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第24章 ドラゴニックエスタ トライアル

第1259話 工具ベルトは職人の必須工具です

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 そして、ゴーレム回路は魔石の魔法回路と一緒なら、どこかに方程式の書かれた文字があるはずだ。無いなら埋め込みが可能だ。私は道具箱からルーペを取り出してそう言えば初めて…。
「待つのじゃ、それは何じゃ!?」
「建築現場で使う工業用ルーぺだ。」
「いや、ルーペとかあるとは言わんかったじゃろ!」
「…それは不当だな、私の工具ベルトは基本的な最低限度の工事用の物だ。」
「クックック。面白い事になってきた。というかシーフのゲーム的な物と思ったが違うのか?」
「いや、これは私愛用の工具ベルトで、基本汎用型だ。」
 全員がこっちを睨んでいる気がする。
「勇者よ、すまないがそこの男を取り押さえて、ベルトは外させるのじゃ。」
「…見学客動かさせるなよ、すまないが・・。」
 なんか勇者とメイドさんの二人がこっちを挟む。作業の遅延になるからな。無抵抗に・・。
「何ですか!?この重さは!?」
「それでも愛用の釘とかネジセットが入ってないだけ軽いはずだ。」
 外されたベルトを、教授とドランが分解して並べていくと、かなりの広さになった。
「いやこれ…。」
「分かっているだけで、数十点ありますね。いや、知らない物ばかりです。」
「これはのこぎりじゃろ。金づちもあるし、これは?」
「ああ、木の幅修正用のかんなだ。小さい奴でな。大きいのは工具箱に入れるが、その大きさのはショップを回って手に入れた。」
「これは…私も見た事無いな。」
「木に限るのかのぉ?」
 ドラン達がそれぞれ思い思いに道具を見て回る。
「私が10年以上かけて集めた工具たちだ。ついでにパターンとかで持ち込みベルトは分けている。」
「ほかにもあるのかのぉ。」
「まあ民家用。鉄筋用。コンクリ用だな。」
 民家用は隙間が大きく、…最初から説明すると民家の工事現場の時は場所にもよるが一人で作業を進めないと予算が足りない場合がある。その時は一人で全部をこなすように、道具は最低限度にして木の建築が多いから気に対応した物を多く揃えている。鉄筋用は主に多数の工務店が入るビル系の工事現場用の物だ。手直しが最低限度になるが、石向けや軽さ重視に重きを置いている、コンクリ用は道路工事とかのノミとかの最低限度のもの以外は持ち歩かない。逆に持ち込めば重機に引っかかってこっちが巻き込まれ事故で死にかねないし、大型重機が多いから。そんなに工具はいらない。汎用は緊急招集された時にどの工事が来るかわからない時用に組まれたどれでも対応可能な代わりに重めのセットだ。
「違うのかのぉ。」
「全然違う、今のは汎用だから。どっちにも使えるものを多めに入れている、接着剤も入っているだろ?」
「全然わからんが、基本的な工具はあるのか…初めて見るな。」
 それには勇者も、むしろメイドさんも感心していた。
「一応携行バッテリーと電動ドリルとかのそういう電気系もあるのだが、それは電気がない関係で外している、言うなら異世界向け編成だな。」
「で、その四角い透明な板がルーペじゃな。」
「細かい傷や釘の入りとかを見るためのそんなに倍率高くない奴だ。そっちのが測量用の簡易メジャーだ。」
「この紐が?」
「普通に売っているメジャーとかだと曲線に弱いとかあってな。後カラビナつけたりすることもある、その為にローブに目張りが売ってある自作の工具だ。」
「職人だな…。」
「だから一通りの工事なら一人で出来る。電気配線は苦手だがな。だからゴーレムとかの知識は本来ない。」
「で、ゴーレムのどこを見るんじゃ。」
 いくつかの工具を拾うとルーペを取り返し、ゴーレム回線の配線を見つめる。
「なんか文字が見えるとか、ゲーム的に配線に何か書かれるとかあれば…。無いな。」
「配線に意味がないのか?」
「少しやってみよう。そう言えばゴーレム回路に巻き込むように集結魔法陣は仕込めるからな。」
 それに反応した…教授を私は見逃さなかった。

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今年も一年ご愛顧感謝申し上げます。一月一日は休ませていただき、2日から執筆を再開いたします。お疲れさまでした。
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