魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第24章 ドラゴニックエスタ トライアル

第１２３３話 武器の選択は金銭に関わる

　そして、私も一応棒を持って…参加者全員木の人形を叩いてみる。一応聞いたことがあるのか、自然と体をひねりつつの打撃を加える。
「クックック。どうかね？中々の物だと思うがね。」
「…これで終わりでいいのか？」
「組み合わせ。払う方向…そしてタイミングのその全ては自分で組み合わせて組み立てるんだ。後…基礎の構えとかは…実は苦手でね。私は無手勝流で。こういうのはナギサ君の方が得意なのだよ。」
「そうなのか？」
「彼女はほぼ現存する武器の全てが使えてしかも、その構えなどに精通している。」
「銃でもか？」
「そうだ。」
　流石に違和感がある。銃にも精通した剣士？
「三日月流はどうも、全ての武器の研究を繰り返し、すべての武器の可能性を探求していた。それこそスナイパーライフルを格闘武器として使うとか…そう言う
ゲームにはない流派も持っていた。」
「そんなの効いたことないぞ。」
「サブマシンガンガンフーとか。背負うランドセルとか、そう言うのも武術的な使い方を熟知していた。しかも教えることに手慣れていて。道場では師範として
子供武術を教えていたらしい。聞いた時には私と違う意味で武術の達人だとおもったがね。」
「ふむ…。」
　それが本当なら、三日月流…ナギサに買ったタミさんは凄かったかもしれん。ステータスのごり押しでしか無理かもしれん。
「まあ、その受け売りが多いのだよ。でもゲームとかに出ていた槍術の再現とかはできるからある程度格闘はできる。」
「で…棍術か。」
「槍も中国拳法とかの１．５ｍの長い物と短槍。そうでないならある程度短くて軽くて、硬いものがいい。」
「そう言う物か？」
「槍の技術の多くは槍の性質により叩く方がいい武器、払う方がいい武器、突いた方がいい武器とか様々だがね。」
　教授が軽く槍を払う仕草をする。
「得意が分かれば後はそれに合わせて槍をカスタマイズすればいい。特に槍は剣よりもカスタマイズ幅が大きく、武術的には面白い。」
「剣が人気だがな。」
「基本、武術は武器で相手を殴れば死ぬ。それをいかにねじ込むかがカギだ。熟練に幅があって難しい槍よりも単純に使える剣とかメイスのほうがずっと扱いやすい。ただし、慣れれば槍の方がずっと楽になる。メンテ費用も少なくて済むからな。」
メンテ費用か…。
「メンテ費用？」
「穂先の部分は基本取り付け式が多いんだ。簡単な釘から留め金で付けただけとかな…それを交換すれば剣みたいに全部交換しなくても武器として使える。そう言う意味では対費用効果がある。」
「ハルバードとかか？」
「あれも穂先の問題だな。武器の方の特性…柄の材質とかの方が重要視される。木でもいいがこれが悩ましい。」
「ふむ、参考になった。」
「まあ、君も良ければ…いい木があるなら作ってみるといい。硬いだけの武器の方がいい倍胃もあるしな。」
「…硬いと柔らかいには意味があるのか？」
「クックック。そこから説明が必要か？まあ説明するがね。硬い方が防御向け。持久戦向きだ。柔らかい方が攻撃向き。第一自分の動きでたわむ槍に引っ張られるから槍の柔軟性は扱いにくく、制御に体力を使う。ただししなった槍は腕力の数倍の力を発揮する。」
　ここでも材質か…ふむ…。
「そう言うわけで、まずは慣れてもらって、それに合わせた槍をカスタマイズすれば…自分にあった槍が作られるわけだ。」
「面白そうではあるが…。」
「慣れないうちは基本棒だけでいい。」
　こうしてみると、ゲームの槍は…いろいろ残念な場合しかないという訳か…。