19 / 28
今も続く快晴といふ空
今も続く快晴といふ空5
しおりを挟む
では、なぜ嘘を付いているんだ?
いや、この場で問うべき言葉は其れではない。
彼女の自殺には、様々な謎がある。
彼女は自殺をする際、誰にも見られないような郊外の廃墟を選んだ。その理由は彼女が廃墟巡りを趣味としており。その際に、廃墟巡りを通じてあの場所を選んだのだろう。
私が思うに、彼女が選んだ条件は二つだ。
一つ。人が来ない場所である事。
その方法は、焼死か刺殺である事。
それ以上の事は考察の域に入る為、割愛するが。私はこの自殺に対して、人為的な影響が含まれていると思っている。
私が理解している漣は、多少也の傷があろうとも立ち上がれる強い人間だ。そんな彼女が追い詰められたほどの何かがあり、彼女はそれを伝えようとしたのではないか?
彼女の心をそれ程動かせる”誰か”は__。
私の知る限り二人いて。
いなくなった彼女を除けば、目の前の探偵しかいない。
少なくとも、目の前の探偵は事情を知っている筈なのだ。
治先輩は、人を見る目があり彼女の事情を理解できる。そして、その上で彼女のメンタルに対して影響を与えられる唯一の人間だと私は理解している。
「__なぜ、嘘を付くんですか?探偵さん」
「何の事だ?」
「知っていますよね?明らかに」
沈黙が辺りを支配する。
夏らしい陽気が、その無音を掻き消していく。
「教えてください。何故彼女は自殺したんですか?」
「__何のことか、さっぱりだ」
沈黙は無く、彼は否定を答える。
茹だれるような蝉時雨が場を支配し、歩を歩もうとする彼を私は止めた。もし彼がこの事態に対して、下らない事だと思っているのなら?後輩が死んで、私という後輩が声を上げたとして。
彼は真実を語るだろうか?
__その可能性は、無いに等しい。
「教えてください。貴方は。何を知っているんですか?」
「__」
探偵の言葉が止まった。
私は人物画を撮る事を何よりも愛している。
その趣味も相まってか、人を見る目は確かだと思う。
故に、私は私の先輩であり探偵である治先輩の性格を、より深く知っている事を自覚している。公務員というあだ名を持つ彼は、その名の通り几帳面な性格をしている。
そしてそれは、彼の性格を支える土台でもある。
追い立てるように、言葉を並べれば。__探偵は、苛立つように口を開いた。
真面目であるがゆえに、彼は立て続ける言葉を無視できない。
「それを聞いてどうする気だ?お前は、アイツの代行者か?あいつの思いを受け継ぐとでも言うのか?__冗談じゃない。いいか、太宰。お前が理解しない事こそがアイツの尊厳だ」
まるで自分に言い聞かせるように。
そんな感情を含めるように、探偵は言葉(いらだち)を漏らした。
「死者は何も語れない。だからこそ、尊厳は守り通さなくてはならない」
尊厳。それが、彼女の秘密を守る理由なのだろう。
「__私が何かを知る事で、彼女の尊厳が消えるとでも?」
「お前がお前らしく振舞う事で、他人に迷惑が掛かるんだよ」
「__そんなの可笑しいですよ」
「がんばる無能が一番邪魔なのさ。お前みたいにな」
自嘲気味に続ける探偵。
私に向けられている筈の言葉だが、その方向性は、自分に向けられているように思われる。
「__漣が死んだ理由は、おまえを守る為だ。俺は、それ以外に言えない」
「__どういうことですか?」
「死者は何も語れないが、その死には意味がある。意味があってしかるべきだ。お前が日常を続けることが、お前がアイツを忘れない事が。__アイツの意味になる」
自分を突き刺す行為が、私を守る為?
その行為がどうしてそれに繋がる?自分に対しての殺意が、何故私を守る事に繋がる?
__いや、もしかして。
「意味になるんだ。アイツの自殺も、お前の後悔も」
その殺意の方向性は、__やはり、私にあるのではないか?
「言っている事が分かりません」
「奇遇だな。オレもだ」
あっけらかんと、彼は答えた。
少しばかり、肩の荷が下りたような顔をしていた。私は知っている。探偵は重荷を背負いすぎているのだ。だから感情的になり、時折その感情を吐き出してしまう。
私はソレを利用したに過ぎない。
「とにかく、気にするな。お前が友人を忘れなければそれでいい」
それ以上、言葉を続ける気は無さそうだった。
何時も通り前を向いて、探偵は歩きだした。私は知っている。姉さんの横にいたこの人は、事務的ながら冷徹ではない事を。決断に至るまでに、後悔が無い訳ではない事を。
だからこそ、彼は彼女の死に対して”仕方がない”と思っている。
それが彼女の決断だからか。それともほかに理由があるのかもしれない。
それを踏まえて、含めながら。最善である事に重きを置く人間だ。
冷徹な思考が出来る人間が、冷たいばかりの人間で無い事は私の理解する所だ。
「それは、探偵としての答えですか?」
「お前よりも生きた、先人としての言葉だ。太宰」
私はソレでも。
「僕は、それでも知ろうとしますよ?」
__簡単な事だった。
彼がどうするかではなく、これはやはり、私の話なのだ。
私は、今初めて気づいた。私は他人に頼りすぎている。これが彼女の問題であると言われたとしても、自分を巻き込まない為の犠牲だとしても。__重要なのは、私が何をするべきかだ。
「先輩」
「その言葉は、井辻にしか使わないんじゃなかったか?」
私は少しばかり大切にしていた言葉を捨てた。
言葉は、多用するごとに重みを無くしていく。
姉さんが死んでから、私の重みであったはずの停滞を。
私は自身に対しての彼女の思い出は無く、自分が何を求め何をしたいのかを明確に示さなければならない。
私という人間にとって、私が最善である選択をしなければならない。
私が彼女の自殺の理由だとしても、それは彼女の選択であり私ではないのだから。
呪いは、共感を産もうとする呪詛だ。
けれど。
私は、私である。
「ええ。ですがもう止めにしたんです。私はこれから、私の好きを貫かなきゃいけないんです。先輩や、お姉ちゃんの言葉では無くて。私の言葉で、私の選択を歩もうと思います」
歩む足は、自分自身の足であるはずだ。
「__だから、御迷惑をかけると思います」
それは、宣言に近い言葉だ。
私はこの死を理解し、停滞を望まないという。
「__お前をお世話したつもりは無いよ」
「邪魔でしたか?」
「うるさい後輩が消えて清々する。__お前が何をしようが、俺は俺のやるべきことをする。それはお前も同じだろ?」
「__やはり。先輩は、ツンデレですね」
私は受け売りの言葉を吐く。
その意味に沿うように、彼は顔を背けるのだ。
「井の中の蛙は大海を知らないが、生きていけぬとも限らんからな」
いや、この場で問うべき言葉は其れではない。
彼女の自殺には、様々な謎がある。
彼女は自殺をする際、誰にも見られないような郊外の廃墟を選んだ。その理由は彼女が廃墟巡りを趣味としており。その際に、廃墟巡りを通じてあの場所を選んだのだろう。
私が思うに、彼女が選んだ条件は二つだ。
一つ。人が来ない場所である事。
その方法は、焼死か刺殺である事。
それ以上の事は考察の域に入る為、割愛するが。私はこの自殺に対して、人為的な影響が含まれていると思っている。
私が理解している漣は、多少也の傷があろうとも立ち上がれる強い人間だ。そんな彼女が追い詰められたほどの何かがあり、彼女はそれを伝えようとしたのではないか?
彼女の心をそれ程動かせる”誰か”は__。
私の知る限り二人いて。
いなくなった彼女を除けば、目の前の探偵しかいない。
少なくとも、目の前の探偵は事情を知っている筈なのだ。
治先輩は、人を見る目があり彼女の事情を理解できる。そして、その上で彼女のメンタルに対して影響を与えられる唯一の人間だと私は理解している。
「__なぜ、嘘を付くんですか?探偵さん」
「何の事だ?」
「知っていますよね?明らかに」
沈黙が辺りを支配する。
夏らしい陽気が、その無音を掻き消していく。
「教えてください。何故彼女は自殺したんですか?」
「__何のことか、さっぱりだ」
沈黙は無く、彼は否定を答える。
茹だれるような蝉時雨が場を支配し、歩を歩もうとする彼を私は止めた。もし彼がこの事態に対して、下らない事だと思っているのなら?後輩が死んで、私という後輩が声を上げたとして。
彼は真実を語るだろうか?
__その可能性は、無いに等しい。
「教えてください。貴方は。何を知っているんですか?」
「__」
探偵の言葉が止まった。
私は人物画を撮る事を何よりも愛している。
その趣味も相まってか、人を見る目は確かだと思う。
故に、私は私の先輩であり探偵である治先輩の性格を、より深く知っている事を自覚している。公務員というあだ名を持つ彼は、その名の通り几帳面な性格をしている。
そしてそれは、彼の性格を支える土台でもある。
追い立てるように、言葉を並べれば。__探偵は、苛立つように口を開いた。
真面目であるがゆえに、彼は立て続ける言葉を無視できない。
「それを聞いてどうする気だ?お前は、アイツの代行者か?あいつの思いを受け継ぐとでも言うのか?__冗談じゃない。いいか、太宰。お前が理解しない事こそがアイツの尊厳だ」
まるで自分に言い聞かせるように。
そんな感情を含めるように、探偵は言葉(いらだち)を漏らした。
「死者は何も語れない。だからこそ、尊厳は守り通さなくてはならない」
尊厳。それが、彼女の秘密を守る理由なのだろう。
「__私が何かを知る事で、彼女の尊厳が消えるとでも?」
「お前がお前らしく振舞う事で、他人に迷惑が掛かるんだよ」
「__そんなの可笑しいですよ」
「がんばる無能が一番邪魔なのさ。お前みたいにな」
自嘲気味に続ける探偵。
私に向けられている筈の言葉だが、その方向性は、自分に向けられているように思われる。
「__漣が死んだ理由は、おまえを守る為だ。俺は、それ以外に言えない」
「__どういうことですか?」
「死者は何も語れないが、その死には意味がある。意味があってしかるべきだ。お前が日常を続けることが、お前がアイツを忘れない事が。__アイツの意味になる」
自分を突き刺す行為が、私を守る為?
その行為がどうしてそれに繋がる?自分に対しての殺意が、何故私を守る事に繋がる?
__いや、もしかして。
「意味になるんだ。アイツの自殺も、お前の後悔も」
その殺意の方向性は、__やはり、私にあるのではないか?
「言っている事が分かりません」
「奇遇だな。オレもだ」
あっけらかんと、彼は答えた。
少しばかり、肩の荷が下りたような顔をしていた。私は知っている。探偵は重荷を背負いすぎているのだ。だから感情的になり、時折その感情を吐き出してしまう。
私はソレを利用したに過ぎない。
「とにかく、気にするな。お前が友人を忘れなければそれでいい」
それ以上、言葉を続ける気は無さそうだった。
何時も通り前を向いて、探偵は歩きだした。私は知っている。姉さんの横にいたこの人は、事務的ながら冷徹ではない事を。決断に至るまでに、後悔が無い訳ではない事を。
だからこそ、彼は彼女の死に対して”仕方がない”と思っている。
それが彼女の決断だからか。それともほかに理由があるのかもしれない。
それを踏まえて、含めながら。最善である事に重きを置く人間だ。
冷徹な思考が出来る人間が、冷たいばかりの人間で無い事は私の理解する所だ。
「それは、探偵としての答えですか?」
「お前よりも生きた、先人としての言葉だ。太宰」
私はソレでも。
「僕は、それでも知ろうとしますよ?」
__簡単な事だった。
彼がどうするかではなく、これはやはり、私の話なのだ。
私は、今初めて気づいた。私は他人に頼りすぎている。これが彼女の問題であると言われたとしても、自分を巻き込まない為の犠牲だとしても。__重要なのは、私が何をするべきかだ。
「先輩」
「その言葉は、井辻にしか使わないんじゃなかったか?」
私は少しばかり大切にしていた言葉を捨てた。
言葉は、多用するごとに重みを無くしていく。
姉さんが死んでから、私の重みであったはずの停滞を。
私は自身に対しての彼女の思い出は無く、自分が何を求め何をしたいのかを明確に示さなければならない。
私という人間にとって、私が最善である選択をしなければならない。
私が彼女の自殺の理由だとしても、それは彼女の選択であり私ではないのだから。
呪いは、共感を産もうとする呪詛だ。
けれど。
私は、私である。
「ええ。ですがもう止めにしたんです。私はこれから、私の好きを貫かなきゃいけないんです。先輩や、お姉ちゃんの言葉では無くて。私の言葉で、私の選択を歩もうと思います」
歩む足は、自分自身の足であるはずだ。
「__だから、御迷惑をかけると思います」
それは、宣言に近い言葉だ。
私はこの死を理解し、停滞を望まないという。
「__お前をお世話したつもりは無いよ」
「邪魔でしたか?」
「うるさい後輩が消えて清々する。__お前が何をしようが、俺は俺のやるべきことをする。それはお前も同じだろ?」
「__やはり。先輩は、ツンデレですね」
私は受け売りの言葉を吐く。
その意味に沿うように、彼は顔を背けるのだ。
「井の中の蛙は大海を知らないが、生きていけぬとも限らんからな」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
Hand in Hand - 二人で進むフィギュアスケート青春小説
宮 都
青春
幼なじみへの気持ちの変化を自覚できずにいた中2の夏。ライバルとの出会いが、少年を未知のスポーツへと向わせた。
美少女と手に手をとって進むその競技の名は、アイスダンス!!
【2022/6/11完結】
その日僕たちの教室は、朝から転校生が来るという噂に落ち着きをなくしていた。帰国子女らしいという情報も入り、誰もがますます転校生への期待を募らせていた。
そんな中でただ一人、果歩(かほ)だけは違っていた。
「制覇、今日は五時からだから。来てね」
隣の席に座る彼女は大きな瞳を輝かせて、にっこりこちらを覗きこんだ。
担任が一人の生徒とともに教室に入ってきた。みんなの目が一斉にそちらに向かった。それでも果歩だけはずっと僕の方を見ていた。
◇
こんな二人の居場所に現れたアメリカ帰りの転校生。少年はアイスダンスをするという彼に強い焦りを感じ、彼と同じ道に飛び込んでいく……
――小説家になろう、カクヨム(別タイトル)にも掲載――
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
彗星と遭う
皆川大輔
青春
【✨青春カテゴリ最高4位✨】
中学野球世界大会で〝世界一〟という称号を手にした。
その時、投手だった空野彗は中学生ながら152キロを記録し、怪物と呼ばれた。
その時、捕手だった武山一星は全試合でマスクを被ってリードを、打っては四番とマルチの才能を発揮し、天才と呼ばれた。
突出した実力を持っていながら世界一という実績をも手に入れた二人は、瞬く間にお茶の間を賑わせる存在となった。
もちろん、新しいスターを常に欲している強豪校がその卵たる二人を放っておく訳もなく。
二人の元には、多数の高校からオファーが届いた――しかし二人が選んだのは、地元埼玉の県立高校、彩星高校だった。
部員数は70名弱だが、その実は三年連続一回戦負けの弱小校一歩手前な崖っぷち中堅高校。
怪物は、ある困難を乗り越えるためにその高校へ。
天才は、ある理由で野球を諦めるためにその高校へ入学した。
各々の別の意思を持って選んだ高校で、本来会うはずのなかった運命が交差する。
衝突もしながら協力もし、共に高校野球の頂へ挑む二人。
圧倒的な実績と衝撃的な結果で、二人は〝彗星バッテリー〟と呼ばれるようになり、高校野球だけではなく野球界を賑わせることとなる。
彗星――怪しげな尾と共に現れるそれは、ある人には願いを叶える吉兆となり、ある人には夢を奪う凶兆となる。
この物語は、そんな彗星と呼ばれた二人の少年と、人を惑わす光と遭ってしまった人達の物語。
☆
第一部表紙絵制作者様→紫苑*Shion様《https://pixiv.net/users/43889070》
第二部表紙絵制作者様→和輝こころ様《https://twitter.com/honeybanana1》
第三部表紙絵制作者様→NYAZU様《https://skima.jp/profile?id=156412》
登場人物集です→https://jiechuandazhu.webnode.jp/%e5%bd%97%e6%98%9f%e3%81%a8%e9%81%ad%e3%81%86%e3%80%90%e7%99%bb%e5%a0%b4%e4%ba%ba%e7%89%a9%e3%80%91/
「南風の頃に」~ノダケンとその仲間達~
kitamitio
青春
合格するはずのなかった札幌の超難関高に入学してしまった野球少年の野田賢治は、野球部員たちの執拗な勧誘を逃れ陸上部に入部する。北海道の海沿いの田舎町で育った彼は仲間たちの優秀さに引け目を感じる生活を送っていたが、長年続けて来た野球との違いに戸惑いながらも陸上競技にのめりこんでいく。「自主自律」を校訓とする私服の学校に敢えて詰襟の学生服を着ていくことで自分自身の存在を主張しようとしていた野田賢治。それでも新しい仲間が広がっていく中で少しずつ変わっていくものがあった。そして、隠していた野田賢治自身の過去について少しずつ知らされていく……。
ヤマネ姫の幸福論
ふくろう
青春
秋の長野行き中央本線、特急あずさの座席に座る一組の男女。
一見、恋人同士に見えるが、これが最初で最後の二人の旅行になるかもしれない。
彼らは霧ヶ峰高原に、「森の妖精」と呼ばれる小動物の棲み家を訪ね、夢のように楽しい二日間を過ごす。
しかし、運命の時は、刻一刻と迫っていた。
主人公達の恋の行方、霧ヶ峰の生き物のお話に添えて、世界中で愛されてきた好編「幸福論」を交え、お読みいただける方に、少しでも清々しく、優しい気持ちになっていただけますよう、精一杯、書いてます!
どうぞ、よろしくお願いいたします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる