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第24章 ドラゴニックエスタ トライアル

第1234話 型を流用して実戦に至る

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 しばらく練習を終えて…なんとなく武器との相性が悪いのが体感できた。訓練してそれかと思うかもしれないが手に染み付いた工具への思いが…武器を拒絶し
ていた。なので、今は柴崎さんとエナリシアの一騎打ちを見ていた。…柴崎さん後で聞いたところによると、結構命の狙われるほど…官僚時代に周りの人から
恨まれていた。坩堝を呼ばれたのも…それ位融通が利かず、会計に徹していた。が政治家や企業からは恨まれる…官僚だった。だからよく要人警護を付けられ
ていた。当然そんな予算は噂になった時だけだ。一週間ぐらいとか短期間が多くなる。が、襲ってくる人間はそんな期間なんて定めてこないと考えていた。
だから警備の人に護身術を習ったり、警察庁の道場で護身術を習っていた。SP訓練って奴だ。日本のSP訓練は柔術や棒での取り押さえ術など多岐にわたる。…
地味に柴崎さんはそう言う意味では正規の訓練を受けた格闘家だ。ついでに…教授によるとあの三日月ナギサはその警察の武術童虎位階に教えるくらいには
武術に精通していた。…そしてエナリシアは肉体は強くなってもそう言う武術は習っていない子供だ。
「はい!」
 掛け声とともに、エナリシアの槍がまた弾き飛ばされていった。槍で受けられ絡めとられそして弾かれていった。
「…なんで?」
「単純です。そして…。人間相手ならこれ位してきます。護衛ですからね。」
「…もう一回!」
 柴崎さんが押しているのが意外に思うが、彼女は激しく動く”動”のエナリシアと対照的に落ち着き、態勢を整え構える”静”の柴崎という感じの動きだ。
落ち着き、体をずらして勢いを殺しつつ捌いて、そのままエナリシアの耐性を崩していく。
「…ほら!」
「・・・ぐ!」
「待て、先ず待とう。」
 私もたまらず…また倒されたエナリシアを見て…止めた。
「…イルパさんどうして?」
「まず基礎がなっていないのに乱稽古はよくない。まずは…型からだ。」
「…型?」
「大工の修行の際もまずは切り方とかの基本を教えて…その意味を教えてはじめて次に行く。少し待ってくれ。」

 近くで指導していた教授を捕まえて…教えてもらう事にした。
「ふむ…クックック、結構スパルタだな。さてさて。」
「すいません…」
「いいのだよ。まず気味。槍女殿?あの時は説明をしていないが、まずは必要性を語らねばなるまい。こういう基礎の構築は学びたい意思を…持って”見る”事から 
始める。さてまずは突きから行こう。」
 そう言うと、槍を持って構える。
「突きと言っても流派に応じて・・これだけの突きの型がある。」
 教授が槍を素早く4回付く。かなり早く、なめらかに動くがその突きの鋭さは…空を割く音からして違っていた。
「これは一度相手に当てれば大抵は致命傷になる。最終的に突きを当てる事こそ…槍の技の集大成だ。」
 そう言うと、柴崎さんの方に向いて槍を構えた。
「実演に付き合ってほしい。まず見るべきは…脚だ。下半身も真似すると考えつつよく見ているといい。」
 言っていることが理解できたのか、柴崎さんは一礼すると真剣な面持ちで槍を構える。そして、教授が槍をついていくが、それお柴崎さんがかろうじて払って行く。
「ただし突きだけだと、この通り回避が容易だ。獣相手なら…スピードにさえ勝てるなら…槍を投げたり全力で付けば終わりだ。だが人間は違う。回避する。
受け流す。当然突きだけではこうなる。そこで払う!」
 教授が鋭く突きを入れて、思わずそれを払おうとするところを、教授が穂先だけで相手の耐性を崩すと、一気に払った。阻止れ…槍が柴崎さんの手から離れた。
「こうなる。払う事で攻撃にバリエーションを付ける。又穂先次第では…払って相手を切りつけることも視野に入れて欲しい。」
 柴崎さんが武器を拾っている間にエナリシアの目の前でゆっくり槍を突いたり払っていた。
「うん。」
「そしてだ、叩くは…この槍の絵の部分を使って叩く。穂先だけだと相手に見切られるからな。最終的にこれらを駆使して相手に突きを入れるのが…最終目的だ。」
そしてもう一回向き帰り柴崎さんと数合打ち合うとまたしても柴崎さんの武器が弾き飛ばされる。
「ありがとうございました。」
「いや、感謝しているよ、こういうのも悪くない。どうだね。」
「分かった。ありがとう。」
 ふむ、奥が深いが…槍か…考えないとな。
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