黒炎のレヴィ~武器として生きる少年は愛を知る

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2章 革命のいぶき

4話 異邦人

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  帝都の東は大勢の非魔血がひしめき合うように暮らしている
 その人口、帝都の西の貴族居住区の6倍近く。
 それほどまでの人々がこの狭いスラム街に鮨詰めになって生きていた。
 そんなバラックがひしめき合う街をセドナ・フロストに強引に手を引かれながらレヴィは進んでいく
 そして、彼女が連れてきたのはひとつの小さな家だった。
 否、家と言う割には少し特異な見た目だ。
 暖炉の煙突にしては多すぎるパイプやダクトが沢山屋根を突きまくっており、水もないのに水車のような大きな鉄の車輪がすごい存在感を放っている
 家自体も右半分が分厚い分厚い鉄板で覆われており本当に異様な外見だ
「おい、まさかこの変な家が·····」
 レヴィのその危惧を他所にセドナは足取り軽くその家の外階段を登った
「遅くなっちゃったけどただいまー·····」
  彼女がそう言った次の瞬間、異様な家の扉がバンと勢いよく開きそのまま一人の女が彼女に抱きついた
「せードーナー!遅いよ!遅すぎるわよー!」
 その女はすらっとした長身の美女だが――その肌はレヴィと変わらない褐色だった
「なにか危ない目でもあったの?遅すぎたからみんな心配してるんだから·····」
「ちょっとトラブルが起きちゃってね……でも心配してくれてありがとう。カラ」
「やだ、あんたに何かあったら私どうかしちゃうわよー」
 カラと呼ばれた褐色肌の美女はニコニコしながら一言言った
「もしあんたに何かあったら私がそいつ殺すから」
 その一言はただの冗談なんかでは無い
 遠巻きにその様子を見てレヴィは一瞬身構えた
 カラはその瞬間、レヴィの存在に気づいた
 その瞳は先程セドナを暖かく迎えた優しさなど毛頭感じない。殺意が見え隠れするくらい恐ろしく冷たい目だった。
「セドナ。あいつ誰よ」
 カラは冷たくレヴィを見つめたままセドナに聞いた
 セドナは「色々あったんだけどね」と前置きを言ったあとに笑いながら言った
「なんか面白いかなと思ってつい連れてきちゃった」
  なんだよその理由は――レヴィはセドナの説明に色々つっこみたくなったが、それよりも先にカラはレヴィの前に立ちはだかった
「あんた。夜美ノ民なの?」
 威圧的なその言葉にレヴィは彼女を睨み返した
「混ざってるだけだ」
 その一言にカラは納得した様子で「ふうん」と小さく頷いた
「で、こいつどうすんの?」
  カラはそう言うとセドナを見た
「うん、多分ランクスの研究に役に立つんじゃないかって思ったからとりあえず……」
 なんだと――こいつ俺を研究材料として連れてきやがったのか!
  そう言おうとしたその瞬間、それを止めたのはものすごくこちらを威圧する瞳を投げかけたカラだった
「……そうね」
  カラは舐め回すような瞳でレヴィをジロジロと見つめた
「あんた、名前は?」
  その一言にレヴィは臆することなく言った
「レヴィ・リーゥ」
 「リーゥ·····リュウ家の出·····だとしたらユノ様の息子か何かかな……」
 彼女の独り言に似たその言葉にレヴィはおもわずギョッとする
 何でこの女が母さんの名前を知ってるんだ――?
 それを問おうとする前にカラはレヴィの背中を強く叩いた。
「私の旦那に手を出したら·····殺すわよ」
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