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二、遊んで、遊んで(2)
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ハッチの家に着いた時、見上げたハッチの部屋には今も夜みたいに深い色のカーテンが閉まったままだった。まるで、まだハッチがその部屋で寝ているように。
ハッチの家のインターホンのボタンを押すと、出てきたのはハッチのお母さんではなく、ゴローちゃんだった。
目を真っ赤にして泣きつかれた様子で、私とムツ君に抱き着いてきた。
「おばさんと、おじさんは?」
ナナが問いかけると、ゴローちゃんは首を振る。
どうやらいないみたい。きっと、ハッチを探しに行っているんだ。
「ゴローちゃん、ハッチはどうしたの?」
恐る恐るナナが聞くと、ゴローちゃんの目に見る見る涙が溜まっていく。
「ねぇちゃん、朝に突然いなくなって……、そんで……」
頑張って説明しようすればするほど、涙が溢れ出しちゃうみたい。
「ねぇ、ちょっと家の中に入って座らせてあげた方が良くない?」
「そうだね。ゴローちゃん、急がなくていいよ。家の中入ろうよ」
私がナナの言葉に頷くと、ムツ君が優しくゴローちゃんの背中を摩りながら玄関の中へ促してくれた。
ゴローちゃんは泣いているけど、しっかりとムツ君の優しさに導かれるように廊下に座る。いつもなら私たちが遊びに行くとハッチの部屋に迷わずあがるのだけど、今だけは勝手に部屋に上がるのはダメだとムツ君もナナも、私も思った。
ゴローちゃんも同じ気持ちなのか、履いたサンダルを脱ごうともしない。
その隣で、ムツ君が何も言わずにずっとゴローちゃんの背中を撫ぜてあげていた。
きっと、ゴローちゃんにとってはムツ君の手が、今はなによりも心強いんだろう。
ゴローちゃんにとってムツ君は憧れのお兄さんだ。いつもべったりしているのはそのせい。確かにムツ君って同級生と比べても落ち着いていて大人っぽいもんね。ハッチ以外には優しいし、クラス内外でも女の子にも男の子にも人気があるんだよ。
私も、実は少し憧れているんだよ。
私の怖いものが嫌いなところとか、すぐに驚いたりして落ち着いてないところとか、ムツ君はいつもさりげなく助けてくれたり庇ったりしたりしてくれる。私はいつもフォローされてばかりだからいつか、ムツ君みたいなクールでかっこいい大人っぽい感じになりたいの。
今みたいに、困っている、悲しんでいる、怖がっている誰かを私も安心させられる人になりたいから。
「姉ちゃん、いなくなったんだ……」
私たちが玄関のドアを潜って十数分経ったぐらいだろうか? ゴローちゃんがゆっくりと話し始めた。
「昨日、姉ちゃんが自分の部屋に入るときオレも一緒にいたんだよ。オレ、実はあの学校で呼んだお化けが怖くて、お母さんとお父さんと一緒に寝させてもらったんだ。姉ちゃんは平気だって自分の部屋で寝るって部屋に入るところ、オレは見たんだ……」
「朝起きたら、そのままハッチがいなくなってたってこと……?」
私は思わず自分を抱きしめる様に腕を閉めた。
チラリとムツ君を盗み見る。
わかっている。私は今、とっても最低なことを考えているの、自分でもわかっているの。ムツ君に怒られて謝ったばかりなのに。
でも、でも、でも。
なんでゴローちゃんはこんなにも怯えているの?
なんでハッチは夜中に消えたの?
なんで家にいないはずのハッチの靴がこの玄関にあるままなの?
なんでゴローちゃんは言わないの?
あの音が聞こえたって……。
「……ねえ、ハッチの部屋からもしかして音が聞こえたんじゃない?」
ナナが私の言いたいことを代弁するかのように口を開いた。
「ナナっ! お前ゴローの気持ちもっ!」
「わかるよっ! けど、わかるけど私たちだって他人事じゃないことぐらい、そっちだってわかるでしょ! だって、おかしいでしょっ! なんでゴローはこんなにも怖がっているのっ!? 本当は薄々自分だって思ってるんでしょ!?」
「それは……っ」
「不謹慎かもしれないし、優しくないかもしれない。けど、私だって面白おかしく聞いてるわけじゃないっ。ねぇ、ゴローっ、教えて! 昨日、お姉ちゃんの部屋からなにか音が聞こえてきたんじゃないの……?」
ナナの真剣な声にゴローちゃんは答えに困ってムツ君を見るけど、ムツ君はナナの言葉に何も言えないのか顔を上げずゴローちゃんの視線には一言も答えてくれなかった。それは冷たさよりも、ゴローちゃんの気持ちに委ねたいとの思いにも見えた。
次にゴローちゃんは頼りなく、私を見る。
私は、ムツ君やハッチみたいに強くないし、ナナみたいにまっすぐにもなれない。
ずるくて弱い、臆病な人間だ。
だから私はゴローちゃんの手をぎゅっと握る。
「怖いこと言いたくないよね。わかるよ」
私はなにも出来ない。
けど、ゴローちゃんの気持ちなら誰よりも知っている、わかっている。だって、私もゴローちゃんと一緒で怖がり屋だもん。
言って、言わないで。私にはどちらがいいのかわからない。
勿論、ナナみたいに聞かなきゃいけないことだと思う。けど、ムツ君のようにゴローちゃんを傷つけたいわけじゃない。一番傷ついているのはお姉ちゃんであるハッチがいなくなっちゃったゴローちゃんなんだから。
なにもできないけど一緒にいるよと私が手を握り続けていると、ゴローちゃんはまるで決意を固めるように私の手をぎゅっと握ると、大きく口をあけた。
「……寝てる時に姉ちゃんの部屋の方からトントンってドアが叩かれてる音がした……、オレ、聞いたんだっ!」
私の手をぎゅっと握り返し、喉を震わせてゴローちゃんが言う。
それって……。
「本当に、ハッチはドアトントンにさらわれちゃったってこと……?」
ナナの言葉に、ゴローちゃんは震えながら頷いた。
「ドアが開くまでずっとトントン叩いてた……」
ゴローちゃんの言葉に私は思わず息を止めてしまった。
だって、本当にドアトントンがハッチを連れて行ってしまったって……。
わかっている、気になる、そう思うってずっと言ってきたけど、それは私の本心じゃなかったんだ。
私、きっと心のどこかでゴローちゃんが否定することを信じていたんだ……。
おばけなんていないって、ドアトントンなんていないって……。
自分の意気地のなさに涙が出そうになった時、ムツ君がゴローちゃんと私の間に入って来る。
え? どうしたの?
「おかしくないか? それなら、おばさんとおじさんだって気付くだろ? ゴローと同じ部屋にいたんだよな?」
「一緒に寝てたよ」
「だったらなんで、おばさんたちは……」
「ドアトントンの音は呼び出した人にしか聞こえないんだよ」
ナナの言葉にムツ君の眉間にしわが寄る。
「なんだって?」
嘘でしょ? そんな……。
「そうなんだよ、お母さんにもお父さんにもオレ、言ったよ。何度も言ったよ。けど、二人とも何も聞こえないって。何度も何度もトントントントン聞こえるのに……っ!」
ナナの言葉を肯定するようにゴローちゃんが必死に昨日の夜の情景を私たちに伝えようとしてくれるけど、出来ればそれは聞きたくなかった事実だった。
だって、呼び出した人、つまり私たち四人にしかドアトントンの音は聞こえない。
私は昨日の夜、微睡みの中で叩かれたドアの音を思い出す。
あの時、あの瞬間、恐怖に震えて誰かに助けを求めても、ママもパパも聞こえないから私に「気のせいよ」「大丈夫だよ」「おやすみなさい」と優しく言ってくれるだけだったかもしれないってこと?
ハッチの家のインターホンのボタンを押すと、出てきたのはハッチのお母さんではなく、ゴローちゃんだった。
目を真っ赤にして泣きつかれた様子で、私とムツ君に抱き着いてきた。
「おばさんと、おじさんは?」
ナナが問いかけると、ゴローちゃんは首を振る。
どうやらいないみたい。きっと、ハッチを探しに行っているんだ。
「ゴローちゃん、ハッチはどうしたの?」
恐る恐るナナが聞くと、ゴローちゃんの目に見る見る涙が溜まっていく。
「ねぇちゃん、朝に突然いなくなって……、そんで……」
頑張って説明しようすればするほど、涙が溢れ出しちゃうみたい。
「ねぇ、ちょっと家の中に入って座らせてあげた方が良くない?」
「そうだね。ゴローちゃん、急がなくていいよ。家の中入ろうよ」
私がナナの言葉に頷くと、ムツ君が優しくゴローちゃんの背中を摩りながら玄関の中へ促してくれた。
ゴローちゃんは泣いているけど、しっかりとムツ君の優しさに導かれるように廊下に座る。いつもなら私たちが遊びに行くとハッチの部屋に迷わずあがるのだけど、今だけは勝手に部屋に上がるのはダメだとムツ君もナナも、私も思った。
ゴローちゃんも同じ気持ちなのか、履いたサンダルを脱ごうともしない。
その隣で、ムツ君が何も言わずにずっとゴローちゃんの背中を撫ぜてあげていた。
きっと、ゴローちゃんにとってはムツ君の手が、今はなによりも心強いんだろう。
ゴローちゃんにとってムツ君は憧れのお兄さんだ。いつもべったりしているのはそのせい。確かにムツ君って同級生と比べても落ち着いていて大人っぽいもんね。ハッチ以外には優しいし、クラス内外でも女の子にも男の子にも人気があるんだよ。
私も、実は少し憧れているんだよ。
私の怖いものが嫌いなところとか、すぐに驚いたりして落ち着いてないところとか、ムツ君はいつもさりげなく助けてくれたり庇ったりしたりしてくれる。私はいつもフォローされてばかりだからいつか、ムツ君みたいなクールでかっこいい大人っぽい感じになりたいの。
今みたいに、困っている、悲しんでいる、怖がっている誰かを私も安心させられる人になりたいから。
「姉ちゃん、いなくなったんだ……」
私たちが玄関のドアを潜って十数分経ったぐらいだろうか? ゴローちゃんがゆっくりと話し始めた。
「昨日、姉ちゃんが自分の部屋に入るときオレも一緒にいたんだよ。オレ、実はあの学校で呼んだお化けが怖くて、お母さんとお父さんと一緒に寝させてもらったんだ。姉ちゃんは平気だって自分の部屋で寝るって部屋に入るところ、オレは見たんだ……」
「朝起きたら、そのままハッチがいなくなってたってこと……?」
私は思わず自分を抱きしめる様に腕を閉めた。
チラリとムツ君を盗み見る。
わかっている。私は今、とっても最低なことを考えているの、自分でもわかっているの。ムツ君に怒られて謝ったばかりなのに。
でも、でも、でも。
なんでゴローちゃんはこんなにも怯えているの?
なんでハッチは夜中に消えたの?
なんで家にいないはずのハッチの靴がこの玄関にあるままなの?
なんでゴローちゃんは言わないの?
あの音が聞こえたって……。
「……ねえ、ハッチの部屋からもしかして音が聞こえたんじゃない?」
ナナが私の言いたいことを代弁するかのように口を開いた。
「ナナっ! お前ゴローの気持ちもっ!」
「わかるよっ! けど、わかるけど私たちだって他人事じゃないことぐらい、そっちだってわかるでしょ! だって、おかしいでしょっ! なんでゴローはこんなにも怖がっているのっ!? 本当は薄々自分だって思ってるんでしょ!?」
「それは……っ」
「不謹慎かもしれないし、優しくないかもしれない。けど、私だって面白おかしく聞いてるわけじゃないっ。ねぇ、ゴローっ、教えて! 昨日、お姉ちゃんの部屋からなにか音が聞こえてきたんじゃないの……?」
ナナの真剣な声にゴローちゃんは答えに困ってムツ君を見るけど、ムツ君はナナの言葉に何も言えないのか顔を上げずゴローちゃんの視線には一言も答えてくれなかった。それは冷たさよりも、ゴローちゃんの気持ちに委ねたいとの思いにも見えた。
次にゴローちゃんは頼りなく、私を見る。
私は、ムツ君やハッチみたいに強くないし、ナナみたいにまっすぐにもなれない。
ずるくて弱い、臆病な人間だ。
だから私はゴローちゃんの手をぎゅっと握る。
「怖いこと言いたくないよね。わかるよ」
私はなにも出来ない。
けど、ゴローちゃんの気持ちなら誰よりも知っている、わかっている。だって、私もゴローちゃんと一緒で怖がり屋だもん。
言って、言わないで。私にはどちらがいいのかわからない。
勿論、ナナみたいに聞かなきゃいけないことだと思う。けど、ムツ君のようにゴローちゃんを傷つけたいわけじゃない。一番傷ついているのはお姉ちゃんであるハッチがいなくなっちゃったゴローちゃんなんだから。
なにもできないけど一緒にいるよと私が手を握り続けていると、ゴローちゃんはまるで決意を固めるように私の手をぎゅっと握ると、大きく口をあけた。
「……寝てる時に姉ちゃんの部屋の方からトントンってドアが叩かれてる音がした……、オレ、聞いたんだっ!」
私の手をぎゅっと握り返し、喉を震わせてゴローちゃんが言う。
それって……。
「本当に、ハッチはドアトントンにさらわれちゃったってこと……?」
ナナの言葉に、ゴローちゃんは震えながら頷いた。
「ドアが開くまでずっとトントン叩いてた……」
ゴローちゃんの言葉に私は思わず息を止めてしまった。
だって、本当にドアトントンがハッチを連れて行ってしまったって……。
わかっている、気になる、そう思うってずっと言ってきたけど、それは私の本心じゃなかったんだ。
私、きっと心のどこかでゴローちゃんが否定することを信じていたんだ……。
おばけなんていないって、ドアトントンなんていないって……。
自分の意気地のなさに涙が出そうになった時、ムツ君がゴローちゃんと私の間に入って来る。
え? どうしたの?
「おかしくないか? それなら、おばさんとおじさんだって気付くだろ? ゴローと同じ部屋にいたんだよな?」
「一緒に寝てたよ」
「だったらなんで、おばさんたちは……」
「ドアトントンの音は呼び出した人にしか聞こえないんだよ」
ナナの言葉にムツ君の眉間にしわが寄る。
「なんだって?」
嘘でしょ? そんな……。
「そうなんだよ、お母さんにもお父さんにもオレ、言ったよ。何度も言ったよ。けど、二人とも何も聞こえないって。何度も何度もトントントントン聞こえるのに……っ!」
ナナの言葉を肯定するようにゴローちゃんが必死に昨日の夜の情景を私たちに伝えようとしてくれるけど、出来ればそれは聞きたくなかった事実だった。
だって、呼び出した人、つまり私たち四人にしかドアトントンの音は聞こえない。
私は昨日の夜、微睡みの中で叩かれたドアの音を思い出す。
あの時、あの瞬間、恐怖に震えて誰かに助けを求めても、ママもパパも聞こえないから私に「気のせいよ」「大丈夫だよ」「おやすみなさい」と優しく言ってくれるだけだったかもしれないってこと?
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