1 / 31
1 プロローグ
しおりを挟む王城の中のでも特に豪奢な一角。その中でも私的な空間である寝室で、二つの肉体が絡み合っていた。
いや、絡み合うというより、組み敷いているはずの上の者が、組み敷かれた下の者に明らかに手玉に取られるている。その二つは上のものが大きく悶え、嬌声をあげているのに対し、下のものは上の者を弄《なぶ》り、翻弄し、色を載せながらも冷徹な観察者の目を持って官能を高めていく。
「殿下、もう少しこらえなさいませ、まだ少々高みに昇るのは早ようございます」
「そ、そんなことを言ってもだな、ああ!こんな熱い!蠢くものに入れていてはうお!」
必死で耐えていたのであろうが、受け答えで言葉を発してしまったので、下を絞めることがおろそかになってしまったのであろう。ビクビクと腰を突き上げ登りつめた証を上の者の中に吐き出していく。
「仕方ありませんね、それでは本日の閨作法の伝授はここまででございます」
「ま、まて、私はまだやれるぞ!」
「殿下、連続になるとお疲れも溜まります。明日への体調管理もお考えなさいませ。それに2度目3度目となるとすでに女性の中が潤いを増してこなれてしまいます。男子の衝動をこらえつつ、女性の潤いを導きだして女性の官能を高め、円滑に交合する技法を習得する授業としては不適当でございます。また明日もまいりますのでどうぞ身を清めることをお許しください」
「うう、わかった。明日もよろしく頼むぞ」
しぶしぶと少年は女から身を離した。
しかし豊満でつややかな女の肌から離れるのを惜しむように撫でまわす。
「はい、では女性の身の清め方を、先日お教えしたとおりにやってみてくださいませ」
「わかった、まず労わるように口づけを落とすのだったな、それから精をこぼさぬように布巾を当てて引き抜いて掻き出す……」
「はい、本日は中を掻き出す方法を行っていただきます。基本的には掻き出しても出さなくても中にお種を出されますと妊娠する確率が高くなりますのですが、お相手が起きられたときお種が噴出すると気まずい思いもされるので、その対処でございます」
「うむ。では掻き出す……。しかしこれでは子種が無駄にならんか?」
「いいえ、無駄ではございません。お子を作るだけが交わりの意義ではなく、夫婦の相互交流の一部でもあるのです。まだ新婚の場合や子が生まれて日が浅い場合は、お妃様を労わる意味も込めて孕まれる次期を多少ずらすために中ではなく外で出すことも多いのです。それはさほど確実な避妊法ではございませんが……。確実に子をなす方向でしたら、掻き出さずそのまま女性の足をそろえまして、枕やクッションなどを臀部をあげ、種をこぼさぬ様な角度に蜜口を上げた位置でしばし休みます。その際乾いた布巾も臀部や陰部の下に敷かれますと流れ出ても汚れが広がりません。そのやり方についてはまたの日にて」
「そうか…しかしそのやり方をするとそなたが孕まぬか?」
「ご安心を、わたくし石女ですので」
「そ、そうか?すまぬ」
非常に気まずい顔をして俯く少年。
しかし女は慈愛を込めて微笑んだ。
「いいえ、このような仕事には必須の技能でございますゆえ、お気になさらず」
「うむ……、きれいになったぞ」
「はい、お上手でございました。では次に、女性へ寝間着を着せるにはまず体を横向きにし上にになった腕に袖を通し、前に合わせ腿を覆い、背中の皺を整えます。そして体の下の方にまっすぐに整えた残りを軽く押し込み仰向けにします、すると通していない方の側から服を引き出しやすいので、このように引き出してから……」
(しかし、王太子に私の服を着させるだなんて、私もそこそこ上り詰めたもんだわな)
その女、プリメーラ男爵夫人、マリアンヌ=ド=プリメーラは指示をし、少年に着衣をさせる手順を示していった。
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
憧れの童顔巨乳家庭教師といちゃいちゃラブラブにセックスするのは最高に気持ちいい
suna
恋愛
僕の家庭教師は完璧なひとだ。
かわいいと美しいだったらかわいい寄り。
美女か美少女だったら美少女寄り。
明るく元気と知的で真面目だったら後者。
お嬢様という言葉が彼女以上に似合う人間を僕はこれまて見たことがないような女性。
そのうえ、服の上からでもわかる圧倒的な巨乳。
そんな憧れの家庭教師・・・遠野栞といちゃいちゃラブラブにセックスをするだけの話。
ヒロインは丁寧語・敬語、年上家庭教師、お嬢様、ドMなどの属性・要素があります。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
彼女の母は蜜の味
緋山悠希
恋愛
ある日、彼女の深雪からお母さんを買い物に連れて行ってあげて欲しいと頼まれる。密かに綺麗なお母さんとの2人の時間に期待を抱きながら「別にいいよ」と優しい彼氏を演じる健二。そんな健二に待っていたのは大人の女性の洗礼だった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる