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三、だれ?(1)
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「学校の図書館か、公園の図書館か……」
「どちらから探せばいいと思う?」
学校の中にある図書館は、私たちが帰ったあとでも下校時間になるまで貸出をしている。一方、公園の近くにある市立の大きな図書館は学校の図書館よりも遅い時間まで開いているけども、本も人も多くて一冊の題名も知らない本を探すのは学校の図書館よりもとても大変。
「二手に分かれたら? よく漫画でも二手に分かれて探すじゃん」
ゴローちゃんの提案通り、二手に分かれるのが一番効率はいいと思うけど……。
「ドアトントンがいつ現れるかもわからないし、なるべく三人の間にドアがない状態で動いた方がいいと俺は思う」
「そうだね。なにかわかって二人に告げようにも、ドアトントンに伝える途中で会っちゃうと、ドアを開けられないから伝えられなくなっちゃうかもしれないもんね」
「ククの言うとおりだ。ゴロー、納得してくれるか?」
「うーん。でも、そんなんじゃ今日中に探し出すのが難しくない? 探しきれなかったらどうするの?」
確かにゴローちゃんの言うように、一冊の本を探しだすのは時間もかかるし、今回みたいにどちらかにあるかわからない状態で、もしない方を探してしまったらとてもじゃないが一日では探しきれないだろう。
「そうなった場合は素直に諦めて自分たちの家に帰る、だな。改めて明日探すしかないだろ?」
「えっ!?」
「か、帰るのっ!?」
正直、三人で誰かの家に泊まるとか思っていたけど……。
「当たり前だろ。事情を知らない大人たちはハッチが誘拐されたとか、どこかで迷子になっていると思ってる。ドアトントンっておばけに連れていかれたと言っても、誰も信じるわけがないだろ? こんな状態で俺たちがどこかに泊まるとか言っても、誰の親だって許してくれるわけないだろ」
流石、いつも冷静なムツ君だ。
そうだよね。きっとうちのパパもママも許してくれないし、ハッチの弟であるゴローちゃんなんてもっともっと許してもらえないよ。
「でも、ドアトントンが家に来たら……?」
不安そうな顔でゴローちゃんがムツ君を見つめる。
三人だと心強いけど、私だって一人になったら心細い。
「そうだな。決して叩かれたドアは開けないこと。ドアトントンにドアをトントンされても、誰になにを言われても絶対にドアを開けない。このルールさえ守れば、連れていかれることはない」
誰に……。
「ナナの時はハッチの声の真似をされていた。次は誰の真似をしてくるかはわからない。俺たちの中の誰かや、親や友達の声真似をしてくる可能性だってある。」
そうだ。玄関の向こうにハッチがいるとムツ君が靴の存在を教えてくれるまで私も信じてしまいそうになっていた。
ドアトントンは誰かの声を借りられる。
きっとハッチも誰かの声に呼ばれて、開けてしまったんだろう。
「だから誰の声でも駄目だ。もし、二人が帰った後に俺が、二人の玄関のドアを叩いて『ドアトントンの秘密がわかった!』や『ドアトントンを倒したぞ!』と言っても、決して開けちゃダメだ。俺も二人が助けてくれと叫んでても絶対にドアは開けない。二人も一緒だ。出来るな?」
私とゴローちゃんは目を合わし、力強く頷いた。
絶対にドアはあけない。
これぐらいなら、私にも出来るはず。
ゴローちゃんにもと思ったら、彼は不思議そうな顔して口を開いた。
「あ、でも本当に助けてほしい時はどうすればいいんだ?」
ゴローちゃんの言葉に私は首をかしげる。それって。
「どういうこと?」
「だって、オレが助けてって二人の家の玄関のドアをドンドン叩いても二人ともあけてくれないってことだろ?」
あ、確かに……。
偽物か本物かなんて二人にはわからないけど、今ドアトントンに狙われている私たちは誰かに助けをいつ求めても不思議じゃない状況だもの。そんな時、偽物だと思われるのも、本物を偽物だと思って助けずにいるのも嫌だ。
「うーん。電話を事前にかけるとか?」
「タイミングが悪いと、無条件で開けちゃわないか?」
「助けてって思っているのにのんきに電話をかけられるわけがないよ。オレ、二人と違ってスマホ持ってないし」
「私も習いごとの時しか持たしてもらえないから、ドアトントンから逃げている途中に電話ってなると難しいかも」
家の電話や逃げている途中で公衆電話に入るしかないけども、公衆電話なんて駅前とかしかないからそこまで逃げきれる自信もない。
「俺だって塾とかしか使えないよ。そうだな……。うーん」
本人かどうかの確認……。
あっ。
「合言葉でも決めておくのはどうかな?」
ゴローちゃんが漫画の話をしていたので思いついたのだけど、よく物語の仲間たちは自分たちだけの秘密の合言葉を持っていることが多いでしょ? 仲間しか知らない言葉なら、ドアトントンだってわからないはずじゃない?
我ながら中々いい案かもっ。
「おお、いいなっ! ククにしてはいい案だぜっ!」
「もうっ。『にしては』は失礼だよっ」
「そうだな。合言葉を決めておこうか。でも、『赤』とか『ボール』とか『図書館』とか偶然出る言葉だと意味ないよな」
「でも、山と言えば川を返すみたいな合言葉だと、もし相手がドアトントンだった場合に私たちがいるって教えちゃうから良くないよね?」
「なら、オレたちで言葉を作ればいいじゃん。オレたちの名前をあわせて『ムクゴ』なんてどう?」
「ムクゴ?」
「そ。本当はさ、ゴラスベドッタラッタムって思ったんだけど、作ったオレもそんなに難しいと忘れちゃいそうでさ。オレたち三人の頭文字なら忘れないだろ?」
「そうだね。いい案だと私も思う」
意味がない言葉って、覚えにくいよね。それが長くなればなるほど。さっきゴローちゃんが言ってたゴスペド……、なんだっけ? 聞いたばかりなのにすぐに忘れちゃっているのがいい証拠だよ。
「確かに聞いたことがない単語だけど……。でも、ムクゴって聞き間違いしそうじゃないか? 聞き取る自信が俺にはないかも……」
うーん。ムツ君が言うように、突然ムクゴって叫ばれても私も聞き取れないかも。むしろ、違う言葉を叫んでいたのに聞き間違えてムクゴっ!? って開けちゃうような気がしてきた。
でも、ムクゴは覚えやすくていい案だし……。
あっ、そうだっ。
「私、いい案を思いついたかもっ」
「いい案?」
「どんな案?」
「助けての代わりに、ムクゴを使うの。突然ムクゴっ! て、叫ばれても、私も聞き間違うかもしれないし、聞き取れないかもしれない。けど、助けての代わりに使うなら、ゴローちゃんっ! ムツ君っ! ムクゴ! ムクゴっ! と、何回も叫ばない? ただの合言葉だと一回しか言わないけど、助けてに置き換えれば言いやすいんじゃないかなって」
「名案じゃないか、ククっ」
そう言ってムツ君は私を褒めてくれた。
それがなんだか、少しだけ私もムツ君の隣に立てるぐらい大人っぽくなったような気がしてきた。
「よしっ。合言葉も決まったし、図書館に行こう。学校の図書館よりも公園の図書館の方が近いから、まずはそっちに行ってみないか?」
ムツ君の提案に、私もゴローちゃんも頷いた。
公園の近くにある図書館は、私たちの家と学校の真ん中ぐらいにある。時間もそんなにないし、近い方からで問題ないよね。
「図書館の入り口のドアはこの時期全部開いているから、ドアトントンの心配はないよ」
「そうだな。ドアがない場所なら一人ひとりに分かれても大丈夫そうだな」
「一人ひとり?」
「うん。三人で一緒に本を探すのは効率が悪いと思わない?」
「でも、一人で探すのには無理がある広さと量だよ?」
「だから、探し方を三つに分けようと思って」
「探し方?」
どういうことだろう?
「ククは妖怪の本があるところでナナが借りた本を探してくれ。よく図書館に行くククが一番本の場所に詳しいから。俺は図書館のインターネットコーナーのパソコンで、ドアトントンについて調べてみる。もし本がみつからなくてもインターネットになにか書いてあるかもしれないから」
「オレはっ!?」
「ゴローは一番重要で難しい方法をお願いしたい」
「なになに!?」
「図書館の人を探して、ドアトントンのことを聞いてほしい。どんな本に載っているか、昔話で聞いたことはないか、色々な話をゴローに聞きだして欲しいんだ。説明も難しいが、出来るか?」
「もちろんっ! まかせてっ」
胸を叩くゴローちゃんは、とても力強くていつものゴローちゃんよりもかっこよく見えた。
私も、負けてられない。
「私も、任せてっ!」
読書が好きな私は、図書館に毎週三回通っているんだもん。きっと、ゴローちゃんやムツ君が調べてくれた本を誰よりも早く探せられるはず。
「行くぞ、図書館に」
私たちは図書館へと足早に家を出た。
勿論、ハッチのママやパパにはハッチを私たちも探すとお手紙をテーブルの上へ残したし、玄関の鍵もばっちり。
待っていてね、ハッチ。絶対に私たちが助けるからねっ。
「どちらから探せばいいと思う?」
学校の中にある図書館は、私たちが帰ったあとでも下校時間になるまで貸出をしている。一方、公園の近くにある市立の大きな図書館は学校の図書館よりも遅い時間まで開いているけども、本も人も多くて一冊の題名も知らない本を探すのは学校の図書館よりもとても大変。
「二手に分かれたら? よく漫画でも二手に分かれて探すじゃん」
ゴローちゃんの提案通り、二手に分かれるのが一番効率はいいと思うけど……。
「ドアトントンがいつ現れるかもわからないし、なるべく三人の間にドアがない状態で動いた方がいいと俺は思う」
「そうだね。なにかわかって二人に告げようにも、ドアトントンに伝える途中で会っちゃうと、ドアを開けられないから伝えられなくなっちゃうかもしれないもんね」
「ククの言うとおりだ。ゴロー、納得してくれるか?」
「うーん。でも、そんなんじゃ今日中に探し出すのが難しくない? 探しきれなかったらどうするの?」
確かにゴローちゃんの言うように、一冊の本を探しだすのは時間もかかるし、今回みたいにどちらかにあるかわからない状態で、もしない方を探してしまったらとてもじゃないが一日では探しきれないだろう。
「そうなった場合は素直に諦めて自分たちの家に帰る、だな。改めて明日探すしかないだろ?」
「えっ!?」
「か、帰るのっ!?」
正直、三人で誰かの家に泊まるとか思っていたけど……。
「当たり前だろ。事情を知らない大人たちはハッチが誘拐されたとか、どこかで迷子になっていると思ってる。ドアトントンっておばけに連れていかれたと言っても、誰も信じるわけがないだろ? こんな状態で俺たちがどこかに泊まるとか言っても、誰の親だって許してくれるわけないだろ」
流石、いつも冷静なムツ君だ。
そうだよね。きっとうちのパパもママも許してくれないし、ハッチの弟であるゴローちゃんなんてもっともっと許してもらえないよ。
「でも、ドアトントンが家に来たら……?」
不安そうな顔でゴローちゃんがムツ君を見つめる。
三人だと心強いけど、私だって一人になったら心細い。
「そうだな。決して叩かれたドアは開けないこと。ドアトントンにドアをトントンされても、誰になにを言われても絶対にドアを開けない。このルールさえ守れば、連れていかれることはない」
誰に……。
「ナナの時はハッチの声の真似をされていた。次は誰の真似をしてくるかはわからない。俺たちの中の誰かや、親や友達の声真似をしてくる可能性だってある。」
そうだ。玄関の向こうにハッチがいるとムツ君が靴の存在を教えてくれるまで私も信じてしまいそうになっていた。
ドアトントンは誰かの声を借りられる。
きっとハッチも誰かの声に呼ばれて、開けてしまったんだろう。
「だから誰の声でも駄目だ。もし、二人が帰った後に俺が、二人の玄関のドアを叩いて『ドアトントンの秘密がわかった!』や『ドアトントンを倒したぞ!』と言っても、決して開けちゃダメだ。俺も二人が助けてくれと叫んでても絶対にドアは開けない。二人も一緒だ。出来るな?」
私とゴローちゃんは目を合わし、力強く頷いた。
絶対にドアはあけない。
これぐらいなら、私にも出来るはず。
ゴローちゃんにもと思ったら、彼は不思議そうな顔して口を開いた。
「あ、でも本当に助けてほしい時はどうすればいいんだ?」
ゴローちゃんの言葉に私は首をかしげる。それって。
「どういうこと?」
「だって、オレが助けてって二人の家の玄関のドアをドンドン叩いても二人ともあけてくれないってことだろ?」
あ、確かに……。
偽物か本物かなんて二人にはわからないけど、今ドアトントンに狙われている私たちは誰かに助けをいつ求めても不思議じゃない状況だもの。そんな時、偽物だと思われるのも、本物を偽物だと思って助けずにいるのも嫌だ。
「うーん。電話を事前にかけるとか?」
「タイミングが悪いと、無条件で開けちゃわないか?」
「助けてって思っているのにのんきに電話をかけられるわけがないよ。オレ、二人と違ってスマホ持ってないし」
「私も習いごとの時しか持たしてもらえないから、ドアトントンから逃げている途中に電話ってなると難しいかも」
家の電話や逃げている途中で公衆電話に入るしかないけども、公衆電話なんて駅前とかしかないからそこまで逃げきれる自信もない。
「俺だって塾とかしか使えないよ。そうだな……。うーん」
本人かどうかの確認……。
あっ。
「合言葉でも決めておくのはどうかな?」
ゴローちゃんが漫画の話をしていたので思いついたのだけど、よく物語の仲間たちは自分たちだけの秘密の合言葉を持っていることが多いでしょ? 仲間しか知らない言葉なら、ドアトントンだってわからないはずじゃない?
我ながら中々いい案かもっ。
「おお、いいなっ! ククにしてはいい案だぜっ!」
「もうっ。『にしては』は失礼だよっ」
「そうだな。合言葉を決めておこうか。でも、『赤』とか『ボール』とか『図書館』とか偶然出る言葉だと意味ないよな」
「でも、山と言えば川を返すみたいな合言葉だと、もし相手がドアトントンだった場合に私たちがいるって教えちゃうから良くないよね?」
「なら、オレたちで言葉を作ればいいじゃん。オレたちの名前をあわせて『ムクゴ』なんてどう?」
「ムクゴ?」
「そ。本当はさ、ゴラスベドッタラッタムって思ったんだけど、作ったオレもそんなに難しいと忘れちゃいそうでさ。オレたち三人の頭文字なら忘れないだろ?」
「そうだね。いい案だと私も思う」
意味がない言葉って、覚えにくいよね。それが長くなればなるほど。さっきゴローちゃんが言ってたゴスペド……、なんだっけ? 聞いたばかりなのにすぐに忘れちゃっているのがいい証拠だよ。
「確かに聞いたことがない単語だけど……。でも、ムクゴって聞き間違いしそうじゃないか? 聞き取る自信が俺にはないかも……」
うーん。ムツ君が言うように、突然ムクゴって叫ばれても私も聞き取れないかも。むしろ、違う言葉を叫んでいたのに聞き間違えてムクゴっ!? って開けちゃうような気がしてきた。
でも、ムクゴは覚えやすくていい案だし……。
あっ、そうだっ。
「私、いい案を思いついたかもっ」
「いい案?」
「どんな案?」
「助けての代わりに、ムクゴを使うの。突然ムクゴっ! て、叫ばれても、私も聞き間違うかもしれないし、聞き取れないかもしれない。けど、助けての代わりに使うなら、ゴローちゃんっ! ムツ君っ! ムクゴ! ムクゴっ! と、何回も叫ばない? ただの合言葉だと一回しか言わないけど、助けてに置き換えれば言いやすいんじゃないかなって」
「名案じゃないか、ククっ」
そう言ってムツ君は私を褒めてくれた。
それがなんだか、少しだけ私もムツ君の隣に立てるぐらい大人っぽくなったような気がしてきた。
「よしっ。合言葉も決まったし、図書館に行こう。学校の図書館よりも公園の図書館の方が近いから、まずはそっちに行ってみないか?」
ムツ君の提案に、私もゴローちゃんも頷いた。
公園の近くにある図書館は、私たちの家と学校の真ん中ぐらいにある。時間もそんなにないし、近い方からで問題ないよね。
「図書館の入り口のドアはこの時期全部開いているから、ドアトントンの心配はないよ」
「そうだな。ドアがない場所なら一人ひとりに分かれても大丈夫そうだな」
「一人ひとり?」
「うん。三人で一緒に本を探すのは効率が悪いと思わない?」
「でも、一人で探すのには無理がある広さと量だよ?」
「だから、探し方を三つに分けようと思って」
「探し方?」
どういうことだろう?
「ククは妖怪の本があるところでナナが借りた本を探してくれ。よく図書館に行くククが一番本の場所に詳しいから。俺は図書館のインターネットコーナーのパソコンで、ドアトントンについて調べてみる。もし本がみつからなくてもインターネットになにか書いてあるかもしれないから」
「オレはっ!?」
「ゴローは一番重要で難しい方法をお願いしたい」
「なになに!?」
「図書館の人を探して、ドアトントンのことを聞いてほしい。どんな本に載っているか、昔話で聞いたことはないか、色々な話をゴローに聞きだして欲しいんだ。説明も難しいが、出来るか?」
「もちろんっ! まかせてっ」
胸を叩くゴローちゃんは、とても力強くていつものゴローちゃんよりもかっこよく見えた。
私も、負けてられない。
「私も、任せてっ!」
読書が好きな私は、図書館に毎週三回通っているんだもん。きっと、ゴローちゃんやムツ君が調べてくれた本を誰よりも早く探せられるはず。
「行くぞ、図書館に」
私たちは図書館へと足早に家を出た。
勿論、ハッチのママやパパにはハッチを私たちも探すとお手紙をテーブルの上へ残したし、玄関の鍵もばっちり。
待っていてね、ハッチ。絶対に私たちが助けるからねっ。
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