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第24章 ドラゴニックエスタ トライアル

第1249話 それは静かに音もなく

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まあ、悪い人間ではないのが分かる。そして…かなり日が昇ったころ…猫耳少年…いやニャオが起きてきて…朝食を食べて材料を入手したとと報告し、そのまま水の巫女に献上…そこから2か月かけて水の巫女がオーブを作成するらしい。…。
「費用回収でピラミッド行かない?」
「結局行くんじゃないか。」
「義務がなくなって逃げれるだけましだよ。」
 と言いつつ、ピラミッド地下に向かうと…そこには宝石竜の特徴を聞いたことが…ドランからある。ついでに今回の件にドラン達は不参加だ。というのも彼らにとってここは一か月ぶりぐらいの人化であり…体調が戻らないためだという。当然と言える。旅は緊張で付かれるもので、昔の旅は一度500kmとか移動すると、街に着いて一週間は疲労回復させつつ飲み食いを堪能する。食い貯めって奴だ。そして英気を養い次の旅に向かう。商談をする商人はその間に次の旅に向けた食料の確保や旅の行き先を決定する。これがキャラバン的な旅だ。当然人数が少ないと食べ物は少なくていいし。こっちはショップが使えるのでその食料も楽園定食でカバーできる。
「砂漠の夜か…。」
 私達は影に乗って移動なので、休憩が少なくて済むというのが楽だ。葉や馬並みの移動力ともいえる。それでもオアシスの村から北上すること二日。そこにピラミッドがあるという。そして現在はその一日目の夜だ。周囲は暗く…襲撃は…例のシャドウゴーレムにより回避され…今はゆっくり…寒くなった砂漠の夜を堪能している。
「寒いよね。」
「ですね。」
 料理はなぜかよくミアが晩飯は作ったりする。その為に出発時にニャオが闇魔法で物資をボックス内に入れて運搬していた。只まあ…。
「確かにな、昼は熱いのにな…。」
「大砂海だとこうらしいぞ。」
「そんなというか…聞いたことがある難所だな。」
「ああ。」
「どんなところなの?」
「私も聞いたことがあるだけだ。ここと似た感じで砂漠なんだが…夜は砂鮫や砂を泳ぐ魚たちがいるという。ここはそれもない…静かなすなだ。」
「…静か…そう言えば音一つしないし…風が限界だな。」
「どうぞ、熱い白湯でございます。」
 ミアが全員に鉄のカップに入ったお茶を差し出すので、熱いな。
「そこに比べてさえ…ここは生命の音さえもしないな。」
「砂漠…か思い出したな。」
「なんだ?」
 自分は、あえて砂…一応布を引いた上で…寝転がって空を見つめる。
「アラブの人間にとって砂漠に暮らせるのはあこがれだという。」
「憧れ?」
「憧れだ。あまりに厳しい自然だが…砂漠に豪邸を立てて暮らすのが…夢だそうだ。その為にすべてを完結できる家を建てたいという話を聞いたことがある。」
「憧れ…何もないですよ?」
 ミアは不思議そうに、砂漠を見つめる。
「だろうな、何もない…そして砂が音を吸うから…非常に静かなんだ。夜は空が美しく…そして底冷えする寒さがある。それがいいんだと。砂漠に抱かれる感覚。」
「そういうもんか?」
「よく都会で暮らしていたからわかるな。静かな…夜って奴を味わうと、都会では浅い眠りしかできなくなる。」
「そう言えばそうですね、こっちに来て…夜は静かですね。」
「当たり前すぎて気が付かん。」
 中世ファンタジーの利点の一つともいえる。、夜が綺麗…だ。後静かって奴は…都会ではないな。
「そう思えば砂漠の夜は貴重だぞ。」
「確かに…。」
 耳を澄ましても何も聞こえないというのが…好きか嫌いかは別だけどな。
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