36 / 81
第一章 北州編
邯鄲陥落
しおりを挟む
四月、劉秀軍は邯鄲へ到着すると、北門前へ布陣した。
と、そこへ一人の客があった。一人と言っても単身ではない。数十人の兵を引き連れてである。すでに邯鄲を包囲して日の長い謝躬であった。
「これは謝将軍。ご挨拶にはこちらからうかがおうと思っておりましたが」
「なんの、劉将軍にはわざわざの援軍、痛み入ります。こちらからうかがうのは礼儀かと」
馬を降りて丁重に迎える劉秀に、謝躬も温和な表情で丁寧な礼を返す。
謝躬は悪人ではなく、むしろ善良でおだやかな人柄だった。平和な時代に役所で実直に働き、おだやかに過ごすのが本人にとっても幸せな一生だったろう。
だがそれだけにこうして戦場へ兵を率いてくるに最もふさわしくない人物でもあった。その証拠におだやかそうな表情を保ちながらも、現状に疲弊しきっていることが劉秀にも感じられた。
「将軍には長の包囲、お疲れでありましょう。しばしご休息を。その間は我らが引き受けますゆえ」
「かたじけない。確かに兵も疲労しておりますゆえ、回復ののちは将軍と馬を並べて戦いたいと存じます」
謝躬は心底ほっとしたような表情を見せながら再度礼を言い、そのまま自分の陣営へ戻っていった。
「…どう見る、仲華」
謝躬が去った後、近くに侍っていた鄧禹に劉秀は尋ねた。鄧禹も謝躬に対して礼を守りつつ、ひそかに彼の人となりを観察していたのだ。人物鑑定は鄧禹の最大の能力と言っていい。だが今回、彼の異能は必要なかった。
「おそらく明公のお見立てとほぼ変わらないでしょう。あの方は善人で、底意も悪意も持ち合わせておりません。ですがそれゆえ現状をどうすることもできないのでしょう」
「そうだな、私もそう思う」
劉秀もうなずき、いささか痛ましげに謝躬の繊弱な顔を思い出す。彼の能力では邯鄲を攻め落とす策を考え出すこともできず、またその器量では兵の統率もままならないであろう。
劉秀も鄧禹も一個人としては謝躬に同情するが、好機が続いていることも自覚していた。
布陣を終え、兵を休ませた夜、劉秀は諸将と軍議を持った。
そこで意見を求められた鄧禹は、まず一日かけて調べてきた邯鄲での謝躬の戦況を報告する。
「ほぼ何もできておりませぬ。包囲したはよいですが、散発的な攻撃をおこなうのみで、ここまで過ごしてきたようです」
謝躬には将器も将才もなかった。有能な参謀や腹心もおらず、そんな状態で兵が逃げださなかったのは、「ここにいれば飯が食える」というだけが理由であった。
「陛下はそのような者をなぜ派遣なさったのか」
戦況の詳細を聞いた蓋延は意外さを声に出して首をひねる。この場合、陛下とは更始帝のことで、謝躬に邯鄲攻略を命じたのは彼である。本気で邯鄲を落とそうというのなら謝躬では能力に難がありすぎた。そもそも北州平定は劉秀に任されているのだ。王郎討伐の功を他の者に与えようなど、劉秀を蔑ろにするにもほどがある。
「それとも陛下は本気で邯鄲を落とす気がないのだろうか。それでは兵を無駄に死なせるだけだが…」
蓋延としては解せないのだが、鄧禹や寇恂、呉漢などには瞭然だった。
「陛下は明公にあまり功績を挙げてほしくないのだ」
首をひねる蓋延に、寇恂は説明を続けた。
更始帝は劉秀が自分の配下から自立し、独自の勢力となることを恐れている。それは他の武将に対しても同様だが、謝躬のような器量の乏しい者なら心配ない。それでも間違って王郎を討滅できれば重畳、できなければ処罰して別の者を当たらせればよいのだ。
「なるほど。だがそのような運任せのやり方で邯鄲が落とせるのか。いや、現に落とせていないではないか。何をお考えなのだ、陛下は」
寇恂の話に納得する蓋延だが、新たな疑問が不快とともに湧いてくる。それは他の諸将にとっても同様で、しかし理由もわかっているだけに、不快さは蓋延より上かもしれない。更始帝とその側近たちは器量が小さく人品が卑しく、自らの地位や立場に恋々としているだけなのだ。
劉秀や鄧禹もそれは理解しているが、今考えても仕方がないことでもある。
「それは後にしよう。まずは目前の邯鄲を落としてからだ。どう攻めるか、何か意見のある者はおるか」
劉秀は話を切り替え、邯鄲攻略について諸将に諮問する。と、鄧禹が進み出た。
「謝将軍の戦いぶりとともに王郎のそれについても調べましたところ、やはり用兵に秀でた将や軍師はおらぬようです」
「であろうな。もしそうであれば謝躬の軍など疾うの昔に追い払っているだろう」
呉漢の補足に鄧禹はうなずく。
「はい。謝軍の弱体ぶりを見れば、邯鄲から討って出て一撃のもとに屠ることも不可能ではありますまい。事実、そのように攻撃に出たこともあるようですが、謝軍を追い落とすことはできず、それ以来本格的な出撃はほぼないそうです。ただそれも、籠城という立派な戦い方ですから間違いではございません。謝軍も包囲を続けるだけで攻撃もままならぬとなれば、兵が倦怠感にさいなまれ、いずれ食糧もなくなり、撤退せざるを得なくなるでしょう。仮にそうならなくとも背後から謝軍に援軍が攻撃をしかければひとたまりもなく、王郎の危機は去ります」
「そうか、その援軍を我らがことごとく殲滅してしまったのだな」
蓋延がぴんと来たように口を開き、鄧禹も笑顔でうなずく。
「ええ、この近辺でも大都である鉅鹿は我が軍が残してきた満が包囲して抑えたまま。また最強の援軍であった倪宏も我らが叩き伏せました。さらに倪宏に対する戦勝軍である我が軍が到着したことで、王郎陣営は少なからず動揺していると思われます」
「なるほど。ではどう攻めるがよいと思う」
劉秀が尋ねることに、鄧禹も今度は少し押し黙った。表情にはかすかに苦笑がにじんでいるようにも見える。それを見た劉秀も察し、こちらははっきりと表情に苦笑いを浮かべた。
どう攻めるもない。攻城戦はまだまだ苦手な自軍の実力を思い出したのである。とはいえそれは奇想に類する攻め方に長けた者が少ないというだけで、真っ当に正面から攻めるに、劉秀軍の力量はすでに水準に達していた。
また奇想や奇手は地形その他の要素が深く絡んできて、どんな城に対しても可能なわけではない。邯鄲は一国の首都だっただけに、その種の隙も少ないのだ。
と、ここで寇恂が朗々と声をあげた。
「城を攻めるではなく人の心を攻めましょう。その意を持ってすれば同じ正面からの攻撃でも効果が違ってきます」
その言葉の意味をさすがに諸将の一部はすぐに理解した。その一人である呉漢が重々しくうなずく。
「なるほど、間断なく攻め立て王郎たちの気をくじこうと言うのだな」
「そういうことだ。戦いに長けていない者が援軍もなく長い籠城に耐えられるものではない。いずれ降伏や内通も期待できましょう」
寇恂のその言に劉秀もうなずいた。
「よろしい。ではそれを基本戦略として邯鄲を攻めるぞ」
「御意」
劉秀の決定と命令に諸将も力強く応じた。
こうして四月の間、劉秀軍は邯鄲の城壁、城門を攻め続けた。
示威が基本戦略であるため、攻撃そのものにさほど効果が見られずとも、諸将も兵も士気を落とすことはない。また結果的に攻略できればそれはそれで重畳である。鄧禹などはこの際とばかり、様々な城攻めの方法を考案したり試したりして、自軍の攻城能力の向上を目指していた。
そして一月が過ぎる頃、ついに王郎陣営の心が折れた。内通者が出て邯鄲は陥落、逃走しようとした王郎は王覇に斬られた。
邯鄲は劉秀の手に落ちた。
と、そこへ一人の客があった。一人と言っても単身ではない。数十人の兵を引き連れてである。すでに邯鄲を包囲して日の長い謝躬であった。
「これは謝将軍。ご挨拶にはこちらからうかがおうと思っておりましたが」
「なんの、劉将軍にはわざわざの援軍、痛み入ります。こちらからうかがうのは礼儀かと」
馬を降りて丁重に迎える劉秀に、謝躬も温和な表情で丁寧な礼を返す。
謝躬は悪人ではなく、むしろ善良でおだやかな人柄だった。平和な時代に役所で実直に働き、おだやかに過ごすのが本人にとっても幸せな一生だったろう。
だがそれだけにこうして戦場へ兵を率いてくるに最もふさわしくない人物でもあった。その証拠におだやかそうな表情を保ちながらも、現状に疲弊しきっていることが劉秀にも感じられた。
「将軍には長の包囲、お疲れでありましょう。しばしご休息を。その間は我らが引き受けますゆえ」
「かたじけない。確かに兵も疲労しておりますゆえ、回復ののちは将軍と馬を並べて戦いたいと存じます」
謝躬は心底ほっとしたような表情を見せながら再度礼を言い、そのまま自分の陣営へ戻っていった。
「…どう見る、仲華」
謝躬が去った後、近くに侍っていた鄧禹に劉秀は尋ねた。鄧禹も謝躬に対して礼を守りつつ、ひそかに彼の人となりを観察していたのだ。人物鑑定は鄧禹の最大の能力と言っていい。だが今回、彼の異能は必要なかった。
「おそらく明公のお見立てとほぼ変わらないでしょう。あの方は善人で、底意も悪意も持ち合わせておりません。ですがそれゆえ現状をどうすることもできないのでしょう」
「そうだな、私もそう思う」
劉秀もうなずき、いささか痛ましげに謝躬の繊弱な顔を思い出す。彼の能力では邯鄲を攻め落とす策を考え出すこともできず、またその器量では兵の統率もままならないであろう。
劉秀も鄧禹も一個人としては謝躬に同情するが、好機が続いていることも自覚していた。
布陣を終え、兵を休ませた夜、劉秀は諸将と軍議を持った。
そこで意見を求められた鄧禹は、まず一日かけて調べてきた邯鄲での謝躬の戦況を報告する。
「ほぼ何もできておりませぬ。包囲したはよいですが、散発的な攻撃をおこなうのみで、ここまで過ごしてきたようです」
謝躬には将器も将才もなかった。有能な参謀や腹心もおらず、そんな状態で兵が逃げださなかったのは、「ここにいれば飯が食える」というだけが理由であった。
「陛下はそのような者をなぜ派遣なさったのか」
戦況の詳細を聞いた蓋延は意外さを声に出して首をひねる。この場合、陛下とは更始帝のことで、謝躬に邯鄲攻略を命じたのは彼である。本気で邯鄲を落とそうというのなら謝躬では能力に難がありすぎた。そもそも北州平定は劉秀に任されているのだ。王郎討伐の功を他の者に与えようなど、劉秀を蔑ろにするにもほどがある。
「それとも陛下は本気で邯鄲を落とす気がないのだろうか。それでは兵を無駄に死なせるだけだが…」
蓋延としては解せないのだが、鄧禹や寇恂、呉漢などには瞭然だった。
「陛下は明公にあまり功績を挙げてほしくないのだ」
首をひねる蓋延に、寇恂は説明を続けた。
更始帝は劉秀が自分の配下から自立し、独自の勢力となることを恐れている。それは他の武将に対しても同様だが、謝躬のような器量の乏しい者なら心配ない。それでも間違って王郎を討滅できれば重畳、できなければ処罰して別の者を当たらせればよいのだ。
「なるほど。だがそのような運任せのやり方で邯鄲が落とせるのか。いや、現に落とせていないではないか。何をお考えなのだ、陛下は」
寇恂の話に納得する蓋延だが、新たな疑問が不快とともに湧いてくる。それは他の諸将にとっても同様で、しかし理由もわかっているだけに、不快さは蓋延より上かもしれない。更始帝とその側近たちは器量が小さく人品が卑しく、自らの地位や立場に恋々としているだけなのだ。
劉秀や鄧禹もそれは理解しているが、今考えても仕方がないことでもある。
「それは後にしよう。まずは目前の邯鄲を落としてからだ。どう攻めるか、何か意見のある者はおるか」
劉秀は話を切り替え、邯鄲攻略について諸将に諮問する。と、鄧禹が進み出た。
「謝将軍の戦いぶりとともに王郎のそれについても調べましたところ、やはり用兵に秀でた将や軍師はおらぬようです」
「であろうな。もしそうであれば謝躬の軍など疾うの昔に追い払っているだろう」
呉漢の補足に鄧禹はうなずく。
「はい。謝軍の弱体ぶりを見れば、邯鄲から討って出て一撃のもとに屠ることも不可能ではありますまい。事実、そのように攻撃に出たこともあるようですが、謝軍を追い落とすことはできず、それ以来本格的な出撃はほぼないそうです。ただそれも、籠城という立派な戦い方ですから間違いではございません。謝軍も包囲を続けるだけで攻撃もままならぬとなれば、兵が倦怠感にさいなまれ、いずれ食糧もなくなり、撤退せざるを得なくなるでしょう。仮にそうならなくとも背後から謝軍に援軍が攻撃をしかければひとたまりもなく、王郎の危機は去ります」
「そうか、その援軍を我らがことごとく殲滅してしまったのだな」
蓋延がぴんと来たように口を開き、鄧禹も笑顔でうなずく。
「ええ、この近辺でも大都である鉅鹿は我が軍が残してきた満が包囲して抑えたまま。また最強の援軍であった倪宏も我らが叩き伏せました。さらに倪宏に対する戦勝軍である我が軍が到着したことで、王郎陣営は少なからず動揺していると思われます」
「なるほど。ではどう攻めるがよいと思う」
劉秀が尋ねることに、鄧禹も今度は少し押し黙った。表情にはかすかに苦笑がにじんでいるようにも見える。それを見た劉秀も察し、こちらははっきりと表情に苦笑いを浮かべた。
どう攻めるもない。攻城戦はまだまだ苦手な自軍の実力を思い出したのである。とはいえそれは奇想に類する攻め方に長けた者が少ないというだけで、真っ当に正面から攻めるに、劉秀軍の力量はすでに水準に達していた。
また奇想や奇手は地形その他の要素が深く絡んできて、どんな城に対しても可能なわけではない。邯鄲は一国の首都だっただけに、その種の隙も少ないのだ。
と、ここで寇恂が朗々と声をあげた。
「城を攻めるではなく人の心を攻めましょう。その意を持ってすれば同じ正面からの攻撃でも効果が違ってきます」
その言葉の意味をさすがに諸将の一部はすぐに理解した。その一人である呉漢が重々しくうなずく。
「なるほど、間断なく攻め立て王郎たちの気をくじこうと言うのだな」
「そういうことだ。戦いに長けていない者が援軍もなく長い籠城に耐えられるものではない。いずれ降伏や内通も期待できましょう」
寇恂のその言に劉秀もうなずいた。
「よろしい。ではそれを基本戦略として邯鄲を攻めるぞ」
「御意」
劉秀の決定と命令に諸将も力強く応じた。
こうして四月の間、劉秀軍は邯鄲の城壁、城門を攻め続けた。
示威が基本戦略であるため、攻撃そのものにさほど効果が見られずとも、諸将も兵も士気を落とすことはない。また結果的に攻略できればそれはそれで重畳である。鄧禹などはこの際とばかり、様々な城攻めの方法を考案したり試したりして、自軍の攻城能力の向上を目指していた。
そして一月が過ぎる頃、ついに王郎陣営の心が折れた。内通者が出て邯鄲は陥落、逃走しようとした王郎は王覇に斬られた。
邯鄲は劉秀の手に落ちた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

劉縯
橘誠治
歴史・時代
古代中国・後漢王朝の始祖、光武帝の兄・劉縯(りゅうえん)の短編小説です。
もともとは彼の方が皇帝に近い立場でしたが、様々な理由からそれはかなわず…それを正史『後漢書』に肉付けする形で描いていきたいと思っています。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
歴史小説家では宮城谷昌光さんや司馬遼太郎さんが好きです。
歴史上の人物のことを知るにはやっぱり物語がある方が覚えやすい。
上記のお二人の他にもいろんな作家さんや、大和和紀さんの「あさきゆめみし」に代表される漫画家さんにぼくもたくさんお世話になりました。
ぼくは特に古代中国史が好きなので題材はそこに求めることが多いですが、その恩返しの気持ちも込めて、自分もいろんな人に、あまり詳しく知られていない歴史上の人物について物語を通して伝えてゆきたい。
そんな風に思いながら書いています。

瓦礫の国の王~破燕~
松井暁彦
歴史・時代
時は戦国時代。
舞台は北朔の国、燕。
燕は極北の国故に、他の国から野蛮人の国として誹りを受け続け、南東に位置する大国、斉からは朝貢を幾度なく要求され、屈辱に耐えながら国土を守り続けていた。
だが、嫡流から外れた庶子の一人でありながら、燕を大国へと変えた英雄王がいる。
姓名は姫平《きへい》。後の昭王《しょうおう》である。
燕国に伝わりし王の徴《しるし》と呼ばれる、宝剣【護国の剣】に選ばれた姫平は、国内に騒擾を齎し、王位を簒奪した奸臣子之《しし》から王位と国を奪り戻し、やがて宿敵である斉へと軍勢へ差し向け、無二の一戦に挑む。
史記に於いて語られることのなかった英雄王の前半生を描いた物語である。
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。


世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
枢軸国
よもぎもちぱん
歴史・時代
時は1919年
第一次世界大戦の敗戦によりドイツ帝国は滅亡した。皇帝陛下 ヴィルヘルム二世の退位により、ドイツは共和制へと移行する。ヴェルサイユ条約により1320億金マルク 日本円で200兆円もの賠償金を課される。これに激怒したのは偉大なる我らが総統閣下"アドルフ ヒトラー"である。結果的に敗戦こそしたものの彼の及ぼした影響は非常に大きかった。
主人公はソフィア シュナイダー
彼女もまた、ドイツに転生してきた人物である。前世である2010年頃の記憶を全て保持しており、映像を写真として記憶することが出来る。
生き残る為に、彼女は持てる知識を総動員して戦う
偉大なる第三帝国に栄光あれ!
Sieg Heil(勝利万歳!)
獅子の末裔
卯花月影
歴史・時代
未だ戦乱続く近江の国に生まれた蒲生氏郷。主家・六角氏を揺るがした六角家騒動がようやく落ち着いてきたころ、目の前に現れたのは天下を狙う織田信長だった。
和歌をこよなく愛する温厚で無力な少年は、信長にその非凡な才を見いだされ、戦国武将として成長し、開花していく。
前作「滝川家の人びと」の続編です。途中、エピソードの被りがありますが、蒲生氏郷視点で描かれます。
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる