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14.電狼
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一階層と逆側のゲートを抜けると、大部屋につながってた。
半径10メートルの円形という見覚えのある空間。
前にポイズンスライムと戦った場所とほとんど同じだ。
てことはボスか。
思った通り、中奥には薄い黄緑色の狼っぽい魔物の姿が確認できる。
『ステータス』
《種族》 エレクトリックウルフ
《HP》 140/140
《MP》 150/150
《物攻》 170
《物防》 150
《魔攻》 150
《魔防》 140
《スキル》電纏
電気弾
飛爪撃
名前ダサいな。
サンダーウルフとかならともかくエレクトリックって。
…まぁいいや。
それより集中しないとヤバイね。
スキル三個持ちは初めてだ。
気を引き締める。
先に動いたのは狼の方だった。
口を大きく開ける。
中にはバチバチと音を立てる弾が見える。
電気弾か。
そのモーションを見た俺は、咄嗟に左手を構え毒弾を発射する。
ほぼ同時に放たれた二つの弾が、やや俺に近い位置で衝突した。
俺のほうが魔攻が低い分、相殺とはいかなかったが、ぶつかった衝撃で勢いは弱まった。
速度の落ちた電気弾は、俺には届かず前の床に弱々しく落ちる。
その直後、一気に狼との距離を詰める。
電気弾にもインターバルがあるはず。
遠距離攻撃では勝ち目がないため、何とか接近戦に持ち込みたい。
すると今度は、狼が爪でひっかくように前足を振ってきた。
が、その爪が届くほどにはまだ近づいていない。
空振りか?
そう思った瞬間、何かがとんできた。
三本線のようなその"何か"は空気を切り裂くような音とともに、一直線に俺のほうに向かってくる。
カキン。
慌ててそれを短剣で受けると、まるで剣の斬撃を受けたかのような感覚。
多分、飛爪撃とかいうスキルだろう。
斬撃をとばすみたいな感じか。
これでますます近づくしかなくなった。
離れてたら徐々に削られて終わりだ。
しかしこの飛爪撃はインターバルがないらしく、次々と飛んでくる。
魔法と違って剣で受けられるから、何とかダメージは受けずに済んでいるが、なかなか近づけない。
斬撃の嵐をやっとの思いで抜けると、今度は狼の体に電気が走る。
攻撃スキルのバリエーション多彩すぎかよ。
三種類とも全部タイプが違う。
その状態の狼のひっかき攻撃。
短剣で受けるとやっぱり電気が流れてきた。
ちゃんと受けてもダメージ受けるとかきっついな。
なるべくよけるようにしないといけない訳だもんなあ。
そう思って自信がなくなってきたが、何度か受けた後は余裕を持って避けられるようになった。
狼の攻撃を見てると予備動作があることに気づいたのだ。
前足の引っかき攻撃か噛みつきしか攻撃パターンがなく、引っかき攻撃は逆の前足を出してから、噛みつきは体を引いてから攻撃してくる。
それが分かっちゃえば見切るのはそんなに難しくない。
よけては斬り、よけては斬るを繰り返す。
相変わらず、斬るたびにダメージを受けるが、それよりも相手のHPが減っていくほうが全然早い。
「ふう…」
夢中で攻撃してたら、いつの間にか狼は横になって動かなくなってた。
終わってみるとずいぶんあっさりだったな。
ダメージ的にはHPの半分近く減ってるけど、実際攻撃を受けたのは、よけきれずに腹を爪がかすめた一回だけ。
残りは短剣で受けた時の電気にやられた。
まあ何にせよ、危なげなく倒せたのはよかった。
ていうかそろそろかな。
すると案の定、大きな音と共に地面が揺れだした。
キタッ。
神器のご登場だ。
前回同様、部屋の中央の床が開き、中から台座が出てくる。
ただ今回の台座は前のよりだいぶ大きい。
直径一メートルくらいはありそうだ。
完全に揺れが収まるのを待ち、台座に近づく。
上に乗ってるのは、長辺が80センチくらいの長方形の箱だった。
今回は装飾品の類じゃなさそうだ。
若干緊張しながら、宝箱のような見た目のその箱を開ける。
中をのぞくと、そこに入っていたのは軽く装飾のあしらわれた、黄緑色の剣だった。
「よし、武器だ」
武器系の神器だったのは結構うれしい。
前の指輪もうれしいっちゃうれしいんだけど、やっぱり神器ってなると武器とか防具とかのほうがそれっぽくてテンションが上がる。
持ってみると、短剣しか使ってこなかった俺にとっては少し重く感じられた。
だが剣としてはどちらかといえば軽い部類で、長さもそこまで長くないため、多分片手用の剣だと思う。
鑑定しますか。
『電狼剣』
フュジ島の隠しダンジョンで獲得できる片手剣型の神器。装備者の物攻ステータスを上げ、特定のスキルを使用可能にする。
《HP》 +0
《MP》 +0
《物攻》 +450
《物防》 +0
《魔攻》 +0
《魔防》 +0
《スキル》電纏
電気弾
飛斬撃
450!?
目にした瞬間、その値の大きさに驚く。
が、すぐに神器ならこんなもんかと納得した。
ダンジョンの難易度と神器の強さに相関関係があるとしたら、ポイズンスライムの時と今回でこれくらいの差があっても不思議ではない。
なんせ今回は物攻に全振りして450だ。
平均したら1ステータス当たり75で前の約4倍。
ポイズンスライムと狼だったらそれくらいの差はあった。
それと今回もまたボスと同じスキルが使えるようになってる。
飛爪撃が飛斬撃になってるけど、これも爪が剣になっただけだろう。
やっぱり神器強いな。
半径10メートルの円形という見覚えのある空間。
前にポイズンスライムと戦った場所とほとんど同じだ。
てことはボスか。
思った通り、中奥には薄い黄緑色の狼っぽい魔物の姿が確認できる。
『ステータス』
《種族》 エレクトリックウルフ
《HP》 140/140
《MP》 150/150
《物攻》 170
《物防》 150
《魔攻》 150
《魔防》 140
《スキル》電纏
電気弾
飛爪撃
名前ダサいな。
サンダーウルフとかならともかくエレクトリックって。
…まぁいいや。
それより集中しないとヤバイね。
スキル三個持ちは初めてだ。
気を引き締める。
先に動いたのは狼の方だった。
口を大きく開ける。
中にはバチバチと音を立てる弾が見える。
電気弾か。
そのモーションを見た俺は、咄嗟に左手を構え毒弾を発射する。
ほぼ同時に放たれた二つの弾が、やや俺に近い位置で衝突した。
俺のほうが魔攻が低い分、相殺とはいかなかったが、ぶつかった衝撃で勢いは弱まった。
速度の落ちた電気弾は、俺には届かず前の床に弱々しく落ちる。
その直後、一気に狼との距離を詰める。
電気弾にもインターバルがあるはず。
遠距離攻撃では勝ち目がないため、何とか接近戦に持ち込みたい。
すると今度は、狼が爪でひっかくように前足を振ってきた。
が、その爪が届くほどにはまだ近づいていない。
空振りか?
そう思った瞬間、何かがとんできた。
三本線のようなその"何か"は空気を切り裂くような音とともに、一直線に俺のほうに向かってくる。
カキン。
慌ててそれを短剣で受けると、まるで剣の斬撃を受けたかのような感覚。
多分、飛爪撃とかいうスキルだろう。
斬撃をとばすみたいな感じか。
これでますます近づくしかなくなった。
離れてたら徐々に削られて終わりだ。
しかしこの飛爪撃はインターバルがないらしく、次々と飛んでくる。
魔法と違って剣で受けられるから、何とかダメージは受けずに済んでいるが、なかなか近づけない。
斬撃の嵐をやっとの思いで抜けると、今度は狼の体に電気が走る。
攻撃スキルのバリエーション多彩すぎかよ。
三種類とも全部タイプが違う。
その状態の狼のひっかき攻撃。
短剣で受けるとやっぱり電気が流れてきた。
ちゃんと受けてもダメージ受けるとかきっついな。
なるべくよけるようにしないといけない訳だもんなあ。
そう思って自信がなくなってきたが、何度か受けた後は余裕を持って避けられるようになった。
狼の攻撃を見てると予備動作があることに気づいたのだ。
前足の引っかき攻撃か噛みつきしか攻撃パターンがなく、引っかき攻撃は逆の前足を出してから、噛みつきは体を引いてから攻撃してくる。
それが分かっちゃえば見切るのはそんなに難しくない。
よけては斬り、よけては斬るを繰り返す。
相変わらず、斬るたびにダメージを受けるが、それよりも相手のHPが減っていくほうが全然早い。
「ふう…」
夢中で攻撃してたら、いつの間にか狼は横になって動かなくなってた。
終わってみるとずいぶんあっさりだったな。
ダメージ的にはHPの半分近く減ってるけど、実際攻撃を受けたのは、よけきれずに腹を爪がかすめた一回だけ。
残りは短剣で受けた時の電気にやられた。
まあ何にせよ、危なげなく倒せたのはよかった。
ていうかそろそろかな。
すると案の定、大きな音と共に地面が揺れだした。
キタッ。
神器のご登場だ。
前回同様、部屋の中央の床が開き、中から台座が出てくる。
ただ今回の台座は前のよりだいぶ大きい。
直径一メートルくらいはありそうだ。
完全に揺れが収まるのを待ち、台座に近づく。
上に乗ってるのは、長辺が80センチくらいの長方形の箱だった。
今回は装飾品の類じゃなさそうだ。
若干緊張しながら、宝箱のような見た目のその箱を開ける。
中をのぞくと、そこに入っていたのは軽く装飾のあしらわれた、黄緑色の剣だった。
「よし、武器だ」
武器系の神器だったのは結構うれしい。
前の指輪もうれしいっちゃうれしいんだけど、やっぱり神器ってなると武器とか防具とかのほうがそれっぽくてテンションが上がる。
持ってみると、短剣しか使ってこなかった俺にとっては少し重く感じられた。
だが剣としてはどちらかといえば軽い部類で、長さもそこまで長くないため、多分片手用の剣だと思う。
鑑定しますか。
『電狼剣』
フュジ島の隠しダンジョンで獲得できる片手剣型の神器。装備者の物攻ステータスを上げ、特定のスキルを使用可能にする。
《HP》 +0
《MP》 +0
《物攻》 +450
《物防》 +0
《魔攻》 +0
《魔防》 +0
《スキル》電纏
電気弾
飛斬撃
450!?
目にした瞬間、その値の大きさに驚く。
が、すぐに神器ならこんなもんかと納得した。
ダンジョンの難易度と神器の強さに相関関係があるとしたら、ポイズンスライムの時と今回でこれくらいの差があっても不思議ではない。
なんせ今回は物攻に全振りして450だ。
平均したら1ステータス当たり75で前の約4倍。
ポイズンスライムと狼だったらそれくらいの差はあった。
それと今回もまたボスと同じスキルが使えるようになってる。
飛爪撃が飛斬撃になってるけど、これも爪が剣になっただけだろう。
やっぱり神器強いな。
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