上 下
1,216 / 1,270
第24章 ドラゴニックエスタ トライアル

第1208話 異世界の木こりは武闘派なのか?

しおりを挟む
 ドランと別れた翌日から…考えていた。最低でもあと3週間は暇だ。そして…一人でダンジョンに潜るのか?いつもはそこで様々な考えが頭をよぎりそして行動に移せてきたが…ふむ。なにも思いつかん。もしかしたら多頭に慣れ過ぎてミラージェたちに無意識に頼っているのかもしれん。まずは…外に出て、市場を回って甘いものをかき集めるか…後ギルドで小銭稼ぎだ。

大通りに出てくると、最近ギルドがにぎわっていた。ついでにギルドと言っても上のワークスギルドみたいに商人にお伺いを立てて様々な注文とかを書いていある
ハローワーク+市場みたいな作りではなく、クエストという形で伝票が置かれていてそこに短期求人が張ってあるだけだ。いやあ…その多くはダンジョンでの採取
とかだ。後は…探索依頼だな。どうも各派閥において冒険者(プレイヤー)に頼むと有利と分かって…探索と報酬が提示されている。後は…
「…?」
 私は一つの伝票を持って…空いている受付に着いた。
「何でしょう。」
「この仕事依頼について聞きたい。」
 私が持ってきた伝票は木材の買取依頼だ。しかも結構大量だ。
「これはスラム街の一部を買い取り、ソルト商会が新規店舗を立ち上げる際に必要だそうで、丸太が4000本ですね。一本金貨4枚となります。ただし状態で減額もありうるので、できるだけ大きい木を丁寧に持って来て下さい。又丸太加工されていない木材は対象外となります。」
「丸太加工なんて冒険者ができないだろ?」
「加工は、ギルド奥の解体場で行ってください。」
「加工場があるなら…見学可能か?」
「はい、解体場は裏手です。」
 ソルト商会は…エナリシア達がいたところの商会だ。という事は例の風呂屋プランが進んだって事か?

 そしてそのまま、外に出ると…少し試したいことがあってゴーレム回路を取り出し、ニャオがやったシャドウゴーレムの作成を行う。この際に自分と重ねて発動。
自分の体を影で包んでそれにゴーレム回路でゴーレム化すると、…シャドウゴーレムスーツの完成だ。
「まずは歩け!」
 が!ががががあぁぁぁ!
「と、止まれ!」
 歩いてもらってすぐに止まったがダメだこれ。凄い揺れる、しかも頭の方がより揺れる。だから歩くたびに頭がシェイクされる。
「仕方ない、作成しなおして‥。」
 今度はシャドウゴーレムに加護を影で作り、そこに木こり道具を持たせて一緒に歩いていくことにした。形の維持はあるものの歩く方やパワーは魔石の消費と
なるので、体力使わない。ただし補充専用に一日欲しいので連続して使えないのが欠点だ。そしてモンスターを倒すべく気配を探りながら歩いて、山の奥に向かった
のだが…。
「まず敵の反応があるが敵がどこだかわからん。」
 敵はいる…と思う、視線を感じる。が…となると…
「トレントか?」
 トレントは、実は微妙に厄介なモンスターだ。よくある話で食虫植物はどうして虫に気づかれずに捕食できるのか、という話がある。これと似た感じでまず知性
がないから殺気がない。ゴーレムもないが足音で気が付く。だが植物に関してはそのままじっと待っているので、それも機能しない。殺気がないから気配感知が
機能しない。動くまで分からんのがつらい。いや、相手が攻撃当てるまで分からん。それがトレントの辛い所だ。しかも、ウォーキングプラントみたいに歩いて
移動する…その時でさえ音さえない。はっきり言って植物系は不意打ちが得意な種族だ。ただし…扱う側は問題で、栄養が満たされたトレントはまず動かんから
これをダンジョンモンスター以外だとまったく機能しない。動かない。そして何より…周りの木と区別つかん。木に種類があるのは分かる。がどう見ても雑木林で
どの木がトレントか判る方がおかしい。魔力の反応も…動かない間は木と一緒なので、区別もつかん。厄介だ。只まあ…攻撃方法も
「は?」
 と思って降雪垂れていると、木々の間を動く木のお化けがいた。正確には二回り背が低い…2mぐらいの大きさで成木みたいなサイズした、木のような生き物だ。
ドランからレベル1だけスキル譲渡で貰って向こうが持っていた鑑定を貰った。これを使わないといけない。…が薄暗いが鑑定してみるか。

ウードラTIPS:木獣生命体。木に擬態したワームの一種。内部を複数のワームが動かして生物みたいな動きを取れる。天敵である世界樹から逃げるために進化した。
ただしリーダーウードラはなく、全部のウードラの思考はリンクしており、全部焼き尽くさないといけない。ただし、栄養は足から土の栄養を食うか、口から生き
物を食うのかどっちか。

 …うっわ。何この生き物。中身に頭がないから木の特性でよく動く。…これはガワの木を叩きわれば行けると思うが、木を切る奴だと刃が折れる。どうする?というか、気が付いてないな、うろついているだけで奇襲は出来そうだが、音はしてるが気配はない。という科目重なるジャンルがあるとは思わんかった。が、取りあえず武器は…ないな、土魔法の土の矢で攻撃をするか。

ドゴン!

 …普通の木より軽くて脆い。それがぼろッと落ちると…その中には…こみ上げるものがるが、うねうねした何かが詰まっていた。これは邪悪と言われていても・・・つい連射した。いや、生理的嫌悪感でつい連射した。後悔してない。覚えてないんだ。本当に、気が付いたら、消滅して、何かが落ちていた。走って傍によると
それは…どう見ても丸太だった。え?マジ?
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

あの味噌汁の温かさ、焼き魚の香り、醤油を使った味付け——異世界で故郷の味をもとめてつきすすむ!

ねむたん
ファンタジー
私は砂漠の町で家族と一緒に暮らしていた。そのうち前世のある記憶が蘇る。あの日本の味。温かい味噌汁、焼き魚、醤油で整えた料理——すべてが懐かしくて、恋しくてたまらなかった。 私はその気持ちを家族に打ち明けた。前世の記憶を持っていること、そして何より、あの日本の食文化が恋しいことを。家族は私の決意を理解し、旅立ちを応援してくれた。私は幼馴染のカリムと共に、異国の地で新しい食材や文化を探しに行くことに。

転生調理令嬢は諦めることを知らない

eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。 それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。 子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。 最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。 八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。 それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。 また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。 オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。 同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。 それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。 弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。  主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。  追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。  2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。

側妃ですか!? ありがとうございます!!

Ryo-k
ファンタジー
『側妃制度』 それは陛下のためにある制度では決してなかった。 ではだれのためにあるのか…… 「――ありがとうございます!!」

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

処理中です...