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丘の上で、僕の幼馴染で恋人のルシア・カミューが、長い金髪を揺らして元気一杯言う。
「遅いよ、エリック!早くこっちにきなって」
「君が早すぎるんだよ、ルシア。全く、君は昔からせっかちだね」
「む?何をー!」
「はははっ、悪かったって」
「むー・・・許す」
「ありがとう」
青い空を閉じ込めたような瞳が優しく煌めく。
その瞳一杯を占めているのが僕だと思うと、自然と笑みが溢れる___
ここは、山の麓にある小さな村。
シャーナ王国の西端に位置する静かなここは、全員が顔見知りなほど規模が小さい。
狩りや農業で生計を立て、豊かではないにしろ、幸せな日々を送っている。
そんな閉鎖的な生活をしているので、昔から一緒にいる数少ない幼馴染の一人に恋をしてしまうのも、仕方がないだろう。
「(まあ、それを抜きにしてもルシアは村一番・・・、いや、国一番に可愛いんだから、好きになるなって方が難し
いよ)」
「?どうしたの、エリック?ぼーっとしちゃって」
「・・・いや、何でもないよ。ごめんね。ほら、久しぶりのデートなんだから楽しもうよ」
「まあ、それもそうね!エリックったら、最近忙しいって言ってばかりだったもの。私、とっても寂しかったのよ」
「はははっ、ごめんって」
それもそうだ。僕は今日ルシアに告白しようと、いろいろ走りまわったのだから。
近く...と、言っても山一つ超えた町までプレゼントを買いに行ったり、この村の伝統産業の絹のドレスを用意したり。
ルシア、喜んでくれるかな?
準備は、万全だ。
「ルシア・・・。君は今、幸せ?」
「どうしたの、急に?」
「僕は絶対に君を幸せにする!!」
「えっ・・・?」
「ルシア。ルシア・ハーミンに、僕のお姫様になってくれないか?」
そういって、ルシアの頭に色とりどりの花冠をのせる。
「好きだ、ルシア。僕と結婚してくれ」
「遅いよ、エリック!早くこっちにきなって」
「君が早すぎるんだよ、ルシア。全く、君は昔からせっかちだね」
「む?何をー!」
「はははっ、悪かったって」
「むー・・・許す」
「ありがとう」
青い空を閉じ込めたような瞳が優しく煌めく。
その瞳一杯を占めているのが僕だと思うと、自然と笑みが溢れる___
ここは、山の麓にある小さな村。
シャーナ王国の西端に位置する静かなここは、全員が顔見知りなほど規模が小さい。
狩りや農業で生計を立て、豊かではないにしろ、幸せな日々を送っている。
そんな閉鎖的な生活をしているので、昔から一緒にいる数少ない幼馴染の一人に恋をしてしまうのも、仕方がないだろう。
「(まあ、それを抜きにしてもルシアは村一番・・・、いや、国一番に可愛いんだから、好きになるなって方が難し
いよ)」
「?どうしたの、エリック?ぼーっとしちゃって」
「・・・いや、何でもないよ。ごめんね。ほら、久しぶりのデートなんだから楽しもうよ」
「まあ、それもそうね!エリックったら、最近忙しいって言ってばかりだったもの。私、とっても寂しかったのよ」
「はははっ、ごめんって」
それもそうだ。僕は今日ルシアに告白しようと、いろいろ走りまわったのだから。
近く...と、言っても山一つ超えた町までプレゼントを買いに行ったり、この村の伝統産業の絹のドレスを用意したり。
ルシア、喜んでくれるかな?
準備は、万全だ。
「ルシア・・・。君は今、幸せ?」
「どうしたの、急に?」
「僕は絶対に君を幸せにする!!」
「えっ・・・?」
「ルシア。ルシア・ハーミンに、僕のお姫様になってくれないか?」
そういって、ルシアの頭に色とりどりの花冠をのせる。
「好きだ、ルシア。僕と結婚してくれ」
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