スパダリ育成職人の仕事＜主に性的な部分で＞

ぷにぷに0147

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２　腹上死　下で死んでも　腹上死

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　転機というのは、突然にやって来ることが多いのではないか。
　マリアンヌ＝ド＝プリメーラ男爵夫人の転機は、夫が自分の下で死んだ事に始まる。

「あ、あなた？あなたああああ！！！？しっかしりして、ちょっと！」

　下で死んだが、腹上死である。下で死んでも上で死ぬとはこれいかに。腹の下で死んでも昇天するからであろうか。
　この時のマリアンヌは必死で人工呼吸したり、心臓マッサージを施したりしたが、すべては徒労に終わった。
　彼女にはわからないことであったが、夫は脳出血を起こしていたのである。
　その後、夫の昇天と冥福を祈るどころか、地獄へ下れ！と罵るのに相応しい遺産が明らかになるのだった。

「奥様、旦那様に貸与されたという方が今後のご返済のことでご相談にと、３名様いらっしゃいました……」
「すぐ行きますからとお待ちいただいて！ああ、借用書がこんなに隠されていたなんて、なにをやっていたのよあの人は！」

　多額の借金の発覚。
　何とか債務状況を把握し、判明したのは、女につぎ込んでいた末の借金ということだった。
　高級娼婦数人と遊びその遊興費に消えていたのである。
　女遊びはあまり褒められたものではないが、そうとやかく言うものでもない。貴族の男なんて、そこら中女をひっかけて遊ぶ物だからであり、メイドに手を付けない男の方が珍しいくらいだ。しかし、手の届く女にしておけば良いものをなぜ高嶺の花に手を出したのか。それで借金。しかも腹下死の前日の行動の裏を取ると、女を梯子して深酒と精力剤と媚薬を乱用した後、家で妻にばれないようにハッスルした結果、今までの乱行が祟り、若いにもかかわらずポックリ逝ったらしい。
　大体女性媚薬や男性精力剤というものは興奮剤が基本となっている。興奮させるのは心拍を上げ、血圧を高めるのが手っ取り早いものだ。そういった効果を持った怪しい薬を乱用すれば体に不具合がでるのだ、脳血管が切れるのも道理なのである。

　ちなみに安全に配慮され、薬効が証明されている勃起改善薬で有名なバイ〇グラは元々は狭心症の薬として開発された薬であった。初期は薬の乱用によって既に狭心症の薬を服用している男性が併用してしまい、併用禁忌薬としらず血圧降下しすぎて死亡するといった事故が何件も起こった。また、過剰摂取事故も起こっている。２００９年、イギリスの大衆紙「ザ・サン」(２月２６日付)が報じた事件で、１２時間耐久ＳＥＸに挑戦したロシアの男性がバイアグラを大量に摂取し死亡している。この男性は２８歳の機械工で、２人の女性と「１２時間ひっきりなしに性行為ができるか」という賭けを３０００ポンド(約４２万円)でし、この女性たちと１２時間のＳＥＸマラソンに挑んでいた。男性は賭けに勝とうと、短時間にバイアグラをボトルごと大量に服用し１２時間ＳＥＸをし続け、賭けには勝ったが心臓発作により死亡したのである。
　さらに、怪しい媚薬についていうと、よくエロ小説などに登場する本人の意思にかかわらず、すぐに女性を虜にしてしまう、性的興奮状態にさせるような強烈効果の媚薬で、「合法的で安全なもの」はない。なぜなら、そのような化学物質は向精神薬や麻薬、覚せい剤になってしまうからである。非合法であったとしても、安全なものは無いのである。セックスドラックとして使用される麻薬の多くがアップ系と言われる向精神作用のある麻薬であり、コカインや覚せい剤がそれにあたる。

　閑話休題

　さて、女にはまり薬に溺れた男の尻拭いに戻る。借金取りに頭を下げ続け疲弊し始めたプリメーラはそれでも気力を振り絞り、状況改善のために動く。

「家令！従僕たちを残らず集めて旦那様の借金状況をすべて把握し債務整理するのよ！それから債務関係の法に詳しい弁護士に使いを出さなければ！」
「かしこまりました。早速手配いたします」

　債務整理に奔走する日々。
　多くの場合借金というのは、複数個所に分散されていればいるほど、精神的にも返済行動的にも労力が増す。例えば、１００万円を１００人に借りるのと、１００万円を１人に借りる場合である。借金の返済日が来た時、１００人の取立人に頭を下げながら返済する状況と１人の取立人に頭を下げて返済する状況を考えてみればわかりやすい。一本化することで返済計画も練りやすくなるのである。
　借り換えは一本化は教会に絞ることとし、小口の債務を何とかまとめる算段を弁護士に依頼した。
　教会からの借金というとなじみがないが、世界にまたがる巨大宗教組織なのだ。独自の荘園なども持っており潤沢な資金を回している。貸金の信用度や返却のしやすさというのは教会からは、都市銀行から借り入れ、小口の個人債務は消費者金融、いわゆる街金からの借金と思えば早い。
「あの人あっちこっちの街金から借りてんだって」というのと、「あの人都市銀から借り入れしてるんだって」というのとでは借入者の信用度や利子率に、取立のえげつなさも違ってくるのである。
　

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