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第一章 北州編
鄧禹出陣
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「さてどうするか…」
劉秀も思案のしどころである。このまま銅馬に背後を突かれ、その機に鉅鹿城内の王饒が突出してくれば挟み撃ちになる。それでは劉秀軍は全滅かそれに近い損害を被るのは必至である。劉秀は滅亡するか、再起をするにしても相当の時間と労力を必要とすることになるだろう。
では鉅鹿の包囲を解くか。だが柏人に続いて鉅鹿でも得ることなく撤退したのでは、せっかく広阿で揚がった兵の士気にも影響が出るし、なにより北州全体への「印象」が悪くなってしまう。強い者、勝つ者へつくのが人情で、乱世でそれはなおさらである。それゆえ劉秀が北州を平定するには「勝者・強者」の名声がどうしても必要なのだ。
また包囲を解いたとして次はどこへ行くのか。北州を目的もなくうろついても、兵の離散を招き、溶けるように自滅するだけである。
いっそ王郎がいる邯鄲を攻めに向かう手もあるが、そこはすでに謝躬が攻略に入っている。射躬軍へ加勢するにしても、鉅鹿を落とせず敗軍となった劉秀軍は軽んじられ、実質的な主将は謝躬となり、たとえ劉秀に功績があったとしても、最終的なそれは謝躬に独占されてしまうであろう。
退くもとどまるも利の薄い状況に憮然と押し黙るしかない劉秀だったが、そんな彼に明るく落ち着いた若い声がかけられた。
「蓋将軍に銅馬を迎え撃っていただいてはいかがでしょう」
その声に軽く我に返った劉秀は、声の主、鄧禹の顔を見た。
「蓋将軍? 蓋巨卿か」
劉秀は少し意外そうに確認するが、巨卿はあざなで、氏名は蓋延という。
漁陽の出身で呉漢とともに広阿で劉秀に臣従した豪傑である。豪傑という表現にふさわしく、八尺(約184cm)の身の丈と三百斤(約66kg)の強弓を引くことができる強力の持ち主で、性格も体格に似つかわしく豪放だった。
その蓋延が、鉅鹿を攻めあぐねている現状にいささか倦んでいるという。劉秀の指揮能力への不信やそれを理由とした忠誠心のゆらぎというものではないのだが、豪放な性格が裏目に出て欲求不満がたまっているようなのだ。
また劉秀に合流して華々しい戦果をあげる機会にめぐりあっていないことも不満であるらしい。要するに新しい主君によいところを見せて格好をつけたいのだ。
「蓋将軍の将才は迫り来る銅馬を撃退するに充分であろうと思われます。懸念としては、将軍直属の部隊は騎馬隊ゆえ機動力は申し分ありませぬが数においてやや不安です。ゆえにもう一部隊、独自に騎馬隊を編成・出撃させ、蓋将軍の後詰めをさせれば万全かと」
蓋延の性格からすれば一度不満を解消させておくのが最善であろう。そうすれば彼はさらに劉秀への忠誠を厚くし、精勤するに違いない。
鄧禹はそう考えるが懸念もあった。蓋延の指揮能力は充分に有能だが、豪放すぎる性格ゆえか自らを恃みすぎるきらいが見え隠れするのだ。それが裏目に出れば危険なことになる。
それもあっての「もう一つの部隊」である。後援の兵があるならそうそう蓋延が負けることはないだろう。
もう一つ。鄧禹は上谷・漁陽の突騎兵以外にも強力な騎馬隊を養成したい考えていた。ゆえに蓋延を助勢させる騎馬隊は上谷・漁陽以外の人馬を募る予定である。それらの騎馬隊にも経験を積ませておきたかった。
このように様々な意図を含めて鄧禹は進言し、劉秀は力強くうなずいて賛意を示したが、一つ条件をつけた。
「わかった、そうしよう。ただし後詰めの騎馬隊の指揮は仲華、おぬしが執れ」
「私がでございますか」
これには鄧禹も意表を突かれた。騎馬隊の指揮は呉漢を推そうと思っていたのだ。
呉漢はもともと漁陽の突騎兵をひきいて騎馬隊の指揮は慣れている。新しい騎馬隊を任せても不安はない。また同僚の呉漢が後詰めであるなら蓋延も気を悪くすることはないだろう。
さらにこの出撃は蓋延に手柄を立てさせることも狙いの一つである。ゆえに後詰めの将には武勲を立てる機会がないかもしれず、功名心の強い将では不満が湧くかもしれない。呉漢にも当然功名心はあろうが、彼の人となりは朴訥で、質実剛健という表現がよく似合う。他の者よりこの役目を堅実にこなしてくれることだろう。いずれ彼にふさわしい活躍の場は必ず用意するとして。
それゆえ鄧禹は劉秀の指名に驚いたのだが、彼の主君はにやりと笑って続ける。
「上谷・漁陽の突騎兵に匹敵する兵を別に鍛えようというのなら、指揮官も新たに育てるべきであろう。それにおぬしは『利かぬ気』の年長者といかに接するかを鍛錬せねばなるまい」
そう言われ、鄧禹は感激と羞恥に赤面してうつむいた。
前者については鄧禹も考えないではなかった。だが今回は多方面に危険の多い実戦である。銅馬との戦いに負けた場合、劉秀の本隊も彼らに背後を突かれる可能性が高いのだ。それゆえ呉漢を後詰めにして可能な限り完璧を期そうとしたのだが、劉秀は鄧禹を推してくれた。それは指揮官養成だけでなく、鄧禹の実力を変わらず評価し、信じてくれているあらわれでもあった。鄧禹の敗北が自らの滅亡に直結しかねない危険を承知の上での指名なのだから。
ただ後者については羞恥のみである。
柏人の戦いで鄧禹は朱浮を持て余し、結果、自軍に大敗を招いた。寇恂や呉漢のように年少の自分を認めてくれる年長者ばかりではない。しばらく――おそらく十年以上――は陣営内で年少の立場にいなければならない鄧禹としては軽視していい問題ではなかった。
それゆえ次に似たような機会があったときはきっと上手くやってみせるとひそかに決意していたのだが、どうやら劉秀には見透かされていたらしい。そのことを恥じたのである。
「おそれいります。ですが蓋将軍は私のことを認めてくださっております。利かぬ気はいささか酷かと」
羞恥を諧謔にくるんで鄧禹は蓋延を弁護する。確かに蓋延は豪放な性格もあって、鄧禹のことを年齢で軽んじたりはしておらず、朱浮とは違う。
もちろん劉秀もそのことはわかっていての諧謔だと鄧禹も承知しており、それを示すため笑って応じたのだ。
「確かにそうだな。あれはいい気になると歯止めが利かなくなるお調子者なだけだからな。いずれ改めさせねばならぬが、今回はおぬしが歯止めになってくれ」
短いつきあいだが劉秀も蓋延のことはよくわかっている。だがその個性を気に入ってもいて、罪のない悪口にも好意がにじむ。しかし最後の一言には真摯さが混じっていた。
それゆえ鄧禹の短い返事にも同様のものがにじんだ。
「御意にございます」
ちなみに蓋延の「お調子者」の部分はこれから先もなかなか改まらず、劉秀に書状でたびたび注意されるほどであった。
劉秀も思案のしどころである。このまま銅馬に背後を突かれ、その機に鉅鹿城内の王饒が突出してくれば挟み撃ちになる。それでは劉秀軍は全滅かそれに近い損害を被るのは必至である。劉秀は滅亡するか、再起をするにしても相当の時間と労力を必要とすることになるだろう。
では鉅鹿の包囲を解くか。だが柏人に続いて鉅鹿でも得ることなく撤退したのでは、せっかく広阿で揚がった兵の士気にも影響が出るし、なにより北州全体への「印象」が悪くなってしまう。強い者、勝つ者へつくのが人情で、乱世でそれはなおさらである。それゆえ劉秀が北州を平定するには「勝者・強者」の名声がどうしても必要なのだ。
また包囲を解いたとして次はどこへ行くのか。北州を目的もなくうろついても、兵の離散を招き、溶けるように自滅するだけである。
いっそ王郎がいる邯鄲を攻めに向かう手もあるが、そこはすでに謝躬が攻略に入っている。射躬軍へ加勢するにしても、鉅鹿を落とせず敗軍となった劉秀軍は軽んじられ、実質的な主将は謝躬となり、たとえ劉秀に功績があったとしても、最終的なそれは謝躬に独占されてしまうであろう。
退くもとどまるも利の薄い状況に憮然と押し黙るしかない劉秀だったが、そんな彼に明るく落ち着いた若い声がかけられた。
「蓋将軍に銅馬を迎え撃っていただいてはいかがでしょう」
その声に軽く我に返った劉秀は、声の主、鄧禹の顔を見た。
「蓋将軍? 蓋巨卿か」
劉秀は少し意外そうに確認するが、巨卿はあざなで、氏名は蓋延という。
漁陽の出身で呉漢とともに広阿で劉秀に臣従した豪傑である。豪傑という表現にふさわしく、八尺(約184cm)の身の丈と三百斤(約66kg)の強弓を引くことができる強力の持ち主で、性格も体格に似つかわしく豪放だった。
その蓋延が、鉅鹿を攻めあぐねている現状にいささか倦んでいるという。劉秀の指揮能力への不信やそれを理由とした忠誠心のゆらぎというものではないのだが、豪放な性格が裏目に出て欲求不満がたまっているようなのだ。
また劉秀に合流して華々しい戦果をあげる機会にめぐりあっていないことも不満であるらしい。要するに新しい主君によいところを見せて格好をつけたいのだ。
「蓋将軍の将才は迫り来る銅馬を撃退するに充分であろうと思われます。懸念としては、将軍直属の部隊は騎馬隊ゆえ機動力は申し分ありませぬが数においてやや不安です。ゆえにもう一部隊、独自に騎馬隊を編成・出撃させ、蓋将軍の後詰めをさせれば万全かと」
蓋延の性格からすれば一度不満を解消させておくのが最善であろう。そうすれば彼はさらに劉秀への忠誠を厚くし、精勤するに違いない。
鄧禹はそう考えるが懸念もあった。蓋延の指揮能力は充分に有能だが、豪放すぎる性格ゆえか自らを恃みすぎるきらいが見え隠れするのだ。それが裏目に出れば危険なことになる。
それもあっての「もう一つの部隊」である。後援の兵があるならそうそう蓋延が負けることはないだろう。
もう一つ。鄧禹は上谷・漁陽の突騎兵以外にも強力な騎馬隊を養成したい考えていた。ゆえに蓋延を助勢させる騎馬隊は上谷・漁陽以外の人馬を募る予定である。それらの騎馬隊にも経験を積ませておきたかった。
このように様々な意図を含めて鄧禹は進言し、劉秀は力強くうなずいて賛意を示したが、一つ条件をつけた。
「わかった、そうしよう。ただし後詰めの騎馬隊の指揮は仲華、おぬしが執れ」
「私がでございますか」
これには鄧禹も意表を突かれた。騎馬隊の指揮は呉漢を推そうと思っていたのだ。
呉漢はもともと漁陽の突騎兵をひきいて騎馬隊の指揮は慣れている。新しい騎馬隊を任せても不安はない。また同僚の呉漢が後詰めであるなら蓋延も気を悪くすることはないだろう。
さらにこの出撃は蓋延に手柄を立てさせることも狙いの一つである。ゆえに後詰めの将には武勲を立てる機会がないかもしれず、功名心の強い将では不満が湧くかもしれない。呉漢にも当然功名心はあろうが、彼の人となりは朴訥で、質実剛健という表現がよく似合う。他の者よりこの役目を堅実にこなしてくれることだろう。いずれ彼にふさわしい活躍の場は必ず用意するとして。
それゆえ鄧禹は劉秀の指名に驚いたのだが、彼の主君はにやりと笑って続ける。
「上谷・漁陽の突騎兵に匹敵する兵を別に鍛えようというのなら、指揮官も新たに育てるべきであろう。それにおぬしは『利かぬ気』の年長者といかに接するかを鍛錬せねばなるまい」
そう言われ、鄧禹は感激と羞恥に赤面してうつむいた。
前者については鄧禹も考えないではなかった。だが今回は多方面に危険の多い実戦である。銅馬との戦いに負けた場合、劉秀の本隊も彼らに背後を突かれる可能性が高いのだ。それゆえ呉漢を後詰めにして可能な限り完璧を期そうとしたのだが、劉秀は鄧禹を推してくれた。それは指揮官養成だけでなく、鄧禹の実力を変わらず評価し、信じてくれているあらわれでもあった。鄧禹の敗北が自らの滅亡に直結しかねない危険を承知の上での指名なのだから。
ただ後者については羞恥のみである。
柏人の戦いで鄧禹は朱浮を持て余し、結果、自軍に大敗を招いた。寇恂や呉漢のように年少の自分を認めてくれる年長者ばかりではない。しばらく――おそらく十年以上――は陣営内で年少の立場にいなければならない鄧禹としては軽視していい問題ではなかった。
それゆえ次に似たような機会があったときはきっと上手くやってみせるとひそかに決意していたのだが、どうやら劉秀には見透かされていたらしい。そのことを恥じたのである。
「おそれいります。ですが蓋将軍は私のことを認めてくださっております。利かぬ気はいささか酷かと」
羞恥を諧謔にくるんで鄧禹は蓋延を弁護する。確かに蓋延は豪放な性格もあって、鄧禹のことを年齢で軽んじたりはしておらず、朱浮とは違う。
もちろん劉秀もそのことはわかっていての諧謔だと鄧禹も承知しており、それを示すため笑って応じたのだ。
「確かにそうだな。あれはいい気になると歯止めが利かなくなるお調子者なだけだからな。いずれ改めさせねばならぬが、今回はおぬしが歯止めになってくれ」
短いつきあいだが劉秀も蓋延のことはよくわかっている。だがその個性を気に入ってもいて、罪のない悪口にも好意がにじむ。しかし最後の一言には真摯さが混じっていた。
それゆえ鄧禹の短い返事にも同様のものがにじんだ。
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