愛してるんだけど

沢麻

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大輔(万恵パパ)③

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 「ねぇ愛子。また結ちゃんが日曜日に遊ぼうって誘ってきたんだけどどうする?」
 夕飯が終わって、万恵がテレビを見ているタイミングで大輔は切り出した。愛子は洗濯物を干している。大輔がこれから洗い物だ。
 「……ふーん。万恵と公園に行こうと思っていたけど」
 反応が悪い。
 「いや、嫌なら断るけどさ」
 「……」
 「わかった、断るね! 公園行こ公園」
 大輔がスマホを出すと、愛子はうんざりした顔で言った。
 「結ちゃんが遊ぼうって言ったの? それで、私が駄目って言ったから無理だわって言うの?」
 ……。
 違う。結ちゃんじゃなくて、美穂ちゃんだ。
 「なんか全部他力本願な感じ。大ちゃんて何したいの?」
 「え、ごめん意味がわからない」
 「自分が誘われたなら自分で考えて返事したら?」
 「遊んでもいいっていうこと?」
 「私の許可がないと何もしないわけ?」
 大輔には理解できないが愛子が不機嫌なので、とりあえず返信はあとにしよう。愛子は不機嫌だとものすごく洗濯物を干すスピードが上がる。大輔が今皿洗いに取りかかったところだというのに最早洗濯を終え、万恵にシャワーを強いている。テレビが中断され万恵がブーブー言い、戦いが始まりそうだった。面倒臭い。女は面倒臭い。
 《ごめん、まだちょっと予定わかんないや。相談て何? LINEじゃだめ?》
 とりあえず美穂ちゃんにはこう返した。ラインじゃ駄目だから誘われたのに、とも思ったが、愛子との調整が難航しているので仕方ない。
 「万恵はねぇ、今度はさくらも一緒に遊びたいよ」
 脱衣場から万恵の声が聞こえた。
 「結も好きだけど、さくらも、ゆっちゃんも、らんらんも好きだよ。女の子はみんな好き。みんな仲良しだよ」
 あぁそうか。さっきの話の続きを万恵としているのか。
 「でも男は凶暴だし嫌だよ。特に礼雄は最低だよ。大ちゃんにアイスを買え、買えって」
 「最低なんて言わないよ。みんないいところあるんだよ」
 「うーん、でも女子はみんな好きだよ」
 ……。これは結ちゃんと二人組を作らないで、女子会みたいな形にしたほうがいいのか。日曜日は他の女子も誘ってアイスにするか? 美穂ちゃんは他の女子のお母さんの連絡先知ってるかな。あ、でも相談があるのか。相手は大輔じゃなくてもいいのかな。
 ごちゃごちゃ考えているとスマホが振動した。
 《予定わかったらでいいですよー。急がないんで!》
 これだけ? 相談は?
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