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ハムハム楽しむ日々
レッツハムハム!
しおりを挟む抱きしめてくれていた腰の腕を緩め、ラニエルとわたしはまた正面から向き合う形になった。
「ふふっラティってば顔が真っ赤ですよ」
「だって急にエルが!」
ちょっとだけ言わせてほしい。脳内での独り言だけど、これはあえて言わせてほしい。
(ーーお前は誰だ!)
この間まで幼気な感じのちびっ子紳士だったじゃないか!それがいきなりハムリングかます奴になりやがって!
だいたい、誰のためにこんなに悩んで、しかも欲求を抑えて苦労してるとーー
「実は今日ラティにお願いがあって、僕にもおまじないをやっていただけますか?」
「はい!」
即いい返事で答える。そして応えてやろう。
え?さっきまでのわたし?え?なにか?
(目の前に獲物が、しかも了解を得た犯罪者を誰も止めることはできんワーー!)
欲求に正直な子、ラティファナ・クライエル。許可をいただきましたので、これより戦闘態勢に入ります!
密かに期待をしているのだろう、ラニエルは薄っすら頬を染めて(決してさっきの行為に悦になってる訳でない!はず)わたしの動きに敏感になっていた。
スッと彼の頬に手を伸ばし、滑らかな柔らかい肌と熱を堪能する。
触れるか触れないかの辺りから、彼は瞼を閉じ熱を含んだ瞳を隠す。落とされた瞼に長い睫毛も共に落ち影を作る。わたしの指先が触れた時、フルリと落としていた影が揺れるのが見えた。
少しだけ見上げた彼の顔。瞳は閉じられていたが、頬を染めながらも真剣なそんな表情。
待っているのだ、わたしの、わたしからのハムハムを!
(いやーー!ちょーーかわいいーー!)
おばちゃん大興奮である。ドキドキワクワク、心臓の音が耳に響いてくるほど早鐘に鳴っている。
堪らん…堪らんよ、少年よ。
ゆっくりと左腕を彼の右腰に回しこむ。頬から手のひらを外して、膝立ちをし右腕をラニエルの左肩に置く。
がっちりとしたホールドが完成した。もう逃げられませんよ、小さな紳士よ。これからわたしは存分にハムハムを楽しむのだ、ようやくこの彼を見つけた瞬間から続く欲求不満を解消できるのだ。
本人に言われたってやめてあげれる自信がないからね!ラニエルが目を閉じていて助かった。到底今の顔を見られるわけにはいかない。
(こんな形相、ドン引きだわ)
(だがしかし!ここで引き下がるわたしではないわ!)
表情のことなんか後回しだ!だって目をつぶってて等の本人は視界に納めてないのだから!
体をくっつけただけで彼からの香りがわたしを包み込む。甘い香り、わたしの好きな匂い。
ーーハム
「ーーっ」
ーーちゅっハム、ぺろ
「ーーっ!」
わたしが動く(口元の運動)度にピクピクと、声は大きくは出てこなくても熱のこもった吐息が漏れてくる。
しっとりと柔らかな肌、ペロンと舌を這わせると若さという弾力がわたしを魅了する。ちゅちゅっと小さくリップ音を鳴らしながら、首筋から肩口まで唇を這わす。途中ハムっと口全体で彼の肌を堪能するのも忘れない。
(甘い匂いのせいかな、味まで甘く感じる)
ーーハムハム、カリっ
「っっ!ふっ」
ハムハムとしている時には唇だけだけど、なんだか食指が動いてしまった。肌を口の中に入れ歯を立てて彼をさらに堪能する。
より一層ラニエルが悶え始めたのが雰囲気でわかった。熱を含む吐息はわたしの耳にかかってくるし、わたしの背にしがみ付く様なすがる様な手にも力が込められている。
充分に満喫したわたしは体を起こし、彼への拘束している腕を解いた。
また正面から向かい合う形になったが、さっきと打って変わった表情のラニエルが目の前にいて、高揚としていた気持ちがさっきよりもさらに高まった。
上気した頬は口元の震えによってこちらもまた少し震えている。必死に声を出さない様にしていたのか、噛み締めとじられている唇はバラの様に真っ赤に染まっていた。伏せられた まつ毛には少しばかり雫が付いており、さっきまで涙を浮かべていたことが読み取れた。
そして 震えが収まった頃漸く彼は瞳をこちらに見せて、そして微かに目を見開いた。
その瞳がとても物欲しそうで、そしてわたしの心が彼を求めていてーー
ラニエルはわたしの腰を抱き寄せ、わたしもまた彼と同じ様に腰に手を回し、わたしはそれをするのが当たり前であるかの様にゆっくりと瞼を落とした。
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