いですよ。出立の準備が整いましたらこの辺りはしばらく通れなくなりますので。お戻りも昼を過ぎてからの方が良いでしょう」
出発時刻が近づけば安全の為に辺り一帯を封鎖する。封鎖が解除されるまでは誰も立ち入れなくなるのでその時間を避けるように言っているのだ。
それは侍女に間違いなく対する忠告で、ルイザが側妃だと気付いた様子はなかった。この騎士は側妃の顔を知らないのだ。
複雑に思いながらも安堵したのも束の間、騎士から信じられない言葉が聞こえた。
「ですが陛下は妃殿下と離れ難いらしく、長々と別れを惜しんでおられますのでまだ当分掛かるかもしれませんね。お戻りも夕方の方がよろしいかもしれません」
「え………っ?!」
ルイザは驚いて声を上げた。
カールは出発前にエリザベートの元を訪れているのか。
外出することさえ人伝に聞かされたルイザとは大きな違いだ。
悔しさがこみ上げてくるが、同時に焦りも湧いてくる。カールが鳳凰の宮に戻るまで何処かで時間を稼がなくてはならないのだ。
門前からまだ距離のあるこの場所でさえこんなに厳しく巡回しているのに、人目につかずに時間を潰せる場所なんてあるのだろうか。
「陛下は、薔薇の宮にいらっしゃるのですか……?」
焦るルイザの耳にミザリーの声が聞こえてくる。
ミザリーも同じ不安を抱えているのだとそちらを見れば、どこか思い詰めたような顔をしていた。
「え?そうですよ」
騎士はミザリーの言葉に当然のことのように答える。
なぜそんなことを訊かれるのか不思議そうな顔をしていた。
「鳳凰の宮へはいつ頃お戻りに……?」
「鳳凰の宮?何故鳳凰の宮へ?特にお戻りになるような用事はないと思いますが……」
ルイザは騎士が何を言っているのかわからなかった。
鳳凰の宮はいわばカールの家だろう。
家に帰るのにどんな用事が必要なのか。
だいたいカールはもうすぐ出立するはずで、それが大きな理由だろう。
鳳凰の宮へ戻らなければ外出できなーーー。
「………陛下は薔薇の宮でお暮らしになっているのでしょうか」
「そうですよ。………知らなかったのですか?」
「っ?!」
ルイザは信じられない言葉に弾かれたように顔を上げた。
その表情を見て、騎士は「そちらの方も?」と目を瞬かせる。その様子を見ると、王宮では誰もが知っていて当然のことのようだ。
「私たちは……、ヴィラント伯爵家から来た者なので」
ミザリーの言葉に騎士は「あ~、そうなんですね……」と視線を逸らす。
不穏な空気を感じ取ったのか御者と話していたはずの騎士が「おい!余計なことを話すな!」と怒鳴り、騎士は気不味そうに離れていった。
やがて馬車が再び動き出す。
その直前、御者から「予定通りでよろしいですか」と訊かれたルイザは、そのまま王宮を抜けて王都へ出るよう伝えた。
薔薇の宮へ乗り込むような勇気はない。
仲睦まじい二人を見せつけられて惨めになるだけだ。
エリザベートの前で忌々しそうに睨まれるのも、存在しない者のように無視されるのも耐えられない。
それならば騎士に告げたように王都へ出て時間を潰して帰るしかない。
御者には騎士とミザリーの会話が聞こえていたはずだ。
だけど御者に驚いている様子はない。つまり御者もカールが薔薇の宮で暮らしていることを知っていたのだ。
鳳凰の宮へ行きたいと言うルイザを御者が止めようとしていた理由がわかった。
そしてそれを知らなかったのがルイザとミザリーだけだったということも。
王宮にルイザの味方はいない。
それを思い知った出来事だったーーーー。
人目を盗んで外出する為、側妃用の馬車が使えないのはルイザにもわかっている。それに侍女が使う馬車といってもヴィラント伯爵家の馬車に比べれば随分立派で華やかな馬車なのだ。不満などあるはずがなく、人気が無いことを確認すると急いで馬車へ乗り込んだ。
馬車は順調に進んでいた。
百合の宮の敷地を出るまでは何度か人とすれ違うこともあったが、侍女が行き来することは珍しくないので特段疑われることもなかった。特に今日は皆忙しくバタバタしているので、その中の一人と思われたのだろう。
それでも姿を見られてはすぐにわかってしまうので、ルイザは座席に深く座って外から見えないように身を隠していた。
そうしている内に馬車はどんどんと進み、人のざわめきが聞こえるようになってきた。
これまでは時々すれ違う巡回の騎士の声しか聞こえなかったことを思えば鳳凰の宮に近づいてきたということなのだろう。
その考えは正しかったらしく、カーテンを細く開いて外を確認していたミザリーが頷いた。
「桔梗の宮を通り過ぎたようです。まもなく鳳凰の宮が見えてくるでしょう」
桔梗の宮とは薔薇の宮の次に鳳凰の宮から近い宮殿だ。
そこを通り過ぎたということは、右側に広がる森は既に鳳凰の宮の敷地だろう。左側は薔薇の宮の敷地である。
「そう……。もうすぐね」
近づいてきたといっても鳳凰の宮の敷地は広い。宮殿が見えるまではまだしばらく掛かるだろう。
それでもルイザは体の底からじわじわと緊張してくるのを感じていた。カールの気を引くための重要な一手なのだ。
そんなルイザは気がついていなかったが、向かいに座るミザリーは奇妙な顔をしていた。
ミザリーが気がついたのだ。
鳳凰の宮は右側にある。だけど人の声や馬の嘶きが多く聞こえているのは左側だ。右側から声が聞こえないわけではないが、左側に比べると随分小さいような気がした。
「いいえ、きっと気の所為よ……」
ミザリーはルイザに聞こえないよう小さな声で呟いたが、嫌な予感は消えなかった。
そしてそれが間違いではなかったとわかるのは、それからすぐのことだ。
「そこの馬車、止まれ!」
騎士の声が響いてルイザはビクッと体を震わせた。同じように体を震わせているミザリーと顔を見合わせる。
騎士に逆らうことなどできず、馬車は速度を落としてやがて止まった。
「ーー何事ですか」
騎士が近づく気配を感じてミザリーがカーテンを開け、窓を半分開けた。
ここでコソコソしている方が要らぬ疑いを持たれるだろう。ルイザはお忍びで国王に会おうとしているだけで、犯罪を犯したわけではないのだ。
「突然申し訳ありません。ご存知だとは思いますが、本日陛下が外出されます。出立の時間が近づいていますので、警戒を強化しています。ご協力下さい」
話しかけてきたのは柔らかで少し軽薄な感じのする騎士だった。馬車を止めた騎士は御者と話をしている。
彼らに剣呑な雰囲気はなく、ただ職務として鳳凰の宮へ近づく馬車を確認しているだけのようだ。
「失礼ですが、どちらの侍女殿ですか?」
「私たちは百合の宮の者です。妃殿下の指示で少し買い物に……」
鳳凰の宮へ行くと言わなかったのはとっさの判断だった。この騎士たちがついてくるわけではないのでこの先門を潜ってもわからないだろうと思ったからだ。
騎士は「百合の宮……?」と小さく呟いた後、馬車についた百合の宮の紋章を見てやっと合点がいったようだ。百合の宮の紋章を見慣れていないのだろう。
「そちらの方も百合の宮の方ですね?」
覗き込まれてルイザの肩が跳ねる。
見つかったーーと思ったけれど、ルイザと目を合わせた騎士の表情が変わることはなかった。
「早めに王宮を抜けられた方が良いですよ。出立の準備が整いましたらこの辺りはしばらく通れなくなりますので。お戻りも昼を過ぎてからの方が良いでしょう」
出発時刻が近づけば安全の為に辺り一帯を封鎖する。封鎖が解除されるまでは誰も立ち入れなくなるのでその時間を避けるように言っているのだ。
それは侍女に間違いなく対する忠告で、ルイザが側妃だと気付いた様子はなかった。この騎士は側妃の顔を知らないのだ。
複雑に思いながらも安堵したのも束の間、騎士から信じられない言葉が聞こえた。
「ですが陛下は妃殿下と離れ難いらしく、長々と別れを惜しんでおられますのでまだ当分掛かるかもしれませんね。お戻りも夕方の方がよろしいかもしれません」
「え………っ?!」
ルイザは驚いて声を上げた。
カールは出発前にエリザベートの元を訪れているのか。
外出することさえ人伝に聞かされたルイザとは大きな違いだ。
悔しさがこみ上げてくるが、同時に焦りも湧いてくる。カールが鳳凰の宮に戻るまで何処かで時間を稼がなくてはならないのだ。
門前からまだ距離のあるこの場所でさえこんなに厳しく巡回しているのに、人目につかずに時間を潰せる場所なんてあるのだろうか。
「陛下は、薔薇の宮にいらっしゃるのですか……?」
焦るルイザの耳にミザリーの声が聞こえてくる。
ミザリーも同じ不安を抱えているのだとそちらを見れば、どこか思い詰めたような顔をしていた。
「え?そうですよ」
騎士はミザリーの言葉に当然のことのように答える。
なぜそんなことを訊かれるのか不思議そうな顔をしていた。
「鳳凰の宮へはいつ頃お戻りに……?」
「鳳凰の宮?何故鳳凰の宮へ?特にお戻りになるような用事はないと思いますが……」
ルイザは騎士が何を言っているのかわからなかった。
鳳凰の宮はいわばカールの家だろう。
家に帰るのにどんな用事が必要なのか。
だいたいカールはもうすぐ出立するはずで、それが大きな理由だろう。
鳳凰の宮へ戻らなければ外出できなーーー。
「………陛下は薔薇の宮でお暮らしになっているのでしょうか」
「そうですよ。………知らなかったのですか?」
「っ?!」
ルイザは信じられない言葉に弾かれたように顔を上げた。
その表情を見て、騎士は「そちらの方も?」と目を瞬かせる。その様子を見ると、王宮では誰もが知っていて当然のことのようだ。
「私たちは……、ヴィラント伯爵家から来た者なので」
ミザリーの言葉に騎士は「あ~、そうなんですね……」と視線を逸らす。
不穏な空気を感じ取ったのか御者と話していたはずの騎士が「おい!余計なことを話すな!」と怒鳴り、騎士は気不味そうに離れていった。
やがて馬車が再び動き出す。
その直前、御者から「予定通りでよろしいですか」と訊かれたルイザは、そのまま王宮を抜けて王都へ出るよう伝えた。
薔薇の宮へ乗り込むような勇気はない。
仲睦まじい二人を見せつけられて惨めになるだけだ。
エリザベートの前で忌々しそうに睨まれるのも、存在しない者のように無視されるのも耐えられない。
それならば騎士に告げたように王都へ出て時間を潰して帰るしかない。
御者には騎士とミザリーの会話が聞こえていたはずだ。
だけど御者に驚いている様子はない。つまり御者もカールが薔薇の宮で暮らしていることを知っていたのだ。
鳳凰の宮へ行きたいと言うルイザを御者が止めようとしていた理由がわかった。
そしてそれを知らなかったのがルイザとミザリーだけだったということも。
王宮にルイザの味方はいない。
それを思い知った出来事だったーーーー。
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